中学や高校での帰国生入試の受験成功に欠かせないのは、子ども自身に合った志望校選びではないだろうか。それができれば、子どもの勉強へのモチベーションアップにつながるだけでなく、合格後の学校生活も前向きにスタートできるはず。
そこで、数多くの受験生の志望校選びに関わってこられた専門家に「賢い志望校選び」をするための方法や考え方についてインタビュー。当編集部が聞き集めた志望校選びでよくあるNG例を考察していただき、成功させるための秘訣を伺った。
NG1|各志望校で試験科目がバラバラ
第1志望校の試験科目「算数・英語」、第2「英語エッセイ」、第3「国語・算数・理科・社会」、第4「日本語作文」というように試験科目がバラバラすぎる状況は絶対にNG。理想的なのは、第1志望校に向けた学習をしていれば自然と第2以下の対策になる、という組み方。少ない科目数で受験できる帰国生入試のメリットを生かし、できれば2〜3の試験科目で対応できるようにしたい。
NG2|子の性格を理解せずチャレンジ校を受講
学力的に背伸びをした学校の受験は、入学後に置かれた状況で頑張れるかどうか、性格に応じて検討しよう。例えば、ギリギリで入学した場合は成績下位からのスタートになりがちだが、その際にモチベーションをなくしてしまう子もいる。逆に成績上位だと手を抜きがちになる子もいれば,それをキープすることがモチベーションとなって頑張る子もいるからだ。
NG3|受験後、入学までに他教科を勉強しない
帰国生入試は、中学では「英語1科」や「英語と作文」、高校でも「国語・数学・英語の3科」と一般と比べて教科が少なくなりがち。
しかし当然ながら、入学後は受験科目以外の科目を学習する。そのため、帰国生入試を突破するため教科を絞って受験するのはNGではないが、受験終了後は、受験科目以外の教科の学習をしておきたい。
NG4|直接学校に行かずに志望校を決定する
コロナ後はオンラインでの説明会を実施する学校が非常に多くなっており、直接学校に行かずともたいていのことは分かる。
しかし、できれば一度は通学の時間帯に子どもと一緒に足を運んでおこう。電車やバスの本数、乗り継ぎルート、混雑状況、実際にかかる通学時間が把握できるからだ。また、通学時間帯に行ってみることで、その学校の先輩たちの様子も知ることができ、子どもにとっては大きなモチベーションになることも。説明会や学校祭も含め、二度、三度と学校に足を運ぶことで「絶対にこの学校に受かりたい」という強い気持ちも芽生えるはずだ。
お話を伺った方
株式会社アイウエア JOBA教務統括責任者
大神田 篤(おおかんだ・あつし)氏
約17年の中国滞在を経て2020年夏に帰国。JOBAにて海外生・帰国生のサポートに携わる。帰国子女入試に関する教育相談やオンライン授業などの情報は 海外・帰国子女教育専門機関JOBA