昨日ご紹介した「【年齢別】出身大学別年収ランキング」。本日はランキング表を詳しく読み解いていこう。
30校のうち20校、トップ10のうち7校が国公立大学
ランキング表の校名は国公立が青、私立が緑で色分けされている。表内は圧倒的に青が多く、30校のうち20校が国公立大学、そしてトップ10のうち7校が国公立大学であった。
なかでも東京大学は30歳時はもちろん、25歳時と35歳時においても1位で、さすがといったところ。しかし、40歳時と45歳時では一橋大学が1位となり逆転している。また、25歳から45歳にかけてどのくらい年収がアップしているかという視点では、1位が一橋大学(+714.9万円)、2位が防衛大学校(+652.7万円)、3位が東京大学(+650.1万円)という想定が出ている。
一橋大学は薩摩藩出身の教育家・森有礼が創立した東京商学校が前進だが、”日本の資本主義の父”と呼ばれる渋沢栄一が創立に際し、「経済人の養成のために」と援助を行ったことでも知られる。現在、NHKで放映されている大河ドラマ「青天を衝け」の主人公
であり、約500社の企業を設立した渋沢栄一の精神が今も受け継がれ、それがこの年収ランキングの結果に結びついているのだろうか?
理工系大学はやっぱり平均年収が高い!?
また、ランキングを見ていてひとつ気づくことは、「電気通信大学」「東京理科大学」「名古屋工業大学」「京都工芸繊維大学」「東京薬科大学」といった明らかに理工系の大学名が多いことだ。
独立行政法人経済産業研究所が2011年3月に発表した「理系出身者と文系出身者の年収比較-JHPSデータに基づく分析結果-」に下記のデータが掲載されている。大卒以上の就業者の平均年収を男女別に集計したものだ。
2010年の年収 | 文系出身者 | 理系出身者 | |
---|---|---|---|
男性 | 調査対象人数 | 166 | 253 |
平均年齢 | 46.09 | 46.19 | |
平均年収(万円) | 559.02 | 600.99 | |
女性 | 調査対象人数 | 212 | 42 |
平均年齢 | 44.67 | 37.88 | |
平均年収(万円) | 203 | 260.36 |
独立行政法人経済産業研究所「理系出身者と文系出身者の年収比較-JHPSデータに基づく分析結果-」掲載の表12・13を当編集部で編集
男性で約40万円、女性は調査対象の平均年齢が理系のほうがだいぶ若いにもかかわらず約60万円、理系のほうが年収が高くなっている。
さあ、親子で「出身大学別年収ランキング」を見て、どんなことを感じるだろうか? 行きたい、行かせたいと思う大学が入っていて、より志望度が上がっただろうか? 逆に目指していた大学がランクインしていない場合、少し残念に思ったりするだろうか?
「高年収=幸せ」とはかぎらないが、重要なポイントであることには違いない。お金の話はなかなか家庭でもしづらいが、大学と絡んだこのランキング表は親子で興味深く眺めることができ、「お金を稼ぐ」ということについて話題にするきっかけのひとつになるのではないだろうか?
(取材・文/大友康子)