伊東美咲 インタビュー|~人の子として親として~
1999年にデビュー後、雑誌やテレビドラマ、映画などで華々しい活躍を見せてくれた伊東美咲さん。
2017年からはご家族とハワイで暮らし、その7年後にはシンガポールへ移住。
子どもたちの“得意”を伸ばす教育を心がけ、
3人のお子さんが同時に受験する“トリプル受験”を2回も経験したとか!
海外の教育事情や、お子さんの目標達成のコツなどを伺いました。
幼い子のお世話に親しみ幼児教育や福祉の資格を取得
―――伊東さんは福島県のご出身で、自然豊かな環境で育ったとか。幼少期はどんなお子さんでしたか?
伊東美咲さん(以下、伊東) 両親と祖父母、そして親戚など、たくさんの大人に可愛がられながら、近所に住む子どもたちと活発に遊んでいました。小学校では吹奏楽でトランペットを担当して、放課後はキックベースボールのチームで体を動かしたり。中学時代はソフトボール、高校と短大時代はバレーボールに励んでいましたね。
―――ご両親やおじいさま、おばあさまからの教えで印象に残っていることを教えてください。
伊東 両親と祖父母に、毎週日曜日に教会に連れて行ってもらっていたんです。そこで得た、目には見えない心の支えのようなものは、私のベースになっています。また、祖父母は1年を通して、旬の食材で食事を用意したり、五節句の際は季節の料理を何種類も作るなど、愛情をたくさん注いでくれました。感謝しかありません。
―――高校卒業後は、大阪の短期大学に進学されて幼児教育について学んだそうですね。教育分野にもともと興味があったのですか?
伊東 子どもの頃から、さまざまな活動を通して幼い子のお世話をすることに親しんでいました。私自身も周囲に可愛がってもらっていたので、自然な流れで教育や福祉の世界に関心をもったんです。短大の在学中には、保育士資格と幼稚園教諭の二種免許、社会福祉主事任用資格を取得しました
―――その後、どのような経緯で芸能界に入られたのでしょう?
伊東 短大2年生のときに大阪でスカウトされて、それを機に、卒業後は芸能界で活動しようと決めました。それでオーディションを受けたところ、大手ビール会社のキャンペーンの仕事に合格して。デビューがいきなり決まったんです。未知の世界に足を踏み入れることは大変な面もありましたが、家族の応援を受けながら一所懸命取り組みました。
子どもの“得意”は「どんなときも、そこから高く磨き上げればいい」
海外で“トリプル受験”を2回経験成功のコツは、信念!
―――デビュー後はモデルと俳優として活躍なさり、プライベートにおいては2009年にご結婚。そしておひとり目のお子さんを出産されます。初めての子育ての際に心がけたことを教えてください。
伊東 私の幼少期に両親や祖父母がそうしてくれたように、子どもには自然や環境に感謝する気持ちをもってほしいと思っています。ですので、幼稚園もそのような教育に熱心な園にお世話になりました。家では、十五夜のお月見のときは家でお団子を作ったり、季節の行事と四季折々の食べ物に親しんだり、バラを苗から育てるという大変な作業もしました(笑)。親子で本当に色々な体験を楽しみました。
―――そして、おふたり目のお子さんが誕生後、ハワイに移住なさいます。きっかけは何だったのですか?
伊東 夫の仕事も兼ねてなのですが、ちょうどその頃、子どもの能力を伸ばせるのは日本と海外とどちらだろうと考えていて。そのうえで、子どもの将来を見据えて、家族全員でハワイで暮らすことを決めました。日本の教育も素晴らしいですが、スポーツ面でも芸術面でも子ども一人ひとりの個性をより重視している海外の環境に魅力を感じました。実際に、たとえば楽器演奏をお披露目して、その時点での入学のオファーをいただける受験のシステムもあります。なので、得意なことは海外のほうが極めやすいかもしれません。ハワイで生活を始めてからは「みんな違っていいんだよ」という環境のなか、子どもたち全員がやりたいことを伸び伸びと発揮しながら成長できました。
―――伊東さんご自身は、慣れない土地で子育てをすることに不安はなかったのでしょうか。
伊東 これからどういう未来が開けていくのだろうと、楽しみのほうが大きかったです。私が芸能界に入ったときに感じたように、子どもたちも新たな世界を経験できたら有意義なはずだと、戸惑いよりもワクワクする気持ちが上まわりました。2024年からは夫の仕事の都合もありシンガポールに移住したので、今はまた違う環境で生活をしていますが、ここでも家族全員で新しいことを楽しみながら生活しています。
―――ハワイに7年間。そして、シンガポールで暮らし始めて約2年。3人のお子さんを子育てする中で大変だったことを教えてください。
伊東 実は、子ども3人が同時に受験期を迎える“トリプル受験”を2回経験しています。ハワイとシンガポールで1回ずつで、それぞれの受験を迎えるまでの準備には、やはり時間を要しました。
―――3人のお子さんが同時に受験とは! しかも2回となると、相当なパワーが必要そうですね。どうやって乗り越えられたのですか?
