帰国後の住まいはいつ探す?|部屋探しの4つのステップ

親の海外赴任中に先に帰国して日本の学校に通ったり、実家から遠く離れた地域の学校に通うことになった時、お子さんが安心して一人暮らしを始められる環境をつくってあげたいもの。特に女のお子さんならなおさらです。そこで、学生向けの住まいの探し方とステップを詳しくご紹介していきましょう。

学生マンション、学生寮、学生会館、どこが良い?

学生向けの住まいは大きく分けて3タイプあります。それぞれの特徴を解説していきます。

❶学生マンション
入居者が学生限定の賃貸マンションです。設備やサービスは一般的なマンションとほぼ変わりませんが、セキュリティに力を入れている物件が多く、最新の防犯設備や24時間対応のコールセンターを設置しています。

❷食事つき学生寮
朝夕に栄養バランスの取れた美味しい食事が提供される学生寮。食生活が不規則になったり不摂生になったりする心配がありません。自炊に時間を取られず、勉強やサークルに打ち込めるというメリットもあります。

❸女子学生会館
大学の学生寮と異なり、民間団体が管理・運営を行う女子学生会館。館内は男子禁制でオートロックや防犯カメラが設置されているうえ、スタッフが24時間常駐するなどセキュリティ対策は万全。家具・家電も備え付けで、引越しの手間や購入コストもかかりません。また、館長やスタッフが困った時に相談に乗ってくれたり、体調不良の際に看病してくれるなど親身に対応してくれます。交流行事も多く、すぐに多くの友人ができるのも魅力です。施設によっては食事付きのところもあり、健康面も安心です。

以上の3タイプの中でおすすめなのは、やはり設備もセキュリティ充実した女子学生会館。きっとお子さんも安心して学生生活を送れるはずです。

物件はいつからどうやって探す?

学生会館への入居を希望する場合、いつからどうやって物件を探せばいいのでしょうか。ここでは一般的な流れを4つのステップに分けて紹介していきます。

春・夏:進学先を検討
春・夏は卒業後の進学先を検討・決定していく時期です。春休み、GW、夏休みには、各地でオープンキャンパスや学校説明会が行われます。近年ではオンライン学校説明会を実施しているところもあり、海外にいながら情報を取得することができます。また、長期休暇を利用して一時帰国し、オープンキャンパスなどに参加するのも1つの手。入試情報やカリキュラム、キャンパスの設備や雰囲気など気になる点をチェックしておきましょう。その機会に物件見学や体験入館をしてみるのもおすすめです。

秋:住まいの条件を決める
家賃や立地、間取り、セキュリティなど住まいの条件は、暮らしの快適さや安心感に大きく影響します。充実した学生生活を送るため、受験勉強が本格化する前に希望する条件を明確にしておきましょう。学生向けの物件もタイプによって家賃はそれぞれ異なります。まずは予算に合った物件を探しましょう。立地は駅からの距離やキャンパスまでの通学時間も考慮して選ぶことが大切。学生の一人暮らしなら、間取りは1Kタイプで十分です。家具・家電付の物件やセキュリティの万全な物件を希望するなら、学生会館を検討しましょう。自炊する自信がなければ、食事付きの物件も候補に入れておくことをおすすめします。

冬:住まい探し・契約を行う
早い人は入試の結果が出始める時期。晴れて合格を勝ち取り、進学先が決まったら、本格的に住まいを探しましょう。ネットで探すだけでなく、現地に足を運んでみることも大切です。建物だけでなく、周りの環境や日当たり、騒音などもチェックしましょう。物件が決まったら契約を交わして入居日を決定します。学生会館の中には、合格前申込を実施しているところもあり、進学先が決まってすぐに契約手続きを行うことが可能。入学直前に物件探して慌てる必要がなく、一般入試や併願で受験する人にもおすすめです。

春:引越し・新生活が始まる
入学を目前に控えた春、いよいよ新生活がスタートします。必要なものをリストアップして購入しておきましょう。この時期は引越しシーズンで業者が立て込みます。できるだけ手配を早めに済ませておきましょう。学生会館なら家具・家電付きなので購入費用が抑えられるうえ、引っ越しも楽ちんです。

