流行のポップスのような英語レッスンソング
子ども向け英語教材などで単語や発音を覚えるための歌が流れることがあるが、その多くは童謡のようなメロディーだ。しかし、ソフィー芸術出版株式会社が配信を開始した「外国語レッスンソング」を聴いてみたら、アップテンポのポップスだったので驚いた。女性ボーカリストの歌声も力強く、かっこいい。“若者の間で流行っている曲”と言われても違和感のない曲でありながら、歌詞は語学学習用に考えられている。例えば、「Berry! Berry! Berries!!」という英語レッスンソングの場合、「BlueBerries」などの「Berry」が何度も登場し、一緒に歌えば「r」の発音の練習ができるようにできているのだ。これなら小学校中学年や高学年の子どもでも飽きずに繰り返し聴いてくれそうだ。今年の2月23日より世界配信を始めたばかりのプロジェクトだということで、作り手に話を聞いた。
作詞家で教免も持つ榊原氏がプロデュース
ソフィー芸術出版株式会社の代表取締役 榊原智子（さかきばら・ともこ）氏は、2000年頃から作詞家として活動しながら友人と音楽事業会社を創業。アーティストのプロデュースも手掛けることになったが、「商品化する歌やプロジェクトに責任をもちたい」「人の育成にも責任をもちたい」という理由から、30代の頃に仕事をしながら再び大学に通い、博物館学芸員免許、中学（社会）と高校（公民）の教諭免許を取得している。
「私自身はもともと作詞家志望で、商業作詞家としてヒットソングを作り出す世界に魅力を感じていましたが、一方で、ヒットを目指さない歌の必要性を感じていました。そんな中で、私が歌詞を手掛けた歌が、沖縄アミークスインターナショナルスクールの校歌に採用されることになったのです。歌い継いでいただけることが嬉しくて、これからは、地域に寄り添った歌を書いたり、次の世代を世に送り出していきたいと考えるようになりました」
外国人が多く住む愛知県、言葉の壁をなくしたい
昨年、創業22年目を機に独立した榊原氏は、故郷の愛知県に戻って著作権管理事業会社を創設した。
「愛知県は製造業の拠点となる工場などが多く、海外から来日した方々が多く働いていることもあり、公立学校において日本語の指導が必要な児童生徒が増えている現状があります。そのような背景もあり、英語だけでなく日本語も外国語と位置付けて、歌や動画を通じて外国語を学ぶきっかけ作りをお手伝いできたらと思い、子ども向けの外国語レッスンソングをリリースすることにしたのです」
続きは明日掲載の＜２＞にて。
（取材・文／中山恵子）
●「英語レッスンソング」視聴リンク
・配信 https://www.tunecore.co.jp/artists/sophy_kids
・販売 https://music.apple.com/jp/artist/sophy-kids/1661769983
・YouTube https://www.youtube.com/@sophykids
お話を伺った人
榊原智子氏
ソフィー芸術出版株式会社 代表取締役
1997年に上京し、作詞活動を開始。2000年にベンチャー事業の創業に参画。音楽ファンドの事業化、アーティストのプロデュース、CDやDVDなどの制作等を行う。2022年、ソフィー芸術出版株式会社を開業、2023年2月より「こども音楽・教養コンテンツ」配信開始。
