中学受験生の保護者にアンケート
中学受験の情報サイト「かしこい塾の使い方」(運営:アクセラレーテッド有限会社)は、サイトに会員登録するメルマガ会員のうち、中学受験を目指す小学生(主に小4~小6)をもつ保護者91名を対象に「健康管理」をテーマにアンケートを実施した。結果について解説を行い、保護者へ向けたアドバイスも行っているので、今日と明日とで詳しく見ていこう。
【「中学受験生の健康管理」アンケート調査概要】
調査期間 | 2022年10月4日(火)~11日(火) |
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調査方法 | インターネット |
回答者数 | 「かしこい塾の使い方」メルマガ会員91名 (中学受験を目指す小学生《主に小4~小6》をもつ保護者) |
中学受験生の平均睡眠時間、7~8時間が43%
中学受験を目指す小学生の平均睡眠時間については、「7~8時間」が43%、「8~9時間」は34%、「6~7時間」が13%、「6時間未満」「9~10時間」がともに4%、「10時間以上」は1%という回答だった。
「寝る子は育つ」という言葉がある通り、小学生であれば夜21時には寝て朝7時に起きる、つまり10時間くらいの睡眠時間が理想ではあるが、特に中学受験を控えた小5・6年生ともなるとそうもいかない。試験直前の追い込み時期になると、なかには深夜1時や2時まで勉強にいそしむ小学生もいるだろう。
しかし、「かしこい塾の使い方」主任相談員・小川大介(おがわ・だいすけ)氏は「小学生のうちから夜中の1時や2時まで起きているのは絶対によくありません。体も脳も育ち盛りの子どもたちには、栄養と睡眠が必要です。睡眠によって脳もエネルギーチャージできるのです」と、小学生が深夜まで勉強することに警鐘を鳴らす。
東北大学の研究チームが行った調査で、健康な5~18歳の子ども290人の平均睡眠時間と脳に記憶が一時保管される領域である「海馬」の体積を調べたところ、睡眠が10時間以上の子は6時間の子より海馬の体積が1割も大きい事実が判明したという。
「『受験勉強』と聞くと夜遅くまで起きていてもつい許しがちになりますが、限られた時間で集中して勉強する方が実は学習効率も上がるのです」(小川大介氏)
中学受験生の夕食事情
中学受験塾の授業終わりは大手塾だと21時頃になってしまい、食事をどうするかが気になるところ。「塾に行く前に早めに夕飯を食べる」「塾へ軽食を持参、帰宅後に軽い夕食を食べる」「塾へお弁同を持参する」といった方法が考えられる。通っている塾やご家庭の状況によって対処法は異なるだろうが、一般論として、主任相談員の西村則康(にしむら・のりやす)氏は次のように勧める。
「理想を言えば、手作りのお弁当を持たせてあげるほうがいいのですが、現実的に、共働きの家庭で毎回手作りのお弁当を準備するのはかなり厳しいと思います。塾ではおにぎりなどの軽食で済ませて、家に帰ってから晩ごはんを食べるという方法もあります。むしろその方が、子どもにとっては誰かと一緒にごはんを食べられるので、『孤食』にならないためにもいいかもしれません」
21時に塾が終わって、早くても21時半からの食事だ。子どもの体の負担にならないよう、消化の良いメニューを心がけたり、軽いおかずに味噌汁やスープで心と体を温める程度に、など工夫されるといいだろう。
また、西村氏は家族での食事は夕食にこだわらず、朝ごはんを揃って食べるという方法も勧める。
「朝食は決まった時間に必ずとるようにすることを家庭の約束ごとにして、1日の生活リズムを作っておくといいでしょう」(西村則康氏)
ちなみに、「塾で食事が必要な時どうしていますか?」という質問に対しては「お弁当をつくり、もたせている」が84%、「まだ持たせる状況ではない」など「その他」が10%、「子どもに任せている」「パンなど買ったものをもたせている」が各3%という回答だった。
明日は、心の健康として「中学受験生がストレスをためないように親が気を付けていること」について見てみよう。
(取材・文/大友康子)