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School Fashion通信|ジェンダーレスな水着

今回のテーマ「ジェンダーレス水着」

近年は日本の学校においてもジェンダーレス化の動きがみられ、対応する制服や運動着を導入する学校が出てきている。そんな中、2022年には、学校用水着としては初のジェンダーレス対応水着が登場。手がけたのは水泳・介護用品メーカーの「フットマーク」で、同社開発担当の佐野玲子(さの・れいこ)氏は、「内面と外見での性の異なる児童や生徒も迷わずに選ぶことができる水着になったと思います」と話す。

開発のきっかけは、4~5年前から「ジェンダーの悩みを抱えた生徒が着られる水着がなく困っている」との声が増えてきた事。8年前に中学生と取り組んだ商品企画もヒントになったと言う。

「男子生徒チームがデザインした水着が、パンツは足首丈で、上着まであったんです。アンケートでも体を見られるのは恥ずかしい、という声が多くありました。『男子は肌をみせることに寛容』という固定観念が間違いだと分かり、そこから男女共通の水着という案が生まれ、体型が目立たないシルエットと快適な動きを両立するための試行錯誤を重ねました」

ジェンダーにとらわれない、体型を見せすぎないスクール水着の大改革が進行中!

前が勝手に開かない工夫で、水泳中も安心

前開きの上着は着脱しやすい一方で「水泳中に開いてしまったら…」という不安もある。そこで、引き手部分の工夫で開かなくなるロック機能付きファスナーを使用。引き手を覆うカバーも付けた。

上着のめくれを防ぐ工夫で、思い切り泳げる!

セパレーツ水着は泳いでいるときに上着の裾がめくれやすいので、上着の内側にループを付けてパンツのひもを通して結べるようにしてある。

体型に合わせて選べる差し込み式のパッド

水着のサイズは120cm~4Lまでの10展開あり、140cm以上には胸当てパッドを収納するポケット付き。「差し込みパッド」は別売りで5サイズ展開。今後はブラトップも商品化予定だそう。

インナーパンツ付きだから1枚で着用可能

パンツには厚手の伸縮生地でできたインナーパンツが縫い込まれているので、水着用下着を履く必要がない。また、パンツ内に水が溜まって重くなるのを防ぐために、左右に水の抜け穴も付いている。

着心地のよさと動きやすさを追求した素材選び

上下とも撥水加工の素材にし、水に濡れても軽く、快適に着られるよう工夫。腕をよく動かせるよう伸縮性も高い。水に濡れて体のラインを拾わぬよう肌にくっつきにくい素材でもある。

現在、問い合わせは全国200校以上から。教育現場におけるジェンダーレス化の動きは今後さらに広まっていくと予想される。

文、編集/本誌編集部、中山恵子、イラスト/Chinatsu