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2年生が英語の絵本を出版|国際高等専門学校

<第13回>白山麓キャンパス・レポート
Welcome to Hakusanroku!:2年生が英語の絵本を出版

国際高等専門学校(International College of Technology, Kanazawa 以下、国際高専)は、英語で学ぶ工学基礎を重視したSTEM教育を行う新しい高等教育機関です。国際高専のウェブサイトでは、キャンパスの今を伝える「白山麓ジャーナル」を英語と日本語で随時配信しています。

この「白山麓ジャーナル」から、トピックスをピックアップして紹介する連載企画の第13回目は、国際理工学科2年のアファフ・アラーさんが英語の絵本を出版したというニュースです。

授業の課題で書いたストーリーがきっかけに

アファフ・アラーさんは現在、国際理工学科2年生。1年次の前学期に開講された『世界文学』は、いろんなストーリーを読んだり、実際に物語を書いたりする授業です。ある日、子供向けの絵本を書くという課題が出されました。小さい頃から絵本を書いてみたいと思っていたアファフさんには、とても楽しい課題でした。

アファフさんが書いた絵本のストーリーは、教員から高く評価されました。その夏、授業の一環として行われた、学生たちが書いたストーリーを展示するイベント「Writer’s Review」でも、多くの人が評価してくれ、「本を出してみたらどうか」と言ってくれる先生もいました。

「『世界文学』の授業が終わった後も、絵本として出版することを勧めてくれたのですが、その時は出版までは考えていなかった」とアファフさんはふりかえります。

出版を後押しした、新入生との出会い

『Adam and Snack』
Afaf Alaa (著) Saran Kakita (イラスト)

そんなアファフさんが「せっかくのチャンスだからやってみよう」と、出版を決意したのは2021年の春休みのこと。本格的に計画をたて始めました。

そして、新学期をむかえアファフさんが2年生になった春、新入生の柿田紗蘭さんと出会います。アファフさんが絵本のことを柿田さんに話したところ、絵を描くことを喜んで引き受けてくれ、出版計画は具体化していきました。

柿田さんはアファフさんのリクエストに応えて、とても丁寧に絵を描いてくれました。何回もフィードバックを重ね、やっとお互いがしっくりくる形にまで持っていくことができたといいます。

アファフさんが特にこだわったのは、主人公を弟のアダムさんに似せた人物に描いてもらうことでした。彼女は小さい頃、絵本を読んでもテレビを見ても、自分と同じような特徴をもつキャラクターが出てこないことに、寂しさを感じてました。そのため、自分の絵本には、あえて日本ではマイノリティーである顔を持つキャラクターを使いたかったのだそうです。

本のサイズや文章や絵の配置を決める編集作業は、出版元の規定を満たす必要もあり、思いのほか大変でした。「タイトルの文字のフォントは、なかなか決められなかったので、柿田さんの勧めで手書きの文字にすることにしました!」とアファフさん。

本を手にし、「やっと出版できた」と実感

アファフさんがつくった絵本のストーリーを少し紹介します。

アダムは好奇心旺盛で、食べることが大好きな男の子。毎日の3時のおやつが待ち遠しくてしかたありません。そんなアダムを喜ばせようと、ママはいろいろなおやつを用意してくれますが、アダムはどれから食べていいのか迷い、決められません。
ある日のこと。アダムはこの悩みを解決するよいアイデアを思いつきます。「おやつを全部混ぜて一つにしちゃえば、どれから食べるか悩まなくてもいいじゃないか!」 でも、それは思ったほど簡単なことではありませんでした……。

This book tells a story about Adam, a curious little boy who loves eating. He cannot wait for his snack every day at 3 pm. His mommy prepares different types of snacks to make him happy, but then Adam cannot decide which snack to eat first. One day, he gets an idea to solve this problem. What if he mixes everything together? Then, he wouldn’t have to choose which to eat first! But, oh no, it was not as easy as he thought it would be.

出版後、アファフさんはこんな感想を話しています。

「先生にサポートしてもらいながら、さまざまな工夫を重ねて、やっと絵本を出版することができました。できあがった本を手にして、ようやく、『絵本を作ったんだ』という実感が沸いてきました。ほんとうに夢のような話だと思います。やりたかったことを達成できたこと、そして、経験とスキルを得られたことに喜びを感じます。

絵本は英語で書かれているので、「手を出しづらいな」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、ストーリーも英語もシンプルなので、非常に読みやすいと思います。(柿田)紗蘭ちゃんの絵もかわいらしいので、読んでもらえるとうれしいです」

サイエンスや数学は世界共通。だからこそ英語で学ぶ

国際高専は、国内外から幅広く学生が集まるグローバルな環境で、刺激を受け合いながら、共に成長できる教育環境を整えています。プロトタイプを作りながら解決策を考えていく「エンジニアリングデザイン」の授業では、国連・SDGsの17の目標を念頭におきながら、地域の課題にチームで取り組み、サイエンスの知識とテクノロジーを応用しながらイノベーションを創出します。

教育の柱のひとつとして、英語で行う「STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)教育」を重視しています。それは、科学や数学が世界共通の真理であるため、これらの分野を英語で学ぶことは、のちに留学して専門分野を探究したり、卒業後グローバルな企業で活躍するのに役立つからです。

1、2年生は、自然豊かな白山麓キャンパスにある全寮制スクールで、英語で数学、理科、情報を学ぶほか、徹底した英語スキルの修得を目指します。3年生は、ニュージーランドの国立オタゴポリテクニクに留学。そして、4、5年生は併設校である金沢工業大学と連携し、分野横断型の研究やプロジェクトに取り組みます。

さらに金沢工業大学 大学院 情報工学専攻まで進学すると、最短2年間で全米ベスト大学の一つ、ロチェスター工科大と金沢工業大の2大学の修士号取得の道もあります。

「国際高等専門学校(5年間)」+「金沢工業大学の学部及び大学院(4年間)」の9年一貫教育により、グローバル・イノベーターを育成します。

【学校へのお問合せ】

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〒921-8601 石川県金沢市久安2-270
TEL 076-248-1080 FAX 076-248-5548
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国際高専入試センター
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