警察庁がSNSで被害にあった子どもたちの状況を発表
3月12日、警察庁が2020年にSNSで被害にあった子どもたちの状況を調査した結果を報告(「令和2年における少年非行、児童虐待および子どもの性被害の状況」内)。それによりフィルタリングの重要性が浮き彫りなった。調査結果を詳しく見ていこう。
被害者は中高生が9割近く。SNSの種類は「Twitter」が全体の35.3%
調査では、SNSに起因する事件の被害に遭った子どもの数は1819人。前年の2082人より263人(12.6%)減少したものの、2013年以降増加傾向にあり、2016年からの過去5年間で4.8%増加している。
被害内容は18歳未満の青少年にみだらな行為を行う「青少年保護育成条例」が738人、「児童ポルノ」597人、「児童買春」311人の順に多い。
被害者を学齢別で見ると、判明していない「その他(123人)」を除くと「高校生」917人、「中学生」695人、「小学生」84人。中高生は前年比で減少したものの、依然として全体の88.6%を占めている。
被害者が利用したSNSは、「Twitter」642人、「Instagram」221人、「ひま部」160人、「TikTok」76人、「KoeTomo」63人。「Twitter」に起因した被害児童が全体の35.3%を占めたほか、「Instagram」「TikTok」「KoeTomo」に起因する被害者数は前年比で下記の表のとおり増加している。
SNS被害者のフィルタリング利用状況、85.5%が利用なし
さて、こうした被害から我が子を守るにはどうすればよいのだろうか。家庭でのSNS利用に関するルール決めなど対処法は様々に考えられるが、ひとつ大きなものとしては、ネットワークにおいて指定した条件によって通信を許可したり遮断したりする制限をかける「フィルタイリング」が考えられるだろう。
今回の被害者のフィルタリング利用状況を見ても、「契約当時から利用なし」77.4%、「契約時は利用、被害時には利用なし」8.1%をあわせた85.5%が、被害時にフィルタリングを利用していなかったことから、その重要性が分かるだろう。
国民の安全なインターネット利用を進める総務省も現在、青少年が使うスマートフォンやパソコンに対してフィルタリングをかける普及啓発活動を行っている。明日はそのあたりを見てみよう。
(取材・文/大友康子)