各世代が考える「日本の教育システムの課題」とは?
昨日は、世界最大規模の世論調査会社イプソス株式会社(日本オフィス所在地:東京都港区)が日本を含む世界30カ国2万3754人を対象に行った、現在の“教育”に関する意識調査「教育モニター2024」をチェックした。日本の教育システムを「良い」と回答した日本人は19%で、その割合はグローバル比較では30カ国中24位という結果であった。
本日は、Z世代(1996~2012年生まれ)、ミレニアル世代(1980~1995年)、X世代(1966~1979年)、ベビーブーマー世代(1945~1965年)、各世代が考える「日本の教育システムの課題とは何か」を見ていこう。
ベビーブーマー世代とZ世代、課題認識の差が顕著
日本の教育システムが直面している課題を問うと、Z世代は「時代遅れのカリキュラム」、その他の世代は「教員教育が不十分」と考えていることがわかった。特に、ベビーブーマー世代の「教員教育が不十分」45%に対し、Z世代の同回答は2位で27%と、20ポイント近い差がつき、直近で教育を受けてきた世代との課題認識の差が明らかになった。
Z世代は他世代に比べると、現在の日本の教育システムに肯定的しつつも、カリキュラムをどんどん時代に即したものにしてほしいという、より高い希望を抱いているようだ。
教育現場は時代に合わせた適切な環境・対応を整備
今回の調査結果について、イプソス株式会社代表取締役社長の内田俊一氏(うちだ・しゅんいち)氏は次のように述べる。
「今回の調査では、実際に最近まで教育を受けていた世代とその上の世代で、教育に関する問題意識が異なることがわかりました。ミレニアル世代より上の世代は、教員への不満を見せていますが、Z世代はそれよりもカリキュラムを時代に沿ったものに変えていってほしいと考えています。
また、Z世代は、他の世代よりも、現代の教育システムに対して肯定的です。『教育』を取り巻く環境やその課題に関する報道に日々触れ、その内容から他世代はポジティブなイメージを持ちづらい状況があるのかもしれないですが、実際の教育現場は、政策や学校、教員の尽力により、世間一般が抱くイメージよりも、時代に合わせた適切な環境・対応が整備されているということではないでしょうか。
本調査は今後も継続的に実施していきます。どのような変化が見られるのかはまたお知らせしていきます」
(取材・文/大友康子)