事前に住まいをしっかり検討し、段階的に準備を進めておけば、安心・快適な環境でスムーズに新生活をスタートできるはず。進学を控えたお嬢様をお持ちの親御さんは、ぜひ一度、学校の最寄りの学生会館にお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

大学の部活動をスポンサー企業が支援!(後編)

昨日は「大学部活」と「スポンサー企業」を繋げるマッチングサイト「BUKASUPO」を取り上げた。大学部活の資金不足が解消され、スポンサーとなる企業側も企業認知度が向上し、体育会学生をリクルーティングできるなどのメリットがあるという。

本日はマッチング例を見てみよう。

経営者の出身地や経験等の縁から支援

法律業界や中小企業のDX推進をサポートする株式会社FISTBUMP(フィストバンプ/岡山県岡山市)は岡山大学卓球部とスポンサー契約。岡山出身の代表取締役・河本尚彦(こうもと・なおひこ)氏自身が「岡山県」「卓球」「学生部活動」という括りでスポンサー先を探して実現したという。

将来的に採用につながることを視野に支援

建築総合コンサルタント企業の株式会社翔設計(東京都渋谷区)は、明治学院大学男子バスケットボール部や学習院大学準硬式野球部、国士舘大学アメリカンフットボール部とスポンサー契約を締結。

同社の担当者は契約の意図を次のように語る。

「労働人口の減少により、多くの業界で人手不足の傾向があります。特に、建設業では人手不足が問題化されており、翔設計にとっても新卒採用は毎年大きな課題となっております。

翔設計では、今回のご縁が将来的に採用につながることを視野にいれながらも、部活動に専念できる環境の一部として長く支援できるよう努めてまいります。

今後も様々なジャンルの大学部活動のスポンサー支援を検討しております」

上記の例を含むマッチング実績例は下記の通り。

大学の部活とスポンサー企業のマッチング実績例

  • 国士舘大学アメリカンフットボール部×株式会社翔設計
  • 学習院大学準硬式野球部×株式会社翔設計
  • 横浜国立大学準硬式野球部×株式会社RECCOO
  • 岡山大学卓球部×株式会社FISTBUMP
  • 神奈川大学ゴルフ部×株式会社ゴルフ・ドゥ
  • 東北工業大学サッカー部×日本原子力防護システム株式会社
  • 明治学院大学男子バスケットボール部×株式会社翔設計
  • 中京大学男子ラクロス部×日本原子力防護システム株式会社
  • 一橋大学アメリカンフットボール部×株式会社レーサム
  • 一橋大学アメリカンフットボール部×ベース株式会社
  • 日本女子体育大学バレーボール部×アサヒサンクリーン株式会社
  • 関東学院大学アメリカンフットボール部×建設塗装工業株式会社

(取材・文/大友康子)

大学の部活動をスポンサー企業が支援!(前編)

大学部活と企業を結ぶマッチングサイト登場

中学・高校までは部活動に熱心に取り組んできたというお子さんたちも、大学ではサークル程度でいいと思ってしまうケースも多いという。もしも部活動を敬遠する理由が、道具代や遠征費などを負担に感じたり、練習・試合で忙しく就活が心配だったりするのであれば、その心配はもう不要かもしれない。

全国の大学における部活の魅力を紹介している国内最大級のサイト「部活メディア」を運営する株式会社部活メディア(東京都千代田区)は、2024年3月に「大学部活」と「スポンサー企業」を繋げるマッチングサイト「BUKASUPO(ブカスポ)」をリリース。2025年1月現在までに22件のマッチング実績を上げている。

マッチングの目的は大学部活の資金不足の解消

リリースの目的は大学部活が抱える「資金不足」の課題を解決するため。同社が連携する大学部活約1000部を調査したところ、90%の部活動が資金不足で、大学やOB・OGからの支援金だけでは運営できず、学生個人の負担額も多く、アルバイトを多くしなければならないという声も上がったという。

株式会社部活メディアは、「このサービスを通じて、持続的な部活運営ができる未来をより多くの企業様とともにつくりたい」とする。

部活・企業、双方にメリット

スポンサー特典は「ユニフォームや練習着等に企業ロゴ掲載」「単独企業説明会の開催」「監督や部活との長期的な関係構築」「試合応援、部活訪問」「部活SNSにて発信」など。企業認知度が向上し、社会貢献にもなり、企業としての好感度もアップ。規律正しく厳しい練習を続けてきた体育会学生をリクルーティングできる、というメリットもあるという。

