中学生を対象に「大学受験とプログラミンに関する調査」を実施
昨日は、国立大学協会が1月末、「2025年の大学入学共通テストから情報を加えた『6教科8科目』を課す」ことを正式に公表したことについてお伝えした。2025年の大学入学共通テストを受けるのは発表の1月時点では中学生3年生の子どもたちであり、中学1・2年生も関心は高いと思われる。
そこで、プログラミング教育を推進する調査機関「コエテコ総研 byGMO」と、学習塾関連サービスを提供する株式会社メイツ(東京都新宿区)は、メイツが運営する中高一貫校生・高校生向け学習塾「個別指導塾WAYS」に通う中学生に対して「大学受験とプログラミングに関する調査」を実施した。本日は、その結果を見ていこう。
【調査概要】
調査テーマ | 大学受験とプログラミングに関する調査 |
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調査対象 | 「個別指導塾WAYS」に通う中高一貫校の中学生1026名 |
調査期間 | 2022年1月11日(火)~1月22日(土) |
調査方法 | インターネットリサーチ |
有効回答数 | 1026名 |
調査主体 | 「コエテコ総研 byGMO」および株式会社メイツ |
センター試験から大学入学共通テストへの移行は81.1%が認知
2021年からセンター試験に代わり「大学入学共通テスト」が導入されたが、中高一貫校に通う中学生は、大学入学共通テストの導入についてどれぐらい認知しているか調査した結果、「知っていた」が81.1%となり、大学受験に対しての感度の高さがうかがえた。
大学入学共通テストに「情報」追加の認知は35.1%
「大学入学共通テストへの『情報』の教科採用についての認知度」についても調査したところ、「知らなかった」が64.9%となり、半数以上が知らないという結果になった。逆にいうと、「知っていた」という回答も35.1%あり、一定数の生徒は認知しているということがわかった。
「将来プログラミングは必須のスキルになる」と思うが90.4%
続いて、中高一貫校に通う中学生は「プログラミング教育」についてどのように考えているのかを調査。
学校以外の場でプログラミングを体験したことがある生徒の割合を調査した結果、「経験がある」が32.6%という結果となり、プログラミングを体験したことがある生徒は少数派ということがわかった。
次に「今後、プログラミングを習ってみたいか」について聞いたところ「習ってみたい」が61.3%となり、多くの生徒がプログラミングを習ってみたいと思っているという結果に。
さらに、「プログラミングは将来必須のスキルとなると思うか」という質問については「そう思う」が60.6%となり、「とてもそう思う」(29.8%)と合わせて9割超(90.4%)の生徒が「プログラミングは将来必須のスキル」と考えているということがわかった。
今後プログラミング教育はより重要なものになってくる
調査結果について、株式会社メイツ取締役の新井翔(あらい・しょう)氏は「先進的な教育プログラムを提供する中高一貫校に通う生徒だけあって、プログラミングの重要性については高い数値となっていますが、共通テストでの『情報』の教科採用といったことはまだまだ浸透していないのだと、この数字を見て感じました」と、中学生への浸透不足を残念がった。
一方、「コエテコ総研 byGMO」所長・沼田直之(ぬまた・なおゆき)氏は、「プログラミング教育の必修化やDXの浸透などを背景に、昨今プログラミングの重要性がより認知されてきていますが、中学生にとっても『プログラミングは将来必須のスキル』と認識されていることがわかり、今後プログラミング教育はより重要なものになってくると感じました」と語る。
筆者はすでに大学生以上の子どもしか持たない。子どもたちが学校で必修としてプログラミングを学ぶチャンスがなかったことを残念に思う。
(取材・文/大友康子)