サードプレイスのある子どもはコミュニケーション能力が身につく⁉
オンラインイラスト教室を運営する株式会社アタム【 https://atam-academy.com/ 】(以下、アタムアカデミー)は、小中学生のお子様がいる500人を対象に「子どものサードプレイスに関する意識調査」を実施し、そのデータをランキング化しました。
「サードプレイス」とは「第三の居場所」を意味し、家庭や学校とは別に、人とのつながりや居心地のよさを感じられる場所のことを指します。子どもがサードプレイスをもつことで、精神的な発達にいい影響があると、注目されています。
調査結果に対しては、日本小児科学会専門医の江原和美氏による考察も紹介されています。早速みてみましょう。
子どもに第三の居場所(サードプレイス)が必要だと思う親は95.8%
小中学生のお子様がいる親500人のうち、「子どもに第三の居場所(サードプレイス)が必要だと思う」と回答した人は、「とても思う(50.2%)」「まあ思う(45.6%)」を合わせて95.8%にのぼりました。大多数の親が、子どもには家庭や学校以外の居場所が必要であると考えています。
子どもの第三の居場所(サードプレイス)1位は「習い事」
お子さんの第三の居場所(サードプレイス)の圧倒的1位は「習い事(50.2%)」で、全体の半数を占めました。以下、2位「祖父母の家(15.2%)」、3位「オンラインゲーム(7.4%)」が続きます。
「物理的に家や学校とは違う場所」が多いものの、「オンラインゲーム」という回答もありますし、1位の習い事にも「オンラインの習い事」が含まれています。
現代では、物理的には家にいても、意識はサードプレイスにあるというケースもあることがわかりました。サードプレイスのあり方が多様化していることも伺えます。
サードプレイスのメリットは自分らしくいられる、コミュニケーション能力が身につく
「子どもに第三の居場所(サードプレイス)があるメリット」を聞いたところ、1位は「自分らしくいられる(27.2%)」でした。2位「コミュニケーション能力が身につく(16.0%)」、3位「人間関係が広がる(15.8%)」、4位「気分転換できる(15.2%)」が僅差で続きます。
多くの子どもたちは、家庭では親から勉強やスポーツ面で、あるいは「お兄ちゃん・お姉ちゃん」などとして期待されます。また学校では、先生や友達の前で「かっこいい自分でいたい」といった気持ちになることも。
しかしサードプレイスがあることで、自分らしくいられる時間を取り戻せます。サードプレイスが、家庭や学校で期待される役割や人格から少し離れられる場所になるからです。
そのため「ガス抜きできる場所になるのでは」と期待している人もいました。
また、習い事などのサードプレイスでは、「異年齢での交流」「親以外の大人との交流」が生まれやすくなります。そのため「どう関われば相手と楽しく過ごせるか」「年上や年下の人にはどう接すればいいのか」を自然に学ぶ機会となるようです。
子どものサードプレイスについては、心の安定や成長というメリットが多く挙げられ、「安心できる居場所が増えること自体が価値」と感じている人もいます。学校や家庭以外にも頼れる場所があることが、子どもにとって大きな支えになっているという考え方です。
例えば学校ではクラス替えや友人関係の変化があり、家庭では親子ゆえの喧嘩や摩擦が起こることもあります。このような場合に、学校や家庭の事情を持ち込まなくていい居場所があることは、大きな安心感につながると考えられます。
学校と家庭だけのコミュニティでは育ちにくいと感じる能力は「コミュニケーション能力」
「学校と家庭だけのコミュニティでは育ちにくいと感じる能力」を聞いたところ、ダントツは「コミュニケーション能力(51.6%)」でした。2位「適応力(14.8%)」、3位「視野の広さ(9.8%)」、4位「自主性(9.4%)」が続きます。
・学校と家庭だけでは、初対面の人と関わる力や、年齢の違う人と協力する経験が少なくなると感じます。自分から話しかけたり、新しい環境に適応したりする力は、家庭と学校以外の場でこそ育ちやすいと思います(40代 男性)
・自分から人間関係を築く力や、初めて会う人と関わる柔軟さは、学校と家庭だけでは身につきにくいと感じます。また、年齢の違う人との関わり方や、自分の意見を落ち着いて伝える力も、サードプレイスがあることで育ちやすいと思います(40代 女性)
