日本から海外大学への道すじを紹介してきた今企画ですが、最後に、みごと海外大学に合格し、卒業した後のことを紹介します。それは就労ビザ。卒業後にそのまま現地で働く際に取得し、その後、現地でキャリアを積む足がかりにもなる海外大学を検討するときは、志望校や専攻などで、これが取得できるかどうかも確認するようにしましょう。
国ごとに違う卒業後のビザの概要
(2024年8月末時点、編集部調べ)
アメリカ
名称は「Optional Practical Training」(略称OPT)。学生ビザ(F-1ビザ)で大学や大学院にて学んだあとに申請でき、専攻した分野と関連のある職種の企業で働くことができる。期間は最長1年間だが学位レベルごとに申請できるため、大学卒業後に1年、大学院修了後に1年、といったことが可能。
主な条件
- 1年間はF-1ビザで就学していること
- 専攻分野に関係する職種を選ぶこと
カナダ
名称は「Post-Graduation Work Permit」(略称PGWP)。どんな職種での就業でもOK、取得できるのは一生で一度だけ、というのが特徴。8ヵ月以上2年未満のプログラムで学んだ場合は通学期間と同じだけの期間分が、2年以上のプログラムで学んだ場合は3年分の申請ができる。
主な条件
- 公立または政府が承認する私立の大学院、大学、カレッジにて、8ヵ月以上のプログラムで学んでいること
イギリス
名称は「Graduate Route Visa」(略称GRV)。Student Route Visa(旧Tier 4ビザ)を取得して、Higher Education Provider(高等教育機関)とされるイギリスの大学・大学院で学んだあとに申請できる(専攻分野は問われない)。期間は最長2年間、博士課程を修了した場合は最長3年間、国内に残って就労できる。
主な条件
- Higher Education Provider(高等教育機関) における学士号レベル以上の 学位を取得していること
オーストラリア
名称は「Temporary Graduate Visa (Subclass 485)」。2種類あり、一方はPost-Vocational Education Work streamで期間は最長18ヵ月。Skilled Occupation List(技能職業リスト)にある職業に関連した資格を取得している必要がある。もう一方はPost-Higher Education Work streamで期間は最長2~3年間。
主な条件
- (Post-Vocational Education Work stream) 技能職業リストにある職業に関連した 資格を保有していること
- (Post-Higher Education Work stream) 学位レベル以上の資格を保有していること