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高所得者のキャリア教育観はいかに?(後編)

昨日は、株式会社ビズリーチ(東京都渋谷区)が転職サイト「ビズリーチ」会員に対して実施した「キャリア教育に関するアンケート」をチェックした。子供へのキャリア教育を開始するのに望ましい時期は、4割が「小学生以下」、3割が「中学生」と回答し、高所得者の多くが「早期からのキャリア教育が望ましい」と考えていることがわかった。

本日も調査結果の続きを見ていこう。

【「キャリア教育に関するアンケート」調査概要】

調査期間 2023年10月9~15日
調査対象 ビズリーチ会員
有効回答数 595(個人年収1000万円以上の会員に限定して集計)

※回答率は端数処理の関係で合計が100%にならない場合がある。

回答者の7割、自身の子ども時代に親子で仕事について話した経験あり

回答者自身は子供の頃に「親子」で仕事について話したことがあったかどうかを尋ねると、65.9%の方が「あった」と答えた。その方々に、その経験が自身のキャリア形成に役立ったと思うかを尋ねると、「役に立った」と感じている方は61.9%にのぼった。

(子供の頃に親子で仕事について話したことがあった方のみが回答)

さらに、キャリア教育の一環として自身の仕事について子供と話す機会を設けている方は77.5%となり、多くの回答者が意識的に親子で話す機会を設けていることが分かった。

(実際に子供のいる方のみが回答)

親子での仕事・キャリアに関するコミュニケーションに対する意見

アンケートでは、子供のキャリア教育や親子での仕事・キャリアに関するコミュニケーションに対する意見についての自由な意見を求め、下記の回答が寄せられた。

  • 楽しさややりがいに惑わされないよう、収入や労働時間・環境等も含めて事実を伝え、よく考えさせるのがよいと思う。(30代、営業)
  • 子供たちが社会人になる頃には親世代とは全く違う職業や価値観があり、環境や社会情勢も変わっていると思う。そのため、感染症なども含めさまざまなことが起こっても稼いでいける原則を学んだり、生き抜くための思考力を育んだりするのが大事だと思う。(40代、経営)
  • 自分が何をしているときが楽しいかなど、自分を見つめる時間を設けることの重要性を伝えたい。(40代、経営)
  • いろんな職業に興味を持つきっかけ、機会をもっと多く与えたい。その後深掘りするツールは十分にある。(50代、管理)
  • うれしかったこと、つらかったことを含め、自分の経験からわかる仕事の大変さややりがいを押し付けないレベルで伝えること。(50代、化学)
  • 親の世代と仕事に関する考え方が変化しているので、親子でコミュニケーションするだけでは限界があると思う。(50代、人事)
  • 何にしても小さい頃からふれる機会を増やすことが大事。また、教育や仕事だけでなく、お金についても、小中高大と各学年のレベルで教え、ふれる機会を設ける必要がある。(50代、経営)

子供たち自らキャリアに関する情報収集を行うすべを身につけ、思考してほしい

調査結果に対し、株式会社ビズリーチ代表取締役社長の酒井哲也(さかい・てつや)氏は次のようにコメントする。

「今回の調査結果から、個人年収1000万円以上のビズリーチ会員の多くが、早期からのキャリア教育に重要性を感じていることがわかりました。また、お子様がいる会員の多くが、キャリア教育の一環として、ご自身の仕事についてお子様と話す機会を意図的に設けていることもわかります。

テクノロジーの進化やビジネス環境の変化が激しい時代、今ある仕事が10年後、20年後にあるとは限りません。新しい仕事もどんどん生まれてくるでしょう。

当社では、SDGs達成に向けたサステナビリティプログラム『みらい投資プロジェクト』として、未来のプロフェッショナル人材となる小学生とその保護者に向けたキャリア教育を提供しています。また先日、京都市立西京高等学校の1年生5名の発案をもとに開発した、中高生向けキャリア教育支援ツール『みらいDESIGN Kit』の、学校関係者向けの無償提供も開始しました。これらの取り組みは、先を見通すことが難しい時代においても、子供たちが自らキャリアに関する情報収集を行うすべを身につけ、多くの仕事を知り、自ら思考することを目的に実施しているものです。

今後も当社は、未来のプロ人材の育成・教育分野への投資を通じて、日本全体の社会の課題解決に努めてまいります」

(取材・文/大友康子)