学生にとっても資金面が助かるだけでなく、就活の一助にもなるだろう。

さて、どんなマッチングが成立しているのだろうか? 明日はそのあたりを見てみよう。

(取材・文/大友康子)

逗子開成高等学校|帰国生の先輩からのメッセージ S・Kさん(15歳)


日本の受験も勉強も、まずは概念を理解するところから始めました

逗子開成高等学校 1年生  S・Kさん(15歳)

※2024年6月の取材時

渡航歴

日本 0歳~3歳、未就学
アメリカ・オレゴン州 3歳~11歳(G6・11月)、現地幼稚園→現地校(G6・11月)
日本 11歳(小6・11月)~、現地校(オンライン)→日本の私立中→私立高

9年のアメリカ生活を経てコロナ禍で中学受験

神奈川県・湘南の海に面した中高一貫校に通う高校1年生のKさんは、中学で入学するまで、日本の学校で学んだことはなかったという。Kさんが親の仕事の関係でアメリカ・オレゴン州に移住したのは3歳の頃だった。

「幼稚園は現地園、小学校も現地校に通いました。当初、アメリカ滞在予定は4~5年で、僕が小学校中学年頃に帰国するはずだったそうです。ですが父の駐在期間が延び、帰国したのは現地の小学校を卒業し、中学に上がって少し経った頃。その時はコロナ禍で通学することができなくなり、すべてオンラインで授業を受けていました」

習っていたテニススクールの仲間たちと一緒に。一番右がKさん。

この時点で、日本の学年だと小6の11月。その数カ月後に現在通う逗子開成中学校・高等学校の中学校の帰国生入試を受けた。コロナ禍で直接の学校見学はどこもできず、志望校は学校のホームページや入試サイトなどを見比べて決めた。

「アメリカで暮らしていたのはオレゴン州ポートランドで、すぐそばには壮大な山々が連なる国立公園が広がっているような場所でした。だから日本でも自然の多い環境の学校に通いたいと思っていたところ、逗子開成は海に近くてヨット実習もあるということを知り、興味を持ちました」

アメリカ滞在中は両親と弟と共に各地を旅行した。写真はアンテロープキャニオンへ行ったときのもの。

ハイレベルな算数と英語の試験をクリアし、いわゆる難関に合格したKさんだが、一度も塾には通わず、自宅学習で乗り切ったという。

「でも、受験勉強を始めた頃に試しにオンラインで模試を受けてみたら、今まで取ったことがないようなひどい成績で……。土曜日に通っていた補習校での授業は簡単だと感じていたし、現地校でも勉強にそこまで苦労したことはなかったので、『自分はこんなにできないんだ』とショックでした。それからは、親が買ってくれた受験教材を使って家で必死に勉強しました。算数は分からないところを親に教えてもらい、英語はスペルや文法をきちんと押さえるよう意識して学びました」

親しい学友の存在が勉強のモチベーションに

中学に入学してからは、理科や社会などアメリカと履修範囲が違う教科の学習に苦労した。

「日本の理科と社会については、まず、“どうやって勉強すればいい教科なのか”が分からなくて戸惑いました。そこで、勉強のできる友人に聞いてみたり、親に相談したりしながら、その教科の概念と勉強法を理解していきました」

中学校の卒業式で仲良しの友人たちと一緒に。

同校では中3から成績上位の生徒が「選抜クラス」に分けられるが、Kさんは高1で初めてそこに入ることができた。勉強のモチベーションになっているのは、親しい同級生の存在だ。

「テストの点数でどうしても超えたい友人がいるんです。その友人は常に学年10位以内に入っているのですが、中1の頃の僕はまったく届きませんでした。今はだいぶ近づいてきましたが、まだ勝てたことは1度もありません。高2になるとお互い文系と理系のコースに分かれてしまうので、今年が最後のチャンスなんです」

