Press "Enter" to skip to content

日本の高校生たちによるビジネスモデルで社会問題を解決!(後編)

昨日「高校生みんなの夢AWARD2」で選ばれたファイナリスト10名の社会問題を解決するビジネスモデルの内容をチェックした。さて、どのアイデアがグランプリに選ばれたのだろうか?

グランプリは尾崎光さんの「源平合戦体験ツアー」

グランプリに選ばれたのは、岡山大安寺中等教育学校6年生・尾崎光さんの「源平合戦体験ツアー」。源平合戦の史跡めぐり・プラネタリウムで838年前の金環日食を体験・源平大橋までの船旅を組み合わせたツアー。ターゲットを小中高生の教育旅行、そして歴史好きな人、天文好きな人とし、売上・費用・利益など明確にして収支計画をつくり、ビジネスモデルを完成させた。

尾崎さんは、「高校生みんなの夢AWARD2」を知り、参加の条件であるソーシャルビジネス学習プログラムを受講して、地元倉敷を元気にするビジネスモデルを考え始めた。

倉敷への観光客は多いものの、宿泊する割合は2割以下にとどまることに課題意識を持ち、倉敷の観光を滞在型に変えるため、観光資源を探した。そのなかで「源平合戦」に着目し、地域にあるプラネタリウム施設と結び付けることを発案。実際に施設へ訪問したところ、プラネタリウムで838年前の空を再現可能と判明した。そこで、歴史と天文の両方が学べる番組として制作しようと意図した。

公益財団法人みんなの夢をかなえる会の代表理事で、当コンテストの審査員長を務めた渡邉美樹(わたなべ・みき)氏からは、「10人全員が本当にハイレベルな発表の中で、実現に向けて少しずつ確実に行動を重ねており、自分の言葉でしっかりと話せていた点が、最後の決め手になった」と選考理由が伝えられた。

応募のアイデアの中には実現が決定したビジネスも!

尾崎さんの「源平合戦体感ツアー」は実現が決定し、本年11月にまずはテストツアーが開催される予定。

水谷さんの「菊芋プロジェクト 安芸太田町産菊芋で日本も東南アジアもHAPPY大作戦!」は、すでに学校や地域と協力して実際に菊芋の栽培を開始。菊芋クッキー作りも進めている。

中野さんの「誰でも楽しくダイバーシティを体感できるボードゲームIROIRO」もすでにボードゲームをテスト制作しており、販売に向けて進んでいる。

夢を追いかけながら人は成長していく

公益財団法人みんなの夢をかなえる会代表理事・渡邉美樹(わたなべ・みき)氏は「高校生みんなの夢AWARD2」を総括して次のように語った。

「少子高齢化が進む日本において、経済力を守るためには納税と雇用を生み出す起業が重要です。この『夢AWARD』は日本の起業家の裾野を広げることを目的としています。そして、もう一つの目的がひとりひとりの夢を応援することです。夢はその人が生まれてきたことで起こる素敵な奇跡です。素敵な夢が集まって素敵な社会になっていくと思います。『夢AWARD2』に寄せられた夢は非常に有意義な夢で、第1回に比べ格段にレベルアップしています。起業の裾野が広がりつつあることをうれしく思います。

夢を叶えるための『夢7原則』があると考えています。

  1. 『どうしても叶えたい』夢を持つ
  2. 夢に日付を付ける
  3. 勉強し、計画化する
  4. カラーでイメージする
  5. あきらめない
  6. 運を味方にする
  7. 夢を追うプロセスの中で、成長する

簡単に叶う夢はありません。夢を無理やり見つける必要はなく、『どうしても叶えたい』夢にぶつかるかどうかがスタートです。もし、そんな夢が見つかったら、いつまでにそれを叶えるのか日付を決めます。『いつか叶えたい』夢は、決して叶いません。明確な期日を定めると、その目標と現在とのギャップが見えてくるので、計画化して埋めていくことができます。

目標とする姿をフルカラーで鮮やかにイメージすると、そこに向かうための努力により身が入ります。あるオリンピック金メダリストから、その人は必ず『自分が金メダルを獲得して聴衆に手を振る姿』をイメージしてから毎日練習に取り組んでいた、と聞きました。

オリンピック選手を見ていても、その差はわずかです。最後はあきらめずに続ける力がものをいいます。

また、どんなに努力しても報われないこともあるので、運を味方につけることも重要です。運は神様がもたらすものでしょう。つまり、神様が応援したくなるような生き方をしていくことが大事です。誠実、思いやり、努力、感謝を忘れない。夢を追いながら、そういう生き方をしていくことにより、人は成長していくことができます。ぜひ夢を追いかけてほしいと思います。

来年のエントリーもぜひお待ちしています(12月頃から始動予定)。『ソーシャルビジネス学習プログラム』を活用して、ぜひエントリーなさってください」

(取材・文/大友康子)