帰国生入試で大学に入る方法②

人気が集中する傾向にある大学の「帰国生入試」。十分な知識習得と試験対策が必須です。

スケジュール

複雑化・長期化しやすいため、日程調整は大切

大学(学部・学科)の帰国生入試は、下記の表「帰国生の大学入試日程」の通り、かなり複雑なものであることが分かる。

そのうえ「国公立を第一志望にして私立を併願する」場合や、「帰国生入試以外にも一般選抜入試を視野に入れる」場合、「帰国生入試だけではなく、総合型選抜や学校推薦型選抜なども合わせてチャレンジする場合」は、よりいっそう複雑化した日程となり、入試が長期にわたることも覚悟しておかなくてはならない。

また、帰国生入試では出願する際に志望理由書を提出する必要のある大学も多く、出願作業に時間がかかる。帰国生入試では、「いつの段階で何を準備すればよいのか」といった綿密なスケジューリングがとても重要になってくるのだ。

外国の教育制度に沿った日程で受けられる試験も

帰国生入試は、4月入学を前提にしたものがほとんどだが、なかには秋季(多くは9月)入学用に実施している大学(学部・学科)もある。これは、3月ではなく6月に卒業することの多い英語圏の現地校やインターナショナルスクールに通う帰国生にとって活用しやすいものだろう。

注意すべき点は、4月入学を基本とする大学(学部・学科)に秋季(多くは9月)のタイミングで入学する場合は、4月に入学した者より半年早く入学する分、大学の卒業時期がそのまま半年早まることになるが、日本での就職時期は4月に入学した者と変わらないという点。

こうしたこともあってか、秋季入学入試で合格を手にした場合でも、合格の権利をキープしつつ、4月入学入試を受ける人もいる。

Point

ここ数年の入試では直接出向くのではなくオンラインで行える 大学(学部・学科)もある。受験先の最新情報を確認しましょう。

学習の準備

準備方法は、試験の傾向と照らし合わせながら確認しておきたい。

海外在籍校の成績・活動

合否の選考要素となりえる出願書類。書類選考が行われる場合、海外在籍校での成績をチェックされる場合がある。成績以外にも、クラブ、ボランティアなどの活動で特筆すべきものを持っておくと有利だ。

統一・語学運用能力試験

試験結果の提出は、出願時に「必要」、「提出が望ましい」、「不要」の3通り。 提出が出願の必須条件になる大学(学部・学科)の場合、ハイスコアが必要となることもある。また「提出が望ましい」であっても、書類審査段階で参考資料となることも(その場合はほとんどの受験生がスコアを提出する)。 試験を受けてスコアをできるだけ伸ばしておいたほうが、選択肢が広がることに変わりはない。

学科試験

帰国生入試での出題傾向(下記)を把握し、できることからはじめることが大切だ。

外国語(英語)…特に私立の文系で高度な内容で出題される。内容は外国語そのものよりも日本語力が重要となる問題が少なくないため、外国語の和訳力を身に付けておく必要がある。また、TOEFL®やIELTS™のスコア提出に置き換えられることも多い。

国語(日本語)…年齢にふさわしい日本語の理解力を持ち、講義の受講に支障をきたさない程度の日本語の運用能力が備わっているかが試される。漢字の書き取り、読み、語句の理解、文章把握、論旨の要約が中心に出題される。

数学・理科…日本の学習単元で、日本語で出題される。面接での口頭試問で知識を問われることもある。数学では、電卓の使用ができないため、計算力も必要となる。特に国立の場合、一般入試と同じ問題であることもあり、高い記述力が必要となる。

小論文

「もっとも重視される」とも言われており、十分な対策が必須だ。多くは日本語での出題となっている。 出題内容は、与えられたテーマを自由に論じるばかりでなく、難解な長文読解の末に論じたり、受験する学部・学科の分野に関連する内容で論じることを要求されることもある。そのため、対策は一朝一夕では身に付かない。時間をかけて、滞在国・地域の「文化」、「政治」、「経済」、「国際問題」などに対する現地での見解、さらには「志望している学部・学科に関連した時事問題」などを知り、考えをしっかりまとめておくと効果的だ。

小論文で問われる4つのポイント

❶海外体験が豊かで、その体験を理解し、自分のものとしているか
❷志望学部(学科)に関係する知識と、様々な社会問題に対する意見・考えを持っているか
❸大学/学部に対する志望動機がしっかりしているか
❹日本語による表現力が豊かであるか

面接

学科試験より重視していると思われる大学(学部・学科)もある(国公立の一部では面接を点数化していることを公表している場合も)。「志望理由」、「学部・学科に関わる専門知識への関心」、「高い思考力が身に付いているか」、「日本語の運用能力」を総合的に見られることが多く、その対策が必要となる。理数系では学科面接を行うこともあるので、事前に準備を進めておきたい。

監修/駿台国際教育センター
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