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英語は教科ではなく、「生きた言語」。 ― 後編 ―

学ぶ過程を楽しみながら自信をつけ、成長していく生徒たちを全力でサポートしたい

2004年の開校以来、帰国生や英語学習者の学びを成功へと導き、帰国生入試で高い実績をあげてきた帰国子女アカデミー。英語を教科ではなく、「生きている言語」としてとらえ、生徒たちの豊かな知識と創造性を養う教育を実践しています。代表のチャールズ・カヌーセン氏にお話をうかがいました。

生徒の英語力の保持を目指す教育・学習とは

―KAが生徒の英語力を保持するうえで、特に重視しているポイントはなんですか?

KAでは、エマージョン教育による英語スキルの向上、そして知識の習得を重視しています。

まず、KAのなかでは生徒たちは100%英語で過ごしますが、私たちは、このKAで学ぶ限られた時間だけでなく、一週間を通して英語に触れる時間をつくることが重要だと考え、宿題にも重きを置いています。KAではレッスンとレッスンの間の数日間を埋めるために、宿題やオンライン学習を活用し、英語のブリッジをつくるようにしています。

「言語と知識にはつながりがある」。このことをふまえ、生徒がさまざまな知識を身につけられるような指導を行っています。

例えば、中学受験の面接で「環境問題」について意見を求められた場合、生徒に十分な英語力があったとしても、環境問題に関する知識がなければ、答えることはできません。生徒によっては、大学生や大人と同等、あるいはそれ以上の英語力があるのに、知識量が足りないために、英語の学習を億劫に感じてしまうケースもあります。

そこで、KAではBBCやCNNを活用し、生徒たちの知識の習得に役立てています。また、さまざまな知識を身に付けるには、週一回のコアクラスだけで十分ではないため、生徒には、宿題としてニュース記事を読んだうえで、サマリーを書いてもらっています。

教材はすべてオリジナル。
生徒主体の授業で、発言する機会を増やし理解力を高める

―KAが、他の英会話スクールや学習塾などと大きく異なる点は何だと思われますか?

SATの問題集などをのぞき、KAで使用しするテキストの9割強がオリジナルです。帰国生受験においては、毎年、各校の試験内容が変更になることもあります。こうしたテスティング・メソッドの変化に対応する必要があることも、私たちがオリジナル教材をつくる理由です。

また、入学試験の内容に合わせると、11~12歳の生徒たちに適した市販の教材はあまりないので、自分たちで作る必要があるのです。私自身がカリキュラムや構成を考え、専任のスタッフが、読解に必要な読み物や文章、問題などのコンテンツを作成しています。

一般的な英会話教室では、日常生活や旅行で使うような実践的なもの英語を教えるケースが多いのに対して、KAではアカデミックな英語力を身に付けるよう指導しています。

また、学習塾は、講師のレクチャーを生徒が聞くという、いわば、講師主導型の授業スタイルが多い印象があります。

KAでは生徒が主体となり、生徒全員が必ずスピークアップする授業を行うべきだと考えています。ペアワークやディスカッションを多く取り入れ、ほぼ全ての過程で生徒のスピーキングの機会を設けています。

もちろん静かに講師の話を聞く時間もありますが、その直後に生徒同士が、講師が話した内容を要約して共有し、確認します。生徒に口頭で確認してもらうことで、講師は生徒がきちんと理解しているかどうかをチェックでき、ピンポイントで指導することができます。

帰国生入試に求められるのは、三つのスキル

―帰国生入試で求められるのは、どんな力なのでしょうか?

帰国生入試で特に求められるスキルは、リーディング、ライティング、インタビューの三つのスキルだと考えます。

リーディング力を問う問題の出題傾向はさまざまで、スタンダードな教科書スタイルから難解な文学作品をベースにした問題まで、レベルも幅広いといえます。

ライティングについては、エッセイやショートアンサー(ショートエッセイ)、アカデミック・ディスカッション(TOEFL)、5パラグラフ・エッセイ、文芸評論、詩の解釈・分析などが出題されます。生徒はさまざまスタイルのライティングに慣れておく必要があり、それぞれ、異なる文法スキルなどが求められます。

KAでは、生徒一人ひとりにライティングメンターがつき、メンターは、生徒が書く全てのドラフトに音声や文章でフィードバックしながらライティング力の向上をサポートします。

生徒はライティングを行う前に書くテーマについてリサーチし、そこで得た内容をエッセイに反映させ、さらに、口頭で発表できるレベルまでの力を身に付けます。

インタビューにおいては、多くの人や大人の前で、しっかり自分の意見を伝える力を身に付けておく必要があるでしょう。

―今後、新しい計画はありますか?

2023年10月から、新たに「Compass Learning(国語・算数)」というプログラムをスタートします。このプログラムは、生徒に一般受験での“できて当たり前”を強いることなく、帰国生ならではの長所や短所を、ニーズをふまえた指導を行います。

国語と算数のプログラムは、既存の英語受験プログラムと同じ構成となるため、一貫性のある学習が可能となります。確実な英語力を身に付けながら、国語と算数の学習を並行して進め、国内外を問わないアカデミック・キャリアを築く学力を養います。

なお、このプログラムはオンライン開講のみとし、2023年度は小学五年生のみを対象としています。

前編はこちら
英語は教科ではなく「生きた言語」。― 前編 ―

お話をお伺いした方

チャールズ・カヌーセン

帰国子女アカデミー
CEO チャールズ・カヌーセン氏

アメリカ、シアトル出身。
渋谷教育学園渋谷等での教員を経て、2004年に帰国生・バイリンガル生等に向けた英語塾「帰国子女アカデミー」を開設。KAISインターナショナルスクールの創立者でもある。著書に『Welcome Home 帰国生を持つ家庭向け指南書』大学向け英語教材『Stranger than Fiction』などがある。

<Campus>
都立大学・明大前・下北沢・吉祥寺・たまプラーザ・目黒・三田・西船橋・船橋・通信コース