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学歴フィルターは存在する?(前編)

学歴は就活にどの程度影響するのか?

「学歴フィルター」とは、企業が採用活動の初期段階で応募者の在籍または既卒の大学によってふるいにかけて選考を進めること。

転職ノウハウメディア「すべらない転職」を運営する転職エージェントのアクシス株式会社(東京都港区)は、学歴が就職や採用の際にどの程度影響するのか、また、企業が採用時に学歴フィルターを導入しているかどうか、その実態を把握することを目的として、【日本国内の「学歴フィルター」に関する意識調査】を実施した。

今日と明日とで、詳しく見てみよう。

【日本国内の「学歴フィルター」に関する意識調査】調査概要

調査対象 日本国内の就業経験がある20~60代の男女 300名
調査年月 2024年10月12日
調査方法 インターネット調査
有効回答数 300名
回答者の年齢構成 20代25名、30代98名、40代139名、50代34名、60代4名

コンサル・金融・商社は高学歴、サービス・小売は幅広い学歴層

調査は出身校を尋ねたうえで開始。その人数と割合は次の通り。

  • 国公立大学 79名(24%)
  • 早慶上智 29名(10%)
  • MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政) 24名(8%)
  • 関関同立(関西学院・関西・同志社・立命館) 9名(3%)
  • 日東駒専(日本・東洋・駒澤・専修) 9名(3%)
  • その他私立大学 79名(26%)
  • 専門学校 35名(12%)
  • 高校 41名(14%)
  • その他 2名(1%)

現在、勤めている会社の業界を訪ねると、下のグラフの通り、業界ごとに学歴の偏りが見られ、特にコンサルや金融、商社は高学歴層が多く、サービスや小売は幅広い学歴層が就職していることが分かった。

学群と会社の規模の相関関係は?

大学グループ別に勤める企業の規模を見ると、国公立大学や早慶上智の出身者は大企業に所属する割合が高く、特に早慶上智では1000人以上の規模の企業に多く就職している傾向が強い。

一方で、専門学校や高校出身者は小規模から中規模企業への所属が多く見られ、規模の大きな企業へ進む割合は比較的低いことが分かった。

学群と年収の相関関係は?

20代の学群別年収一覧(n=男女300名)

大学グループ別の年収を見ると、20代では上のグラフの通り、国公立大学やMARCH出身者は最低でも400万円の年収帯に分布しているが、その他私立大学、専門学校、高校出身者では300万円未満の年収も目立ち、特に高校出身者は300万円未満の割合が高い傾向にあることが分かる。

30代になると、下のグラフの通り、国公立大学や早慶上智出身者には600万円以上の年収層が一定数いる一方で、その他私立大学や専門学校、高校出身者では300万円未満や300万円帯に集中しており、収入の差が明確に見られる。この傾向は40代、50代でも同様である。

30代の学群別年収一覧(n=男女300名)

やはり、学歴が高いほど大企業に就職し、収入も高めである傾向が強いようだ。では、実際に就活の際にも影響があったのだろうか? 明日はそのあたりを見てみよう。

(取材・文/大友康子)