歌詞は英語教育の専門家、曲はヒットメーカーが担当
2月23日より配信が開始された「外国語レッスンソング」は、子ども向けの語学学習用の歌とは思えないアップテンポのポップスだ。そんな新鮮なプロジェクトを手掛けているソフィー芸術出版株式会社の代表取締役 榊原智子(さかきばら・ともこ)氏に話を聞いた。
※トップ画像は、左から、榊原智子氏、メインボーカルの“はつみ”氏、ボーカルの“ぴなつ”氏。レコーディングスタジオにて。
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近年では技能実習生が急増するなど外国人が多く居住している愛知県において、外国語を習得することは人々のコミュニケーションを円滑にするために重要なことだ。「歌がそのきっかけになれば」と、榊原氏はオリジナルのレッスンソングを制作、配信にいたった。
「今回は、幼児から小学生を対象にした曲作りをしています。<第1弾>として配信した『英語レッスンソング』の歌詞は、カナダで小学校教諭5年、日本で英語講師25年の実績をもつカナダ人講師が担当しました。一方で、作曲と編曲は、J-popやアニメなどの曲で活躍している日本のヒットメーカーに依頼しています」
子ども向けでも大人同様のクオリティを
英語学習用の歌詞を流行のメロディーにのせる、というスタイルにしたのは、どのような理由からなのだろうか。
「子どもらしい曲も良いですが、やはり小学生くらいになると背伸びして大人っぽいものを好むようになるので、飽きずに聴いてもらうためにあえてヒット曲を作るのと同じ方法をとりました。また、ウィーンやパリでの音楽コンクールなどを聴きに行く機会が多かったのですが、10歳くらいの子どもでも一人で出場してクオリティの高い演奏をやり遂げていましたし、周囲の大人も彼らを子ども扱いせずに大人の音楽家に対するのと同じように接しているのを見てカルチャーショックを受けたのです。家族など個人の間では子どもを子ども扱いするのはよいと思いますが、音楽を作るときには子ども向けでも大人に提供するのと同じように作りたいと思っています」
留学経験のある日本の若手ボーカリストが歌唱
渾身の曲を多くの人に聴いてもらうのは、ボーカルの魅力も重要だ。榊原氏は、ネイティブの発音を届けるために外国人歌手の起用も考えていたが、熟考の末、日本の若手ボーカリストに依頼したという。
「日本人でありながら英語を話せてネイティブに近い発音で歌える方、なおかつ子どもたちにとって“お兄さんお姉さん”的な存在になれる方、という観点から決定しました。『英語レッスンソング』のメインボーカリストは、アカペラグループRabbit CatとしてYouTubeやTikTokを中心に活躍中の“はつみ”さんにお願いしています。はつみさんは、高校時代にアメリカに留学していて、そこでの体験が自信につながり、今の活躍につながっているのだと感じます。また、『Good Morning!』など挨拶がテーマの曲には、Rabbit Catのメンバーの“Miki”さんと東京大学大学院に在学中でアカペラグループLimerickに所属している“ぴなつ”さんにも参加していただきました。素敵なハーモニーで、聴いているだけで元気になれます」
次回は、帰国生でもあるボーカルのはつみ氏と、大学院に通う傍ら音楽活動を行っているぴなつ氏に話を聞く予定だ(4月中旬掲載予定)。
(取材・文/中山恵子)