中学受験と高校受験向け進学塾の栄光ゼミナール(東京都千代田区)は今年1月16日~3月18日に、この春、中学または高校受験をした受験生とその保護者を対象にアンケートを実施。志望校・受験校の決定者や学校を選ぶうえで重視した点、受験時の精神的な支えなどを調査した。
明日とあわせて2回シリーズの前半となる本日は「高校受験を経験した子どもとその保護者へのアンケート」結果を見てみよう(調査人数:受験生144、保護者94名)。
受験する学校を決めたのは「本人」が9割以上
受験生の保護者に、志望校や併願校など受験をする学校選択を主に行った人を聞いたところ、91.5%が「子ども本人」と回答した。多くの家庭で、子どもが主体となって、高校受験に関する選択を進めていたことが明らかとなった。
明日ご紹介する中学受験のアンケートでは、「最初に受験しようと考えた人」は親である割合がかなり多いので、高校受験アンケートでは3年間の成長が見てとれる。
志望校選びは「成績・学力に合うか」や「雰囲気」を重視
志望校・受験校を選ぶ上で、重視したポイントについては「学習面」と「学校生活面」の2つの切り口で調査した。
まずは学習面について。受験生・保護者ともに重視したポイントは同じで、一番重視したのは「成績・学力に相応」で、受験生41%、保護者66%。次いで、「学校の教育方針・校風」、3位に「大学への進学実績」だった。次に「生活面について」。これも重視したポイントは受験生・保護者とも同じで、最も重視したポイントは「在校生の雰囲気」で、受験生の29.2%、保護者の58.5%だった。次点の「通学が便利」も、受験生の22.9%、保護者の50%が重視したことが分かった。
受験は「学力の向上に役立った」「精神的成長に役立った」
受験生と保護者に「受験」とはどのようなものだったかを聞くと、双方、「学力の向上に役立った」「精神的成長に役立った」「力を試すことができた」と回答。特に、受験生は「学力の向上」、保護者は「精神的成長」を感じたようだ。
「受験勉強は苦しかった」と回答した受験生や、「親の経済的負担が大きかった」と回答した保護者もいるものの、「受験」を通してプラスの変化を感じている受験生・保護者が多いと考えられる。
受験を乗り越える上で精神的な支えは「母」が1位
受験生に、受験を乗り越えるうえで精神的な支えとなった人を聞いたところ、「母」が43.1%で最も多く、次いで「学校の友達」が42.4%だった。周囲の大人の支えはもちろんのこと、同じ受験生である学校の友達と、受験の大変さを共有したり、互いに励まし合ったりなど、助けられたと感じている受験生も多いと考えられる。
保護者が子どもとの関わりで心がけたこと(自由回答)
受験が「学力の向上に役立った」「精神的成長に役立った」など、これから受験を迎えるご家庭にとっても、受験を前向きにとらえることのできるアンケート結果といえるのではないだろうか。明日は中学受験のアンケート結果を見ていこう。
(取材・文/大友康子)