グローバル人材に特化した人材紹介・人材派遣会社のエンワールド・ジャパン株式会社(東京都中央区)は、同社のサービスに登録する正社員を対象に「英語レベルと年収」についてアン ケートを行い、2月25日に結果を発表した。
それぞれの英語レベルを回答してもらったうえで現在の年収を問うと、英語レベル「上級」(流暢)では約60%が1000万円以上と回答。一方、英語レベル「初級」(挨拶レベル)では年収 1000万円以上は約10%に留まり、約50ポイントの差が生じた。英語レベルが上がるほど、年収の高い割合が大きくなる相関関係がみてとれる。
【図1】現在の年収を教えてください
国税庁が令和元年9月に発表した「平成30年分民間給与実態統計調査」では、年収1000万円以上は給与所得者の5%だが、英語レベル「上級」のグローバ ル人材は、その約12倍の結果となった。
英語上級者は職務の範囲が広がり、年収アップにつながっている
「仕事のどのようなシーンで英語を使用しますか」と問うと、英語レベル「ビジネス」以上では、大多数が「電話対応」「社内会議」など人との対話が必要な業務行っていた。一方、「中級」で 過半数を上回ったのは、「Eメール」「レポート・資料作成」となり、読み書きが中心であることが分かる。日常業務である「社内会議」での英語使用は「ビジネス」で約6割なのに対し、「中級」では3割未満にとどまった。英語が使えることで職務の範囲が広がり、その結果として給与水準や年収アップにつながっていることが推察される。
【図2】仕事のどのようなシーンで英語を使用しますか(複数回答可)
帰国後の英語力保持は海外赴任中の家庭の最大の関心事のひとつだが、その重要性をより強烈に感じるアンケート結果ではないだろうか。エンワールド・ジャ パン株式会社の広報担当者は言う。
「高い専門性と語学力を持ち合わせたグローバル人材には非常に高い需要があります。昨今、企業は人材の採用難に苦しみ、一部の優秀な人材を取り合っている状態も見受けられます。英語力は年収に影響するだけでなく、職場でのコミュニケーションの円滑化や、転職の際にキャリアの可能性を広げるなど、大きなアドバンテージとなっています。今後ますますビジネスに国境がなくなってくることは、容易に推測できます。英語力は、将来活躍のステージを広げるだけでなく、希望する仕事に就いて夢を叶え、人生における成功をつかむためになくてはならないスキルになると考えています」
(取材╱文:大友康子)