現代では「オンライン」が救いの場になるケースも
本調査を経て、日本小児科学会専門医の江原和美氏は以下のように考察しています。
「子どもにもサードプレイスが必要と考えている人は大勢いることがわかりました。その中で半数が「習い事」をその場として挙げていますが、実際に習い事をはじめるときにサードプレイスを意識するのは少数派なのかもしれません。スキル習得のためにはじめた習い事が結果としてサードプレイスとなっている事例の方が多いのではないでしょうか。
また今回の調査では、ひと昔前まではあがりそうな「公園」「友達の家」はサードプレイスには含まれておらず、かわりに「オンラインゲーム」があがっています。公園や友達の家で自由に遊ぶという選択肢がなくなっているのは、コミュニティで子育てをするという感覚が薄れている背景もあるかもしれません。しかし、対人恐怖症などで外出ができない子どもにとって「オンライン」という場所があるのは救いであると言えるでしょう。
本来、社会学的にサードプレイスとは、リラクゼーションや余暇を過ごすための空間と考えられていますが、特に子どもにおいてはそれ以上の価値が期待できそうです。 オンラインのサードプレイスの活用には物理的なそれとはまた違う注意が必要な部分もありますが、自宅という安全な場所から自分の都合の良い時間を見つけて参加しやすいという大きなメリットがありそうです。習い事を選択する時、サードプレイスという視点からも考えてみてはいかがでしょうか。」
サードプレイスは自己肯定感を高め、精神的な安定をもたらす
本調査を実施した株式会社アタムの代表取締役・宮澤惇さんに、「サードプレイスは子どもにどのような影響を与えるか?」と聞いたところ、以下のコメントを寄せてくれました。
「調査結果からも見えてまいりましたが、家庭や学校以外の『第三の居場所』を持つことは、子どもたちの自己肯定感を高め、精神的な安定をもたらす重要な役割を果たします。
弊社が運営するオンラインイラスト教室アタムアカデミーの事例でも、学校生活で少し自信を持てずにいたお子様が、イラストという共通の趣味を通じて先生や仲間と交流する中で、見違えるように明るく積極的になったケースが数多くございます。
自分の好きなこと・得意なことを純粋に認めてもらえる利害関係のない安全な場所があることで、子どもたちは挑戦する勇気を持ち、それが学校や家庭での健やかな成長にも波及していくと実感しております。」
最後に、世界で学ぶ『グローバル子女教育便利帳』の読者に、宮澤さんは以下のメッセージを届けてくれました。
「海外での生活は、貴重な経験であると同時に、環境や言語、文化の違いからお子様が孤独や戸惑いを感じる場面もあるかと存じます。そうした中でこそ、物理的な距離に縛られないオンラインコミュニティは、お子様にとって心の拠り所となる『サードプレイス』になり得ます。
実際、弊社のアタムアカデミーにも海外から受講されているお子様がいらっしゃいますが、世界中どこからでも日本の同世代の仲間や先生と繋がり、大好きなことに没頭できる時間が日々の生活の活力になっているという嬉しいお声をいただいております。保護者の皆様におかれましても、ぜひお子様が『自分らしくいられる安心できる居場所』を見つけ、自信を育んでいけるようサポートしていただければと願っております。」
(取材・文/小野眞由子)
【調査概要】
調査対象:小中学生のお子様がいる人
調査期間:2026年5月8日~11日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:500人(女性411人/男性89人)
回答者の年代:20代 4.2%/30代 42.2%/40代 46.4%/50代以上 7.2%
【監修者紹介】
江原 和美 (えはら かずみ)
保有資格:日本小児科学会専門医・イギリス医師免許
イギリスの医学部を卒業後、日本の医師免許を取得。神奈川県内の市中病院にて初期研修および後期研修を終え、埼玉県内の複数の病院に勤務。プライベートでは、3児の母として出産・子育てを経験。2025年に大空こどもクリニックを開業。外来の他、地域の発達支援にも携わっている。
大空こどもクリニック:https://www.iricli1155.com/












