3月の就職活動本番を2カ月後に控えた1月1日時点で、2022年卒学生の準備はどこまで進んでいるのだろうか。『株式会社ディスコ』(本社:東京都文京区)が運営する就活サイト「キャリタス就活2022」の学生モニターを対象に行った就職意識調査の結果が公表されている。
今回の調査は2022年3月に卒業予定の大学3年生(理系は大学院修士課程1年生含む)1,164人(文系男子356人、文系女子357人、理系男子332人、理系女子119人)を行ったもの。2021年1月1日~6日に、インターネット調査を行い、集計した。
インターンシップ等への参加経験を持つ学生は86.9%
これによると、1月1日の調査時点でインターンシップ等のプログラムに参加経験を持つ学生は8割強(86.9%)。プログラムの実施日数別に参加状況を見ると、最も多いのは「1日以内」で8割を超え(83.7%)、前年調査と同水準だった。インターンシップ参加経験者のほとんどが「1日以内」のプログラムへの参加経験を持つ一方で、「5日以上」は23.2%と前年(34.9%)から10ポイント以上減少。コロナ禍において長期プログラムの実施が難しい様子がうかがえる。
参加者数が最も多いのも「1日以内」のもので、平均7.1社。前年より1.5社増と大きく増加し、「2~4日間」(2.7社)も増加傾向が続いている。オンラインでの実施が増えたことで、とりわけ短期プログラムにおいて、参加機会が増えたことが読み取れる。
プログラム日数別参加社数
また、今後について尋ねると「参加したい」という回答が8割を超え(83.9%)、大半の学生が参加意向を示した。参加を考えている企業の数は平均7.4社で、前年調査に比べ1.5社多い。インターンシップ等への参加を通じて、企業や業界を広げたり、本選考の準備を進めたりしたいと考える学生が多いようだ。
インターンシップ参加後の企業からのアプローチが一般化
インターンシップ等への参加経験を持つ学生(全体の86.9%)を対象に、参加後に企業からアプローチを受けたかどうか尋ねたところ、「アプローチを受けた」学生は実に9割を超えた(94.4%)。これは、前年調査(90.2%)よりも4.2ポイント高い数字。大半の学生が何らかのアプローチを受けており、インターンシップ参加後のフォローやアプローチが一般化していることがうかがえる。
どのようなアプローチを受けたかという問いでは「インターンシップ参加者限定セミナーの案内」が最も多く、7割強(73.3%)。前年調査(63.7%)より10ポイント近く増加している。「早期選考の案内」も増え、6割を超えた(60.9%)。一方で、「参加者限定インターンシップの案内」は減少(57.9%→50.2%)。インターンシップを重ねて実施するよりも、セミナーや早期選考へとつなげる動きが目立つ。コロナで対面での接触が制限されていることで、セカンドインターンの実施が難しくなった企業もあるのだろう。
1月1日時点で「本選考を受けた」学生は41.5%、「内定を得た」は8.7%
本選考(採用選考)の受験状況を尋ねたところ、筆記試験や面接などの「本選考を受けた」という回答が41.5%に上り、4割が早くも本選考の経験を持つことが分かった。この数字は年々上昇していて、本選考経験者を分母とした受験者数の平均は3.0社。本選考受験企業の中にインターンシップ参加企業があると答えた学生は73.1%に上り、インターンシップから早期選考につながるケースが多いことが分かる。
また、内定状況について「内定を得た」という回答は8.7%で、前年同期(7.0%)を1.7ポイント上回る。内定取得者の8割超(82.2%)が、インターンシップ参加企業から内定を得たと回答している。なお、文系学生の方が理系学生よりも内定率がやや高く、現時点では先行している。
(取材・文/松井さおり)