このほか、身近な目標として英検を挙げる。

「帰国してすぐの時に英検準1級をとったきりなので、今は1級取得を目指して勉強しています」

豊富で高品質な日本の釣り具を世界に広めていきたい

切磋琢磨する友人にも恵まれた小峰さんは、勉強だけでなく部活動や遊びも満喫し、充実した学校生活を送っている。

「やはり中学2年生で行ったヨット実習が楽しかったです。学年で5艘のヨットを作って、一人で海に出るのですが、最初はうまく操作できずに苦戦しましたが。部活は、中学からバドミントンをやっています」

中2のヨット実習では、一人で海へ漕ぎ出した。

趣味はアメリカ時代から続けている釣り。土曜日など休日に学校の友だち5~6人と逗子海岸で投げ釣りをしたり、釣り船に乗って海釣りをしたりしているとか。この釣りが、Kさんの将来の夢につながっている。

「日本の釣り具って性能がとても良く、種類もとにかく豊富なんです。ですから、将来はその良さ・豊富さを世界に広めたいと思っています。そのために自分は何ができるか、進路を検討中です」

親への感謝

幼い頃から海外で生活させてもらったことや、テニスに空手、水泳、そろばんと様々な習い事をさせてもらったことは、自分にとって貴重な体験になっています。アメリカにいた頃は父も母も勉強を教えてくれましたし、受験のときも含めて今もいつもそばで支えてくれていることに感謝しています。

取材・文/本誌編集部、中山恵子

就活のオンライン試験、監視の甘い企業に60%以上が不信感

不正を行わなかった学生は監視の甘い企業をどう思う?

昨日は、株式会社サーティファイ(東京都中央区)が行った「オンライン就職活動における不正行為の実態調査」をチェック。就職活動時のオンライン試験で45%の回答者が何らかのカンニングをしたことがあり、そのうちの62.5%がカンニングをした企業から内定を獲得していたことが判明した。

逆に、生成AIの利用や解答集の入手が容易になり、カンニングの手口が広く知られている状況下でも、約半数の学生が不正を行わず、正々堂々と試験に臨んでいることも注目すべき事実だ。そこで同社は、不正行為を行わず試験に臨んだ学生(2024年卒業~2026年卒業予定のWebテスト受験者のうち「不正を行わなかった」と回答した268名)に対して、その後の就職活動や企業への印象について影響を把握するため追加調査を実施した。

【『就活Webテストの不正蔓延』 が企業に与える影響の実態調査】

調査期間 2024年10月23~28日
調査方法 インターネットリサーチ
調査対象 就職活動のWebテストで不正をしなかった応募者(2024年卒業~2026年卒業予定) 
有効回答 268名

不正行為の責任が企業側にもあるとの認識が73.5%

「Webテストで不正が蔓延している責任が誰にあるか」を問うと、70%以上が企業側にも責任があると回答。そのうち「双方に責任があるが企業側が大きい」と「全ての責任は企業側にある」という回答だけで20%以上にのぼる。この結果は、オンライン試験における不正行為が学生個人だけの問題ではなく、企業側の監視の甘さに課題があると認識されていることを示している。

監視の甘い企業に対して、28%が志望度低下を明言

「Webテストの監視の甘さが志望度や不信感に影響したか」を問うと、全体の62.3%が監視の甘い企業に対して何らかの不信感を抱いたことが明らかになった。特に、21.7%が志望度を下げ、6.3%が選考辞退を検討するほどの不信感を抱いている。

不信感を抱いた結果、30%以上が友人らに拡散

「監視が甘い企業に対してどのような行動の変化があったか」を問うと、30%以上の人が家族や友人に対してや、SNS、口コミサイトなどでその企業に対するネガティブな意見を伝えたり発信したりしていた。「その企業の製品やサービスを使わなくなった」(3%)、「その後の選考を辞退した」(5.4%)、「内定をもらったが辞退した」(3%)という回答もあった。

生成AIなどの登場で不正が手軽になってきている昨今、企業側がそれを防ぐのも大変ではあるが、それによりネガティブなイメージが拡散されていくことは企業としても避けたいだろう。株式会社サーティファイは「企業は採用プロセスの透明性と公正性を強化し、不正防止に向けた取り組みを進めることで、信頼性の向上と優秀な人材確保に繋げることが求められます」としている。

(取材・文/大友康子)

就活のオンライン試験、45%が不正実行

オンライン就職活動における不正行為の実態は?

