優れた作品が多数で審査が難しい!
<前編>より続く。
「PCN こどもプログラミングコンテスト2022」(通称、PCNこどもプロコン)の最終審査会・表彰式が3月13日(日)に開催され、YouTubeライブにて生配信された。当日は、ノミネートされた29作品の紹介、特別賞とスポンサー賞の発表、審査員による選考を挟み、各部門の優秀賞・最優秀賞が発表された。合間には、会場である福井県の特産品「越前ガニ」を模した「越前ガニロボット」が登場し、「未知の惑星に行って卵を落としてレアメタルをとってくる」というゲームを中継する楽しい一コマもあった。
いよいよ結果発表。受賞作は以下の通り。審査員の総評も抜粋して紹介する。(ノミネート作品は前編に掲載)
ソフトウェア部門(小学生の部)
<最優秀賞> | 「化石発掘ゲーム」田口陽貴さん(11才) |
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<優秀賞> | 「Prosthetic hand legend ~義手伝説~」上野優登さん(11才) |
審査員からの総評(PCNの原秀一氏)
「審査員の意見が分かれたほど、良い作品が多くありました。『Prosthetic hand legend~』は、細かい作り込みがされていました。例えば、キャラクターが地下に落ちるたびに表情が毎回違っているのですが、そういう面白さが随所に光っていました。最優秀賞の『化石発掘ゲーム』は一見シンプルな画面ですが、ルールや難易度なども設定されていて、誰でも楽しく遊べるという点を評価しました」
ソフトウェア部門(中学生の部)
<最優秀賞> | 「MATHEMATIC CHESS」中島規喜さん(14才) |
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<優秀賞> | 「ヌスット & スモーキィ」若竹康輝さん(14才) |
審査員からの総評(初期プロコン受賞者の三﨑雅史氏)
「『MATHEMATIC CHESS』はゲームのルールがとてもよく、UIや操作感もやりやすく、楽しかったです。『ヌスット&スモーキィ』は横スクロールをIchigoJamで実装しているなど、実装力に感動しました。個人的には『筆跡鑑定アプリ』も気に入っていて、普段使っているwebサービスのログイン時などに使いたいな、と思いました」
ロボット・電子工作部門(小学生の部)
<最優秀賞> | 「音声認識機能付きプラネタリウム傘」池田蒼生さん(10才) |
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<優秀賞> | 「コロナになんか負けないぞ!!音楽で楽しく運動」丸山壮介さん(12才) |
審査員からの総評(初期プロコン受賞者の佐野友亮氏)
「どの作品もユニークで、作品に対する愛が伝わってきました。『音声認識機能付きプラネタリウム傘』は、プラネタリウムを作ろうというところから一つの傘に130個を超えるLEDをはんだづけしてみたり、また『コロナになんか負けないぞ!!音楽で楽しく運動』ではカムロボとセッションしようとドラムをたたかせてみたり、観覧車と流しそうめんを合体しようというアイディアもあったり大人顔負けの発想力と実装力が輝いていました」
ロボット・電子工作部門(中学生の部)
<最優秀賞> | 「おばあちゃん お風呂あふれず オブナイズ」古山芽吹さん(13才) |
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<優秀賞> | 「パートナーロボット・オトモ 小鳥タイプ」高橋理企さん(15才) |
審査員からの総評(IchigoJam開発者の福野泰介氏)
「どの作品も面白く、審査は難航しました。『おばあちゃん』は名前もいいし、着眼点もいいですね。古い技術を新しい技術を使ってより使いやすくするIoTという分野は大手企業でもなかなか進めづらいところを身近なところからやる、という点に大きな可能性を感じました。『パートナーロボット~』は小鳥以外にもいろいろなタイプが出てくるんだろうな、と可能性を感じました。みなさん、身近な人たちの何かを解決するというところにテクノロジーを使って今後も頑張ってもらえればと思います」
最後に「一般社団法人プログラミングクラブネットワーク(PCN)」理事の松田優一氏が挨拶(トップ画像)。
「どれもこれも選び難く、さすが222作品の応募作の中からノミネートされただけのことはあると感じました。PCNプロコンでは、プレゼン力なども勿論見ますが、可能な限り、その中身であるソースコードも見ています。こんなすごいことをしているんだ、こんなやり方もあるんだ、といった作品を評価できるように選出しています。次年度以降もコンテストを開催しますので、ぜひご応募ください」
当日の配信の模様は、後日、編集版をPCNチャンネル内で公開する。
子どもたちのアイディアと才能がきらめく作品たちの一部を見ることができるので、興味のある方はぜひチェックしていただきたい。
(取材・文/中山恵子)