生徒からの相談がきっかけでシャワー室設置の学校も
集団生活をする上での不安事項として、「トイレ」や「お風呂」を挙げる子は少なくありません。トイレやお風呂を毎日快適に利用できるかは、思春期の子どもにとっては大切なポイント。「集合トイレは落ち着かないので、近くの駅で済ませている」「慣れないので、退寮も考えている」といった声も聞かれるほどです。そこで、寮のある日本の学校8校にアンケートを実施。その実態に迫ってみました。
まず、トイレについてですが、昔ながらの和式便器を使う所は1校もなく、ウォシュレットまで付いている学校も多くあることが分かりました。お風呂については、多くの学校で個別のシャワールームを設置していて、皆で入りたくない事情がある場合もプライベートが守れるように配慮されています。実際に、「『人と一緒にお風呂に入りたくない』といった相談が女子生徒からあって、シャワーブースを設置した」、「相談しやすいようカウンセリングの人員を確保した」という学校もあったので、寮を検討の際は調べてみるといいでしょう。
トイレに関するQ&A
「トイレは洋式?」「ウォシュレットは付いている?」など、気になる寮の最新トイレ事情をチェック!
Q.トイレは和式?洋式?どんなタイプなの?
保護者世代の「学校のトイレ」と言えば「和式」がスタンダードだったが、今回アンケートに答えてくれた8校の寮のトイレはすべて洋式。ウォシュレットが付いた最新トイレを設置しているという寮も5校あり、時代の移り変わりを感じる結果となった。これは海外でウォシュレット無しの生活に慣れている子どもにとって、嬉しい結果かも?
Q.共用のトイレは何人で使っているの?
「寮の各フロアに共用の集合トイレを設置している」とすべての学校が回答。寮の規模にもよるが、「1ユニット(6人)に対して、2人分の個室を設置している」「12人につき4つの個室を設置している」など、概ね3人で1つのトイレを共用しているところが多い印象を受けた。2人部屋の寮では各部屋にトイレを設置している例もあったが、どこの寮も、トイレは複数人で“共用”が基本のようだ。
オフロに関するQ&A
大浴場が基本ながら、プライベートが守れる個室仕様のシャワールームを完備する学校も増えている!
Q.大浴場の大きさは?一度に何人ぐらい入れるの?
裸の付き合いの側面も大きい大浴場。中には「寮で一番楽しかったことは、みんなでお風呂に入ったこと!」と卒寮生一同が口をそろえる学校もあり、友だちとのバスタイムが憩いの時間になっていることがうかがえる。アンケートでは、「20畳で、30人ほどが一度に入れる」「16~20人が一度に入れる」など、15名以上が一度に利用できる大浴場を持つ学校が大半だった。
Q.個室仕様のシャワールームはあるの?
裸の付き合いが一生の友だち作りにひと役買ってくれるとはいえ、日々の生活の中では一人で入りたい時もあることだろう。そんな時に重宝するのが個室仕様のシャワールーム。今回のアンケートでも、「大浴場とは別にシャワー室を設置している」と答えた学校が多かった。中には、「シャワー室のみ」という学校もあるので、個々の趣向に合うかの確認は忘れずに。
Q.お風呂に入る順番や時間は決まっているの?
お風呂の決まり事に関しては、もしかするともっとも“共同生活”を意識する事柄かもしれない。今回のアンケートでは、お風呂の順番を定めている学校は1校もなかったが、掃除時間の確保や他の人の勉強の邪魔にならないようにという配慮から、ほとんどの寮で大浴場やシャワー室の利用時間が定められていた(17時~19時、~24時など)。中には特に決まりのない自由な学校も。
Q.月経時のお風呂の利用はどうすればいいの?
個人旅行であれば日程の変更もできるが、長期休みを除いて毎日友だちと生活を共にする寮生活において、月経時のお風呂問題は切実だ。こうした観点から大浴場の他に個室仕様のシャワールームを設けている学校がほとんどで、これまで設けていなかった学校も、「女子からの要望で設置することになった」という実例が寄せられた。
アンケート協力校(50音順)…海陽中等教育学校/関西学院千里国際中等部・高等部/国際基督教大学(ICU)高等学校/国際高等専門学校/COLUMBIA INTERNATIONAL SCHOOL/土浦日本大学高等学校/西大和学園中学校・高等学校/白鵬女子高等学校
イラスト/おおたきょうこ
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