新型コロナウイルス感染症の影響で、就職活動のオンライン化が急速に進み、オンラインによる面接、一般常識やSPIなどの筆記テストをオンラインで実施することが標準的な形式となった。

しかし、その利便性の裏で不正行為が急増し、オンライン試験の信頼性が揺らいでいる。特に2022年には「替え玉受験」の不正が発覚し、替え玉受験を代行する業者が逮捕され、依頼していた学生3名も書類送検される事件が発生した。この事件を機に、オンライン試験でのさらなる不正行為が問題視され始めている。

この状況を受け、ビジネス能力・技能に関する認定試験を開発・実施している株式会社サーティファイ(東京都中央区)は、詳細な不正行為の実態を把握すべく2024年卒業生から2026年卒業予定のオンライン就職活動経験者に対し、「オンライン就職活動における不正行為の実態調査」を実施した。

【オンライン就職活動における不正行為の実態調査】

調査期間 2024年10月16~18日
調査方法 インターネットリサーチ
調査対象 オンライン就職活動経験者 (2024年卒業~2026年卒業予定)
有効回答 591名
(2024年卒:179名、2025年卒予定:297名、2026年卒予定:115名)

生成AI悪用が横行

「オンライン試験で実行したカンニング」を問うと、調査対象者の45.5%にあたる269名が自宅などで受験したオンライン試験で「何らかのカンニング」を実行したと回答。カンニングを行わなかったのは54.5%(322名)に留まった。

回答が一番多かった選択肢は「「スマートフォンで検索や参考資料を見た」17.6%(104名)。しかし、「スマートフォンで生成AIを使用した」と「パソコンやタブレットで生成AIを使用した」を合わせると、生成AIの悪用が計19.3%(150名)で一番多いことになる。以前の「替え玉受験」などに比べ、生成AIの普及により不正行為がより手軽になった可能性が示されている。

オンライン試験不正で内定ゲット62.5%

カンニングを実行した269名に「カンニングを行った企業から内定を得たか」どうかを問うと、62.5%にあたる168名が「内定を得たことがある」と答えた。オンライン就職活動者全体の591名で見ると、28.4%がカンニングで内定を獲得しており、企業が不正を見抜けていない現状が浮き彫りになった。

株式会社サーティファイはこの実態に対し、「不正行為が見過ごされることは、公平で透明な採用活動を損ない、企業が本来採用すべき優秀な人材を見逃すリスクを高めます。さらに、不正を行った応募者が社員として入社することで、企業内にコンプライアンスの問題が持ち込まれ、企業のガバナンスやブランド価値に長期的なダメージを与えるリスクが高まります」と警鐘を鳴らしている。

明日は、不正行為を行わず試験に臨んだ学生に対して、その後の就職活動や企業への印象について影響を把握するために実施した、追加調査の結果を見てみよう。

(取材・文/大友康子)

どうなってるの?寮のタイムスケジュール

寮を検討する際、タイムスケジュールがどうなっているのかは気になるところ。そこで、学校によって異なりますが、一般的なものをご紹介します。朝晩の食事、放課後など生活を共にするからこそ、寮では深い絆が生まれるようです。

休日|課外活動や行事等、休日ならではのスケジュールになる場合あり

休日のスケジュールは「登下校しない以外は平日と同じ」とする学校と、休日ならではのスケジュールを組む学校で分かれる。後者の場合は、起床時間は平日と比べて30分から2 時間程遅い7:00 ~ 8:30、夕食頃までが自由時間となることが多い(土曜は夕食以降も自由時間という学校も)。休日ならではの取り組みとしては、自治会活動を行ったり、大掃除を行ったりなど。また、 部活動が盛んになる長期休みは、所属する部単位でス ケジュールが決まるという学校もある。

※スケジュールをきっちり守るか、ある程度個人の裁量に委ねられているかは学校の方針によって異なります。

平日|学校が一日の大半を占めるので実は自宅とそこまで変わらないかも?

