<第7回>白山麓キャンパス・レポート
Welcome to Hakusanroku!:「Agriculture Innovation Project」で学生たちが紅はるかを収穫
国際高等専門学校(International College of Technology, Kanazawa 以下、国際高専)は、英語で学ぶ工学基礎を重視したSTEM教育を行う新しい高等教育機関です。国際高専のウェブサイトでは、キャンパスの今を伝える「白山麓ジャーナル」を英語と日本語で随時配信しています。
この「白山麓ジャーナル」から、トピックスをピックアップして紹介する連載企画の第7回目は、2年生の「エンジニアリングデザイン」の授業の一環で取り組む「Agriculture Innovation Project」についてレポ―トします。
農業法人さながらの経営ビジネス体験と獣害対策システム開発で、地域課題の解決を目指す
国際高専では問題発見・解決型の授業である「エンジニアリングデザイン」の一環として、2年生が先端技術の開発と経営ビジネスの体験などを通じて、地域の農業の課題解決を目指す「Agriculture Innovation Project」を進めています。
国際高専のキャンパスのある白山麓は、日本の食料・農業・農村基本法では中山間地域に規定される地域。山間部からその周辺に広がる地形で、平坦な耕地が少ないため、農業生産が難しいとされています。近年は地域の少子高齢化が進み、耕作放棄地の増加に従って野生動物による農作物への被害も増えるなど、課題が浮き彫りになっています。
こうした地域の課題解決に向け、「Agriculture Innovation Project」では、学生たちがキャンパス前の休耕田を使用して、さつまいもの一品種である「紅はるか」を栽培しています。紅はるかは、サツマイモの中でも糖度が高く、しっとりとした食感と上品な甘さで人気があります。
プロジェクトで学生たちは、農業法人さながらに、生産から営業、販売、決算までの一貫した経営ビジネスを体験する「Agriculture Business Team(ビジネス班)」と、AIやIoTの技術を駆使して、さつまいも畑の獣害対策システムの開発に取り組む「Agriculture Technology Team(アグリテック班)」の2チームに分かれて、通年で活動しています。
学生たちの取り組みが功を奏し、昨年の約2倍の紅はるかを収穫!
10月初旬、さわやかな秋晴れの空のもと、ビジネス班は紅はるかの収穫を行いました。
さつまいも畑ではこれまでに、野生のサルに収穫のほとんどを奪われるという被害が出ていたため、畑の周囲に動物の侵入を防ぐための電気柵を取り付けています。今年はアグリテック班がこの柵の性能を強化したため、獣害はみられませんでした。
ビジネス班は、こまめに雑草の除去作業を行い、芋を太らせるために、四方へと伸びた蔓(つる)を浮かせて不定根を切る「つる返し」を実施しました。こうした学生たちの日々の努力と技術力が功を奏したのでしょう。今年は、昨年の収穫量の1.9倍にあたる190kgの紅はるかが収穫できました。
収穫した紅はるかを、校舎内の倉庫で約1か月間貯蔵して熟成させるのも大切な作業の一つ。一定期間貯蔵することによって、さつまいものデンプンが糖分に変わって甘みが増し、しっとりとしたコクが生まれるからです。
この紅はるかは、10月31日(日)と11月3日(水・祝)の2日間、
11月3日(水・祝)に開催する国際高専オンライン進学説明会では、道の駅「瀬女」から中継を行い、ビジネス班とアグリテック班がそれぞれの取り組みについて説明します。
国際高専オンライン進学説明会の詳細はこちら
https://www.ict-kanazawa.ac.jp/onlinesession/
サイエンスや数学は世界共通。だからこそ英語で学ぶ
国際高専は、国内外から幅広く学生が集まるグローバルな環境で、刺激を受け合いながら、共に成長できる教育環境を整えています。プロトタイプを作りながら解決策を考えていく「エンジニアリングデザイン」の授業では、国連・SDGsの17の目標を念頭におきながら、地域の課題にチームで取り組み、サイエンスの知識とテクノロジーを応用しながらイノベーションを創出します。
教育の柱のひとつとして、英語で行う「STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)教育」を重視しています。それは、科学や数学が世界共通の真理であるため、これらの分野を英語で学ぶことは、のちに留学して専門分野を探究したり、卒業後グローバルな企業で活躍するのに役立つからです。
1、2年生は、自然豊かな白山麓キャンパスにある全寮制スクールで、英語で数学、理科、情報を学ぶほか、徹底した英語スキルの修得を目指します。3年生は、ニュージーランドの国立オタゴポリテクニクに留学。そして、4、5年生は併設校である金沢工業大学と連携し、分野横断型の研究やプロジェクトに取り組みます。
さらに金沢工業大学 大学院 情報工学専攻まで進学すると、最短2年間で全米ベスト大学の一つ、ロチェスター工科大と金沢工業大の2大学の修士号取得の道もあります。
「国際高等専門学校(5年間)」+「金沢工業大学の学部及び大学院(4年間)」の9年一貫教育により、グローバル・イノベーターを育成します。
【学校へのお問合せ】
金沢キャンパス
〒921-8601 石川県金沢市久安2-270
TEL 076-248-1080 FAX 076-248-5548
白山麓キャンパス
〒920-2331 石川県白山市瀬戸辰3-1
国際高専入試センター
Mail:admissions@ict-kanazawa.ac.jp
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