家を建てる前に知りたいこと
帰国後の住まいは気がかりなもの。日本のハウスメーカーの中には、海外滞在中に家づくりを進め、帰国後に入居したいという希望に応えてくれる会社があります。そんな家づくりの専門家に、アドバイスをいただきました。
お話を伺った方:パナホーム株式会社海外帰国ハウジングサポート 城野乃婦子氏
子どもが転校せずにすみ金銭面の負担軽減も
「帰国後の家を建てたい」――。そう考える場合、いつ建てるのが正解だろうか。「帰国してから」と考えがちだが、実は「海外滞在中」から準備をしておいた方が、メリットも大きい。
「海外滞在中から計画を進めて帰国前に完成させた場合、帰国と同時に入居出来ますので、家を建てる間に必要な仮住まいの費用や、仮住まい先から新居への引越し費用が不要になります」とは『パナホーム株式会社・海外帰国ハウジングサポート』の城野乃婦子氏。
「帰国後に引越しをする必要がない」ことの利点は、子どもの学校面でも。仮住まい先から新居に引っ越す際に学区が変わってしまい、帰国後に子どもがやっとなれてきた学校を転校せざるを得ないという事態も未然に防げます。
海外の生活スタイルを取り入れた間取りを実現
帰国後の家を建てる際、海外生活で育んだ感性やこだわりを取り入れたいと考えている方も多いのでしょう。
「ランドリールームやパントリーなど、海外生活を送る中で、便利で良かったと感じられた生活スタイルを新居に取り入れたり、海外でお使いのお気に入りの家具、思い出の骨董品や絵画の設置スペースを想定して間取りをご提案したりすることも可能です。日本のサイズより大きい海外の家具でも、新居に上手く収めることができます」(城野氏)
この利点は、新築する場合にとどまらない。すでに日本に家を持っている場合でも、帰国前にリフォームすることで、現在海外で使っている家具も日本の新居へスムーズに搬入することができる。
「帰国前にリフォームされる場合は、家具がない状態で工事を行えますので、作業効率が良く、費用が抑えられます。もちろん帰国後に仮住まいや引越しの費用も発生しません」(城野氏)
離れているからこそ住まいを冷静に検討できる
メリットの大きい海外滞在中から始める帰国後の家づくり。
しかし、遠く離れた日本住宅メーカー担当者などとのやり取りで、不都合はないのでしょうか。
これについて城野氏は、「最近はメールだけでなく、インターネットを通じて顔を見ながら打ち合わせが出来ますので、お互いの信頼関係も構築しやすくなっています」。
また、こうした普段のやり取りに加え、一時帰国した際に、まとまった時間を設けて内容をつめていくことで、効率的かつ目標を定めた家づくりが可能になるそうです。
日本国内にいた頃よりも、家族内でコミュニケーションがとりやすい海外赴任中だからこそ、帰国後の家づくりを進めるべきかもしれないです。
「帰国される前に家を建てられた皆さまからは『帰国してすぐに完成した我が家に住めるという喜びや、落ち着いて日本の生活をスタートできるという安心感は大きかった』との声も頂いています」(城野氏)
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