起床時間は6:15 ~ 7:00 が通例。その後、「朝食を食べて登校する」という流れの学校が多いが、なかには朝食後に朝礼&ラジオ体操を実施したり、武道などの運動や、清掃を行うところも。門限の多くは18:00 ~ 19:00 だが、塾や予備校に通う場合、または 届出が認められた場合は21:00 頃まで延長している学校が多い。また、ほとんどの学校に1 〜 3 時間の枠で設けられているのが、夜の「学習時間」。この時間 には、自習室などで自習するだけでなく、教師や現役大学生のチューターなどによって個別・少人数で勉強を教えてもらえることも多い(集団で授業を行うことも)。 消灯は22:30 ~ 24:00 が一般的。

寮についてもっと知りたい方はコチラ!

算数・数学の国際オンラインコンテスト開催!(後編)

昨日は、株式会社すららネットが2024年秋に実施した、国内外の生徒が集い算数/数学力を競う「すらら国際デジタル算数/数学コンテスト2024」(SuRaLa International Digital Math Contest 2024、以下「すらら国際DMC」)について紹介した。早速、今日もこのコンテストの続きを見てみよう。

「100マス計算」中学生の部では日々の努力の積み重ねが結果に

国際決勝の表彰式では、ZOOMやYouTubeのストリーミングで多くの児童・生徒や教員、保護者が見守るなか、各種受賞者の発表が行われた。

マス計算の最上位部門である「100マス計算」の中学生の部では、凛風(りんか)さん(日本)が、各四則演算の100マス計算テストをすべて満点・平均回答1分11秒という成績で見事1位を納めた。さらに、国際決勝のマス計算に参加した約230人のなかで、最も正答率と1マス当たりの回答スピードが速かった人に贈られる「SRJ Award」も受賞。

凛風さんは、「こういうことがあるのかと衝撃的」と同時受賞の驚きを隠せない様子だった。昨年失敗してしまった経験を活かし、「今年はたくさん練習して国内戦を通過した」と言うが、国内本戦で何問が間違えてしまったそう。それでも国際決勝に進み、緊張感のあるなか最終的に2つの賞を同時受賞という素晴らしい結果となった。

株式会社SRJカスタマーサクセス事業部の中田亮介氏からは、「驚異的なスピードで問題を解き、高い正答率を維持されて、本当に素晴らしく思いました。昨年悔しい思いをして日々努力を積み重ねた結果だと思います。これからも自分の可能性を信じて、さらなる高みを目指して頑張ってください」とお祝いのメッセージも贈られた。

「算数テスト」部門・中1の優勝者はインドネシアの学生

「算数テスト」部門では、日本数学検定協会から、算数/数学の実用的な技能を測る、実用数学技能検定(数学検定・算数検定)の問題が提供され、参加者は、代数・図形・統計など様々な分野で思考力を試される問題に挑戦した。

「算数テスト」の最上位学年である中学1年生部門の優勝者には、日本数学検定協会から「SUKEN Award」が贈られた。受賞したのはインドネシアのAlysha Syakiraさん。

表彰式には参加できなかったが受賞の知らせには、「6カ国の仲間と競い合う機会を得たことをとても嬉しく、1位とアワードを受賞できて驚きました」とコメントを寄せてくれた。また、「テスト後にすぐに正解不正解の結果とともに点数が表示されるため、参加者にとって振り返る材料となる」とイベントの意義と公平公正性を評価。さらに、「今後も毎年参加したいと思うので、中学2年生以上の部門が創設されることを願っています」と今後への意気込みも語ってくれた。

公益財団法人日本数学検定協会コンテンツプロデュース本部マネジャー・山口哲氏からは、「普段学校で解いている数学のテストではなく、様々な国の生徒が受けるなかでの受賞は、本当に意義深い。初めて見る問題やすぐ解けない問題にも粘り強く考える力が発揮された結果だと思います。身につけた数学力は将来様々な分野でとても役に立ちます。今後も数学の学習を楽しんでください」と、お祝いの言葉が述べられた。

「すらら国際DMC」は今年も実施予定

主催のすららネットに今後の予定について聞いたところ、教材の開発を進めるとともに、参加国を増やすなど、より多くの皆さんが参加できるように取り組んでいきたいとのことだ。また、広報の江藤さんは次のようにコメントも寄せてくれた。

