女子スラックス制服の採用率10%を下回る県も
昨日は、WEBサイト「学校総選挙プロジェクト」が「“選べる制服”について考えるキャンペーン」第三弾として、各都道府県立の全日制高等学校3205校を対象に行った「女子制服のスラックス」採用率が44%だったことをお伝えした。
本日は、その各都道府県別の採用率を詳しく見ていこう。トップ5は、1位「長野県」(87.8%)、2位「滋賀県」(86.4%)、3位「神奈川県」(84.3%)、4位「千葉県」(77.3%)、5位「大阪府」(75.2%)。トップは首都圏の東京都や神奈川県でなく、長野県だった。
都道府県別「女子スラックス制服」採用率一覧 全国平均44.4%
順位 | 都道府県 | 採用率 | 順位 | 都道府県 | 採用率 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 長野県 | 87.8% | 24位 | 和歌山県 | 30%台 |
2位 | 滋賀県 | 86.4% | 25位 | 山形県 | |
3位 | 神奈川県 | 84.3% | 26位 | 山梨県 | |
4位 | 千葉県 | 77.3% | 27位 | 長崎県 | |
5位 | 大阪府 | 75.2% | 28位 | 山口県 | |
6位 | 新潟県 | 70.0% | 29位 | 兵庫県 | 20%台 |
7位 | 京都府 | 60%台 | 30位 | 福島県 | |
8位 | 栃木府 | 31位 | 佐賀県 | ||
9位 | 鳥取県 | 32位 | 茨城県 | ||
10位 | 東京都 | 33位 | 高知県 | ||
11位 | 徳島県 | 50%台 | 34位 | 静岡県 | |
12位 | 沖縄県 | 35位 | 奈良県 | ||
13位 | 岡山県 | 36位 | 宮崎県 | ||
14位 | 埼玉県 | 37位 | 福井県 | 10%台 | |
15位 | 島根県 | 38位 | 秋田県 | ||
16位 | 北海道 | 39位 | 富山県 | ||
17位 | 愛知県 | 40位 | 石川県 | ||
18位 | 群馬県 | 40%台 | 41位 | 熊本県 | |
19位 | 福岡県 | 42位 | 香川県 | ||
20位 | 三重県 | 43位 | 広島県 | ||
21位 | 宮城県 | 44位 | 鹿児島県 | ||
22位 | 岐阜県 | 45位 | 青森県 | 10%未満 | |
23位 | 大分県 | 46位 | 愛媛県 | ||
47位 | 岩手県 |
その一方で、青森県、愛媛県、岩手県など女子スラックス制服の採用率が10%を下回る地域もあることが分かった。
学校総選挙プロジェクトを通じて「グローバル・シチズンシップ」を育む
調査を行った「学校総選挙プロジェクト」プロジェクトリーダー・石井大樹(いしい・だいき)氏は言う。
「調査する中で、現時点では女子スラックス制服を採用していないものの、今後採用を決めた学校や、採用を検討している学校が多くあることが分かり、これから採用学校が増えていくものと期待しています。
制服は、学校、生徒、保護者だけでなく、卒業生や周辺地域との関係の中で検討されるため、気候や風習、背景もそれぞれ異なり画一的なルールで一斉に適用できないことだと思いますが、生徒たちが『自分の学校はどうあるべきか』を考える機会を提供すること、また、その生徒たちの考えを学校や地域の人々が受け止め、よりよい方法を一緒に探して行くことが大切だと考えています。
『学校総選挙プロジェクト』では、今回の調査をもとに、全国の女子スラックス制服の採用率を都道府県別に可視化することで、多くの人が“選べる制服”の現状を知り、自分ゴトとして考えるキッカケとなってほしいと考えております。
『学校総選挙プロジェクト』を運営するCCCマーケティングおよびTポイント・ジャパンは、プロジェクトを通じて若者が社会課題に主体的に関わり、判断し、実行をしていく『グローバル・シチズンシップ』を育み、SDGsの目標4『すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する』の達成につながっていくことを目指してまいります。そして、『UNIQUE DATA, SMALL HAPPY.』をグループミッションに、『T』が『人と社会をつなぐ』存在となることを目指し、引き続き、新たな社会価値創造に取り組んでまいります」
(取材・文/大友康子)