昨日の記事に続き、日本全国の18歳1000名を対象に実施されたSNSの意識調査を見ていこう。
SNSの匿名性が誹謗中傷を誘発する
大きな社会問題として捉えらるきっかけの一つにもなった、リアリティ番組出演者が誹謗中傷被害を受け自死にいたった件、キーボード操作により人を死に追いやる「指殺人」とも呼べる行為だ。
なぜ、そのような行為を行ってしまうのか、その原因について聞くと、「SNSの匿名性」という回答が6割以上。「間違った正義感」や「SNSで誹謗中傷する利用者の特性」を指摘する声もそれぞれ4割近くに上った。
75.5%がSNSの法整備が必要とし、そのうち6割が「誹謗中傷の発信者への厳罰化」を求む
このような現状を受けて、SNSの法整備の必要性を問うと、75.5%が「必要」と回答。必要派の主張は「風評被害や誹謗中傷を受けた人を守るため」が64.1%、「誹謗中傷にあたる表現が多いから」が61.7%。
法整備に向けて盛り込むべき点の1位は「誹謗中傷の発信者への厳罰化」が59.2%。「時間の制限」「年齢制限をかける」「誹謗中傷などを対象とした法律制度を作るべき」など、使用する際の制限を設けた法の整備をするべきという意見が見られた。
一方、法整備の必要がないと考える派の理由1位は「個人の自覚の問題」で49.4%だった。
「誹謗中傷は絶対にしない」「人の気持ちを考える」など、真っ当な意見の18歳も多数
法で規制する以外に、急速に拡大したSNSをうまく使いこなすためにはどうしたらいいのか問うと、「SNSの危険性を知り、自分の発言に責任を持つこと」「一人ひとりが自覚を持った使い方をし、周りに流されない心が大切だと思う」など、一人ひとりが意識を持つことや発言に対して責任を持つことが大事、という意見が多く寄せられた。また、「誹謗中傷は絶対にしない」「人の気持ちを考える」など、相手の気持ちを考えることが大切だという声も挙がった。
SNSの諸問題を軽減するためには、ネットリテラシーについて皆が学ぶことが必要
そのほか、「情報の取捨選択や真偽を見極める能力をもつべき」「正しい情報か判断するため、多くの情報を見る」など、情報を鵜呑みにせず、正しい情報かを見極める力をつけるべきという意見も出た。「学校の授業でネットリテラシーについてもっと深く学ぶべきだと思う」「みんなが学べる機会を設けること」とネットリテラシーを学ぶ必要があるという意見もあった。
SNSの本格的な利用の増加はスマートフォン普及後のここ数年のもの。まだ歴史が浅く、法整備もなっていなければ、学校などで学ぶ機会もほとんど設けられていない。18歳の意見に多々見られたように、法整備をし、皆がネットリテラシーについてもっと深く学んでいくことが必要だろう。
(取材・文/大友康子)