「「すらら国際デジタル算数/数学コンテスト」(「すらら国際DMC」)は、算数/数学力を鍛えることに加え、 世界中の仲間たちと交流し、新たな発見や感動を共有できる国際イベントとして毎年ご好評をいただいています。 ぜひ多くの方に挑戦いただき、学びの楽しさとともに国際的な視野を広げる機会を体験していただきたいと思います」

興味のある人は、ぜひ今年秋の開催を目指して、チャレンジしてみるのもいいかもしれない(詳細日程はHPをチェック)。

(取材・文/小野眞由子)

算数・数学の国際オンラインコンテスト開催!(前編)

6か国の子どもたち3,800名以上が参加

AIを活用したアダプティブな対話式 ICT 教材の開発と提供を行う株式会社すららネットは、国内外の生徒が集い算数/数学力を競う「すらら国際デジタル算数/数学コンテスト2024」(SuRaLa International Digital Math Contest 2024、以下「すらら国際DMC」)を、2024年10月10日(木)から11月16日(土)まで開催した。国内予選・本選、成績上位者による国際決勝を経て、11月23日(土)には、表彰式と国際交流イベントをオンラインで行ったという。

《2024年の開催概要》

参加資格 算数ICT教材「Surala Ninja!」、海外版「すらら」を学習中の児童・生徒
大会スケジュール
  • 各国国内予選 2024年9月中旬~10月中旬
  • 各国国内本選 2024年10月中旬~11月上旬
  • 国際決勝 2024年11月16日(土)
  • 表彰式・国際交流イベント 2024年11月23日(土)
部門
  • マス計算(学年に応じたマス数で正確性と速さを競う)
  • 算数/数学テスト(数学的思考力を問う問題で得点を競う
  • 特別賞(SUKEN Award、SRJ Award)

2017年より開催してきた「すらら国際DMC」

すららネットでは、海外向けに英語などに翻訳したデジタル算数/数学AI教材「Surala Ninja!」の提供と運用サポートを2014年から開始し、現在ではインドネシア、スリランカ、フィリピン、エジプト、カンボジアなどの国々で活用されている。

「すらら国際DMC」は2017年より開催していて、「Surala Ninja!」、海外版「すらら」での学習を通じて、基礎計算力の定着、数学的思考力の向上を図るというものだ。さらに、子どもたちが目標に挑戦し、努力が成果につながる成功体験を通じて、自信や自己肯定感の醸成をも目指しているという。

今回は日本、インドネシア、スリランカ、フィリピン、エジプト、カンボジアの6か国から3,800名を超える子どもたちが参加し、その数は年々増えているようだ。

異なる言語でも楽しめる交流イベントも実施

「すらら国際DMC」は、算数の正確性と速さを競う「マス計算」と、数学的思考力を問う問題に挑戦する「算数/数学テスト」の2つの部門を学年ごとに設けている。

今回は、各国での予選、本戦を勝ち抜いた子どもたち282名が国際決勝に挑んだ。そして11月23日に国際決勝の結果発表と表彰式、および毎年恒例の国際交流イベントをオンラインで行った。

参加した約350名の子どもたちは、お互いの健闘を称えあうほか、グループに分かれてクイズに挑戦。異なる言語であってもジェスチャーなどで交流を深め、イベントを楽しんだ様子だ。

明日は、コンテストの優勝者から届いた声などを紹介したい。

(取材・文/小野眞由子)

頌栄女子学院中学校|帰国生の先輩からのメッセージ N・Kさん(13歳)


苦労もしたけど、支えてくれる人たちの優しさが身に染みました

頌栄女子学院中学校 1年生  N・Kさん(13歳)

※2024年5月の取材時

渡航歴

日本 0歳~7歳
アメリカ・ペンシルベニア州 8歳(小3・8月)~12歳(小6・3月)、現地校
日本 13歳(中1・4月)、私立中

いきなり飛び込んだアメリカで日本人のいない現地校に通う

Kさんは父親の仕事の都合で小学3年生から小学6年生までの3年8ヵ月を、アメリカ・ペンシルベニア州のピッツバーグ市で過ごした。同市には日本人学校がなかったため、現地校に通うことになった。小学3年生という成長著しい時期に、いきなり日本とはまったく異なる環境に足を踏み入れた。

