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2022年卒業予定者の7月1日現在の内定率は80.1%

2022年卒業予定者の採用面接が6月1日に正式に解禁されてから1カ月が経ち、就職採用戦線は大きな山を越えた。7月1日現在の『キャリタス就活』学生モニターの就職活動状況について運営元の『株式会社ディスコ』(本社:東京都文京区)が調査を行ったところ、内定率は前年実績を超えたものの、コロナ前の20年卒を下回ったことが分かっている。

コロナ前の2020年卒の同時期の内定率84.0%を3.9ポイント下回る状況

今回の調査によると、7月1日現在の学生モニターの内定率は80.1%。これは前年実績(77.7%)を上回る数字ではあるものの、先月の前年同期との差(7.8ポイント)と比べると伸びは鈍く、この1カ月で2.4ポイント差まで縮まってしまっている。

内定取得学生のうち、就職先を決めて就職活動を終了したのは79.8%。6月時点の調査では60.0%だったので、20ポイント近く増加したことになるが、これは、本命企業の選考結果が出たことで活動を終える学生が増えたことによると思われる。

なお、内定取得学生の多くが複数の企業から内定を得ている模様。7月1日時点での内定社数の平均は2.3社となっている。

就職活動終了者は全体の67.4%、継続者は32.6%

モニター学生全員を分母にして活動状況を見てみると、調査時点で就職先を決定して活動を終了した者の割合は63.9%。ここに「複数内定を保留している」などの就職先未決定である者(3.5%)を合わせると、終了者は67.4%に上る。活動継続者は32.6%。内訳は「内定あり」(12.7%)、「内定なし」(19.9%)だった。

文理別にみると、文系は内定保持者も含め、4割近く(計37.3%)が「継続中」と回答。先月調査(計60.5%)より20ポイント減少したものの、理系に比べると就職活動の継続率は依然高い状態が続いている。

これまでの一人あたりのエントリー社数の平均は29.1社で、前年と同水準。一方、企業セミナーの参加者数は前年より2社以上増加した(13.9社→16.1社)。オンラインでの開催が主流となったことで、参加のハードルが下がったことが背景にあると見られる。

選考試験の社数についても見てみると、エントリーシート提出社数は前年より約1社増えて16.4社。コロナ禍により就職環境が厳しくなると見て、提出社数を増やした学生もいるようだ。筆記試験、グループディスカッション、面接試験もそれぞれ前年よりも増加。ここ数年、志望企業を絞り込んで就職活動を進める傾向が続いてきたが、コロナ禍で歯止めがかかり、増加に転じたことが表れている。

持ち駒企業の平均は、前年・前々年を下回る3.6社

内定保持者も含め、7月1日時点で就職活動を継続している学生(モニター全体の32.6%)の、現在選考中の企業数は平均2.0社。これから受験予定の企業数1.6社を合わせた、いわゆる”持ち駒企業”数は3.6社で、前年、前々年のそれを下回る状況となっている。

今後の方針・戦略については「新たな企業を探しながら、幅広く持ち駒を広げていく」が6月から大きく増加した(27.7%→36.1%)。また、持ち駒企業を増やすために、4割を超える学生が「志望業界の見直しを考えている」(41.9%)と回答。選考がうまく進まない中で、視野を広げて仕切り直そうとする動きが目立っている。

(取材・文/松井さおり)