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2024年春|中学入試結果速報 首都圏エリア

少子化の影響で小学6年生が全国的に大きく減りつつある中で行われた2024年の入試ですが、中学受験者数は前年とさほど変わらず。私立や国立、公立中高一貫校の人気ぶりをあらためて示す結果になりました。

総括を中学受験に詳しい塾、日能研にお聞きしました。

首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)

少子化でも過去最高の受験率22.7%

2024年入試は元旦から大きな震災に見舞われ思いがけない幕開けとなり、また入試直前にはインフルエンザ罹患者も急増するなど、危機管理と感染対策に気を配った入試だった。少子化の影響で、一都三県の小学6年生人口は前年から約5000名減少した28万9,201名だったが、受験者数は6万5,600名と前年とほぼ変わらず。受験率は22.7%となり、過去最高を更新した。

男女御三家受験生は総じて安全志向に

昨年は、チャレンジ傾向にあった男女御三家。海外大学進学も視野に入れてきた開成は受験者数を維持したが、それ以外の学校は軒並み出願者数が減少した。昨夏の順天堂大学との連携開始や新校舎が完成した桜蔭は受験生が回避傾向にあった。聖光学院や豊島岡女子学園、渋谷教育学園渋谷、広尾学園は年々難化しており、今年もそれは変わらなかった。

埼玉・千葉入試はコロナ前に戻る

埼玉入試は、昨年より1万1,000名も受験者数が増加した。栄東はA日程で東京・神奈川の受験者数が増加した。開智は、新規の開智所沢との同時判定で両校ともに出願者数を増やし、淑徳与野は新設の医進コースに都内上位生の併願が見られた。千葉入試も昨年まで減少傾向にあったが、渋谷教育学園幕張は、男子の増加で高倍率に。各校、コロナ禍前の人数まで受験者数が戻った。

中堅上位校のなんかと2日校挑戦の流れ

受験生の安全志向が顕著になり、難関校から中堅上位校へ受験生が押し寄せた。国際理解教育を行っている巣鴨、大学現役合格率9割を誇る高輪、立教大学への推薦進学枠を拡大した香蘭女学校などがそれぞれ難化。また成城や獨協、大妻、共立女子などの伝統校は、全日程で出願者数が増加した。「1日校を手堅く、2日校に挑戦」の流れとなった。

ボリュームゾーン上位と英検利用の人気

一番多くの受験生が受験するボリュームゾーンに位置する中堅上位校の中でも、山脇学園や東京都市大学等々力は、高い人気が継続した。今年一番人気の三輪田学園は、英検利用入試が昨年比200%と激増した。また2025年に高校募集を停止し、完全中高一貫化する東京農業大学第一は、その期待感から過去最高の出願者数となった。

各校が独自色を持ち始めた神奈川私学

受験生の東京へのアクセスを促進した新線開通(相鉄・東急新横浜線)は、神奈川の私学全体に危機感を持たせた。学校改革の先陣を切った横浜雙葉は不退転の決意で面接を廃止。横浜共立学園も人気が回復。湘南白百合学園は、1科目選択入試が人気になった。鎌倉学園は定員拡大で第一志望組の受験生の人気を集めた。横浜創英も学校改革が奏を功した。

堅調な入試を行う学校の人気

従来からブレない教育を進めてきた学校、ここ数年で入試の難易度が安定してきた学校も人気だった。その代表格は、今年から面接を廃止した学習院女子。また近年では実質倍率が安定していた攻玉社、学習院、普連土学園、東京女学館、佼成学園、中村、日本工業大学駒場なども、多くの受験者数を集め人気となった。

グローバル系私学は2月に英語入試

東京都の私学協会は、帰国生入試の解禁日を11月10日とすることを決定。日本国内のインター生や帰国子女としての要件を満たさない受験生を対象とした国際生入試をなくす代わりに、2月の一般入試の中で、英語を利用した入試を行うことを取り決めた。英語利用の入試を行った学校では、三田国際学園や開智日本橋学園、かえつ有明、芝浦工業大学附属が出願者数を伸ばした。

制作協力/日能研関東、日能研関西、日能研東海
日能研HP: https://www.nichinoken.co.jp