「ピッツバーグは、日本人が少なく、現地校でも私の学年に日本人はいませんでした。英語は渡米前に父の会社が用意してくれた講習を少し受けただけで、あとはもう、とにかく飛び込むしかありませんでした」

家族でアメフト観戦。スタジアムの外にはピッツバーグの景色。

緊張と不安の中でアメリカ生活がスタートしたが、現地校では周囲のサポートに助けられた。

「始めはみんなが英語で何の話をしているのか全然わかりませんでしたが、同級生たちは気さくに話しかけてくれました。みんなが優しくしてくれていることだけはわかったので、安心できました」

学校では、英語圏以外のバックグラウンドを持つ児童のために、サポート体制を整えていた。

「私のほかにも英語をあまり話せない児童がいて、そういう子のために、バディ役の児童が手助けしてくれることになっていたんです。授業でわからないことがあれば丁寧に説明してもらえたし、ノートをとるのに時間がかかってしまった時は、ゆっくり見せてもらったり。ずっと一緒に付きっ切りで面倒をみてもらいました」

アメリカで参加していたコーラス隊のクリスマスイベント。下段右端がKさん。

出国時は考えてもいなかった
中学受験に挑戦すること

日本帰国の目途が立った小学5年生の頃、中学受験を意識し始めた。しかし、日本人が少ない地域なので、日系の塾は通える範囲にない。そのため、週2〜3回のペースで塾のオンライン授業を受けることにした。

「毎日の現地校、週1回の補習校と合わせて、課題や宿題は膨大。それと、通っていた補習校の仲間は私のように日本に帰る予定のある日本人ではなくて、現地に長く暮らす日系の人たちがほとんど。日本で中学受験する人なんていなくて……。同じように受験する友だちがいなくて、孤独な受験勉強のスタートになりました」

苦しい時間を乗り越えられたのは、家族や周囲の人たちのサポートと、一時帰国での体験だった。

「小6の夏休みに一時帰国して、学校見学に行きました。いくつか回った中で、今の学校が本当に楽しそうで、『絶対ここに通いたい!』となったんです。在校生の先輩たちはにこにこ挨拶してくれて、制服もかわいくて。また、塾の帰国生のための夏期講習にも参加しました。そこで受験仲間ができました。「一緒に受験を頑張ろう」と思える友だちができたことはものすごく大きくて、頑張る力になりました」

常に周囲が応援してくれた
だから、将来は人を助けたい

言語の壁や受験を通して苦労もしたが、もちろんアメリカでの生活はそれだけではない。

「ピッツバーグは本当に自然が多くて、日本にいたら見られないようなものがたくさんありました。家が森に近かったので、大きな鹿が庭に遊びにくることも。冬はスキーなどのウィンタースポーツを満喫しました。学校ではブラスバンドに参加して、サックスを演奏したおかげで、音楽が大好きになりました。サックスは今も習い事として続けていて、学校では軽音楽部に入っています」

中1の研究発表会(文化祭)。軽音楽部の1年生はアコースティックギターのパートを担当。

日本ではできない体験を通して、大きく成長。英語力が身に付いたのはもちろん、多様な背景の友だちからは様々な文化を学び、視野を広げた。

「もともとは消極的な性格だったんですけど、アメリカ生活のおかげで積極的な人間になれたと思います。将来の夢はまだ固まっていませんが、人をサポートする仕事につきたいです。これまで海外生活や受験を通して、たくさんの人に助けてもらいました。両親はもちろん、現地校の先生や友だち、一時帰国をサポートしてくれた父の勤務先の方、今の学校の先生たちや友人など、数え切れません。ですから、私も将来大人になって、困っている人を助けていきたいと思います」

中1、学校行事のハイキングで昭和記念公園へ。

親への感謝

海外生活も帰国後も、両親には常に応援してもらっています。今でも理科、社会など一部の教科にハンデを感じることがありますが、勉強を教えてくれたり、身に付けた英語力を維持できるよう真剣に考えてくれています。勉強だけでなく、ちょっとした悩みまで何でも話せる家族。これからその恩返しをしていきたいと思います。

取材・文/本誌編集部、竹部伸[株式会社ニイモモクリエイト]