「インターンシップには参加したほうがいいの?」
「インターンシップは就活を進めるうえで、メリットが大きいの?」
2019年卒学生の就職活動が一段落し、大学3年生はもちろん1・2年生も自分の就職活動がより近づいてきたと感じている時期だろう。
そこで、上記のような疑問が芽生えた時に参考となる調査がある。
新卒・中途採用支援を展開する株式会社アクセスヒューマネクスト(東京都港区)は就職活動応援サイト「アクセス就活」に登録している2019年卒業予定の大学生949名を対象に就職活動状況に関するアンケートを実施し、その結果を「アクセス就活Scope 2018年7月上旬の就職活動調査(2019卒)」として公表した。
今年の就活生は約65%がインターンシップに参加
【インターンシップ参加経験】
参加したことがある | 参加したことがない | |
---|---|---|
全体(19卒) | 65.1% | 34.5% |
全体(18卒) | 57.9% | 42.1% |
文系(19卒) | 65.1% | 34.4% |
文系(18卒) | 57.3% | 42.7% |
理系(19卒) | 65.2% | 34.8% |
理系(18卒) | 60.6% | 39.4% |
インターンシップについては文理全体で65.1%が参加。特に文系は昨年は参加率57.3%と、全体平均の57.9%を下回っていたが、今年は65.1%参加と全体参加率と同率を記録し全体を押し上げた。インターン参加はプレ就活としてはもはや常識となっていることが伺える結果となった。
インターン参加者特別選考など、やはりメリットあり
【インターンシップ参加企業から受けたフォロー】
全体
19卒 | 18卒 | |
---|---|---|
メール等情報配信 | 45.3% | 39.5% |
インターン参加者懇親会 | 22.3% | 18.6% |
インターン参加者説明会 | 35.3% | 28.3% |
インターン参加者特別選考 | 35.3% | 34.8% |
人事等の接触 | 14.7% | 14.5% |
特になし | 22.3% | 26.5% |
その他 | 1.0% | 1.1% |
インターン参加企業から受けたフォローは、全体に前年よりもさらに手厚くなっている。18年卒業生では27.3%が「特になし」と回答していた文系が、19年卒業生では22.7%と5%近く減少し、全体を押し下げた(理系は22.8%から21.1%の減少)。
文系で前年比5%以上アップしているのは「(企業からの)メールなどの情報発信」「インターン参加者(に対する)説明会(の開催)」。
理系ではこの2つにプラスして「インターン参加者(を集めた)懇親会(の開催)」が上昇している。また、「人事等の(企業内の人々との)接触(の機会を設ける)」もポイントを上げており、早期から理系人材の獲得を意識する企業が増加している傾向が伺える。
インターンシップ参加と早期内定保有の相関性は?
【7月上旬時点の内定保有率 インターンシップ参加率による検証】
全体
19卒 | 18卒 | |
---|---|---|
参加した×内定保有 | 41.4% | 36.8% |
参加した×内定無 | 23.1% | 21.0% |
参加していない×内定保有 | 13.2% | 15.5% |
参加していない×内定無 | 20.8% | 26.7% |
6月末時点の内定率をインターンシップに参加したか否かで集計すると、やはり「参加した×内定保有」の割合が高く、早期の内定保有とインターン参加には相関関係があるように見える。
ただし、内定率が66.7%の理系学生のうちインターン参加者(インターン参加×内定保有)は49%で、昨年の53.2%と比べて微減。逆に「インターン参加×内定無」が前年比の7.4%と比べて倍以上の15.2%となった。
一般的にはメリットが多いと思われるインターンシップだが、理系学生にとっては一概にそうとも言い切れないのかもしれない。理系学生はそもそも研究と就職活動を両立させる必要がある。そこにインターンシップが加わると、就職活動の時間がよけいに奪われ、本末転倒になる恐れがある。
多くの学生がインターンに参加するようになった今、あらためてその存在意義と就活との相関関係を熟考する時期にきているのかもしれない。
大学生の保護者の世代にはなかったインターンシップ。子どもの就活への過剰な口出しは考えものだが、インターンシップについて子どもの相談にのることがあれば、この調査結果を思い出したい。
(取材/文:大友康子)