『ソニー生命保険株式会社』(本社:東京都千代田区)が、全国の中高生に対して行った「中高生が思い描く将来についての意識調査」の集計結果を公開した。本調査は今回で3回目となるもので、インターネットリサーチで実施。1,000名(中学生200名、高校生800名)の有効サンプルの集計結果をまとめている(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)。
「10年後の自身の将来が不安」と回答した中学生は46%、高校生は48%
これによると、「自身の将来のイメージ」について、明るい見通しを持っているか、不安を抱いているかを問う質問に対して、「10年後は不安」と答えた中学生は46%、高校生は48%に上ることが分かった。
「明るい(計)」(「明るい」と「どちらかといえば明るい」の合計、以下同様)と回答した中学生の割合は、【1年後の自分】では62.5%、【3年後の自分】で56.5%、【10年後の自分】で54.5%。一方「不安(計)」(「不安」と「どちらかといえば不安」の合計、以下同様」)と回答した高校生の割合は【1年後の自分】では47.1%、【3年後の自分】で48.6%、【10年後の自分】で48.4%となっており、約半数の高校生が、1年後や3年後といった近い将来にも見通しを持てず、不安を抱いていることが分かっている。コロナ禍による生活環境や経済環境の激しい変化に直面し、学習の進度や受験対策、進学や進路、就職活動などに対し、明るい見通しや将来像を描けない高校生も多いのではないかと推測される。
中高生の多数が「安定した仕事」よりも「好きな仕事」をする将来を志向
さらに、全回答者に、“幸せ”について2つの例を提示し、自身の考えがそれぞれどちらに近いかを尋ねたところ、仕事については「安定した仕事に就いている」よりも「好きなことを仕事にしている」の割合が中高生共に上回った。中学生の62.0%、高校生の54.1%が「好きなことを仕事にしている方が幸せ(計)」と回答。男女・学校別に見ると、その割合が最も高いのは女子中学生(67.0%)となっている。
また、「出世しているけれど、仕事のストレスは多い」と「出世していないけれど、仕事のストレスは少ない」では、多くの中高生が「出世していないけれど、仕事のストレスは少ない(計)」を選択。中学生の69.5%、高校生の61.4%がこの回答を支持している。男女・学校別に見たデータでは、中学生女子が78.0%、高校生女子が69.0%に上り、男子(中学生61.0%、高校生53.8%)と比べてそれぞれ15ポイント以上高くなっていた。
また、「給料は高いけれど、残業時間が長い会社で働いている」と「給料は低いけれど、残業時間が短い会社で働いている」では、中高生共に「給料は高いけれど、残業時間が長い会社で働いている(計)」が過半数を占めた(中学生55.5%、高校生53.4%)。男女・学校別にみると、「給料は高いけれど、残業時間が長い会社で働いている(計)」と回答した人の割合が最も高くなったのは男子中学生(61.0%)。たとえ働く時間が長くなったとしても、高収入を得らえる方がよいと考えている人が多いようだ。
中高生男子の将来の夢の上位に「お金持ちになる」がランクイン
こうした傾向は、中高生が抱く「将来の夢」にも表れており、中高生共に「好きなことを仕事にする」が将来の夢のトップとなっている(中学生39.0%、高校生45.3%)。男女・学校別にみた回答では、男子中学生の1位が「お金持ちになる」で、男子高校生の2位にもランクインしていた。
後編では、いまどきの中高生の「なりたい職業」について追いかけていく。
(取材・文/松井さおり)