海外のMinecraft好き小中高生が考える防災のまちとは? 海外ブロック地区大会をリポート
「第7回Minecraftカップまちづくり部門」予選通過の海外勢を紹介
子どもたちが大好きなゲーム「マインクラフト(Minecraft)」を教育現場で活用することを目的にアレンジした「教育版マインクラフト」を使った作品コンテスト「第7回Minecraftカップ」が開催中です(主催はMinecraftカップ運営委員会)。
高校生以下の子どもたちを対象としたコンテストで、海外からも参加可能。予選、地区大会を経て、来年2月15日に東京大学にて全国大会が開催されます。先月、地区大会のひとつ「海外ブロック地区大会」がオンラインにて行われたので、その様子を紹介します。
・「第7回Minecraftカップ」募集開始の過去記事はこちら
日本国内・海外から過去最大の836作品の応募
今年度の大会のテーマは、『未曾有の災害から人類の命をまもれ!〜レジリエンスを備えたまちづくり〜』です。レジリエンス(立ち上がる力)を主題に、「防災」や「平和」も含めた幅広い観点からの作品を募集したところ、海外・全国14ブロックから過去最大となる836作品の応募がありました。
「まちづくり部門」と初心者向きの「たてもの部門」があり、いずれもオンライン投票と審査員による予選を実施。「まちづくり部門」の場合は、346作品の応募があり、予選を通過したチームが地区大会に駒を進め、「小学生編成」チームから1組、「中高生編成」チームから1組が全国大会に出場します。なお、「たてもの部門」は地区大会を行わず、書類審査を経て各賞が決定します。
「海外ブロック地区大会」には計5組が出場
11月22日に行われた「海外ブロック地区大会」には、小学生編成チームから2組、中高生編成チームから3組が出場しました。
<小学生編成>
作品名:「Smiland 〜いつでも元気を出せるまち〜」
チーム名:Bubble&Mine
オーストラリア在住の姉妹2名で、初めての参加。災害を経験したことがないため、YouTube動画で東日本大震災の津波などを見て調べたといいます。地震に強い建物にしたり、避難所を高いところに作るなどの工夫をしています。趣味や娯楽も楽しめる施設を作ることで、災害が起こっても「立ち上がれる!」という気持ちになれるようなまちを目指しました。
作品名:守りの要~鉄が守る街~
チーム名:じゃがいもポテト
約10年間ベトナムで暮らしているという男子2人のチーム。ベトナムは台風や河川の氾濫が多く、特に2024年に発生した台風11号(ヤギ)は大きな被害をもたらしました。そこで、川沿いにオフィスや家があることを考慮して、まち全体を3~4m高くするなど、水害に強い設計を考えたそうです。電車好きということで、まち全体に鉄道を走らせています。
<中高生編成>
作品名:おりがみメトロポリス 〜Resilient & Artistic〜
チーム名:OrigamiCrafters
アメリカ・カリフォルニア州在住の中学2年生の2人によるチーム。 今年1月にロサンゼルスで起こった山火事を目の当たりにしたことから、みんなが安全に楽しく暮らせるまちづくりに挑戦。災害が起こっても倒れない設計にするため、「101ボール」(※)を学校に設置するなどしました。友達と勉強できるカフェもあります。
※超高層ビル「台北101」に設置された、建物の揺れを防ぐための巨大な金色の鋼球のこと
作品名:天空の盾-災害を超えて人類を守る
チーム名:SKYGAKI
長年台湾で育った兄妹二人で、二回目の挑戦。日本語があまり話せないとのことで、日本語を書いた資料をめくりながら、作品紹介動画やスピーチはすべて英語で行いました。事前に知人20名にアンケート調査を行い、その結果を分析して、「空に浮かび、防護シールドを持つまち」を作ることにしたといいます。地下にある4階建ての避難所には、ソーラーパネルから農場などもあります。
作品名:祭から学ぶ、助け合いの未来~多様性から生まれる防災コミュニティ~
チーム名:Aurora Alliance
韓国(7名)・台湾(3名)・インド(1名)・日本(4名)の計14人による合同チーム。日本のメンバーは農業高校の生徒です。祭がもたらす人々の絆やコミュニケーションと最新技術を組み合わせた未来の防災のまちづくりに挑戦。それぞれの国の文化や考え方の違いに気付かされることも多く、互いを尊重し合いながら共同建設したといいます。
英語を織り交ぜながら作品紹介やスピーチをするチームがいくつかあったり、4カ国合同で作業を進めたチームもあり、海外ブロックならではの発表となりました。審査の結果は、すべての地区大会が終了した後、12月19日の19時からオンライン配信にて発表されます。
■大会概要:Minecraftカップ公式サイト
(取材・文/中山恵子)