伊東 トリプル受験を乗り切る一番のコツは、信念でした(笑)。「絶対乗り切る、成功させる!」という気持ち。それと、逆算して前々から準備を進めておくことですね。私の場合は、トリプル受験になる何年も前から少しずつ少しずつ準備をしていました。1日1時間勉強するのを基本に、長い休暇の時期は集中して学習する時間を増やす。その習慣を継続して、今やっておくべきことを常にできていれば、それは子どもたちにとって自信につながります。
―――とはいえ、幼いうちは進んで勉強しないこともあるのでは?
伊東 1番上の子が小学生の時に、帰宅後すぐに、食事の前に宿題を終わらせる習慣をつけさせたんです。そうしたら、それ以降、私がいちいち言わなくても下の子も一緒にやるようになりました。そこはスムーズに進みましたね!
子どもなりに頑張っているそれだけで充分だと捉えたい
―――受験対策として、塾などには通われたのですか?
伊東 0歳から高校生までを受け入れている塾があったので、そこに3人とも通わせました。ハワイもシンガポールも、3人みんな同じ塾だったので、送迎はそれほど大変ではなかったです。ただ、部活の終わりの時間が子どもによって違ったり、週末は試合があるなどの慌ただしさはあったので、スケジューリングは難しかったです。
―――海外の方々の子育てをご覧になって、感じたことはありますか?
伊東 海外の親御さんは、お子さんをとにかく褒めます。ほかの自と比較しないし、マイナス面に目を向けすぎることもありません。その子の潜在能力をどうやって伸ばそうかと意識している姿にとても感銘を受けています。子どもは子どもなりに頑張っています。ですので、それで充分だと捉えることが大切だと感じています。
海外移住は2か国目 不安よりも新しい扉にワクワク!
―――シンガポールでの生活や教育事情の特徴を教えてください。
伊東 いろいろな国の人が住んでいるので多種多様な文化が共存しています。そして、教育熱心です。国際的な教育カリキュラムのIB(国際バカロレア)を提供している学校が多く、言語については、幼稚園から3カ国語を使えるよう教育してくれます。ただ、すべての自どもに合うカリキュラムというものは存在しないと思うので、我が家の子どもたちの場合も、その子によってどのカリキュラムを受けるのがよいかを考えています。
―――お子さんの今後の学びの場については、それぞれの個性に最適の場所を選ぶということですね。
伊東 そうです。子どもたちにはそれぞれやりたいことがあって、その目標に向かって進んでいます。願いを叶えるために全員が同じものを選択しなくてもいいと思っているんです。夫ともそういう話はしますし、色々な国に親戚や知人が住んでいるので、日頃から各地の教育情報を集めるようにしています。
夢は一つじゃなくていいそれは大人になっても同じこと
―――伊東さんご自身の、今後の目標はありますか?
伊東 シンガポールは日本との時差が1時間なので、これからは仕事の量を徐々に増やしていきたいです。そしてこれからも、色んな場面で新たな世界をたくさん広げていきたいと思っています。海外で暮らしてわかったことがあります。それは、何歳になっても夢を追い求めることの大切さです。そして夢は1つじゃなくてもいい、ということも。海外の方は、年齢を気にすることなく、仕事をしながら自分の夢を追いかけたり、結婚後も自己実現をたくさんされている女性が数多くいます。その姿を見て、私も「夢はいっぱい叶えていいんだ!」と思うようになりました。夢は1つじゃなくていい――この言葉は子どもたちにも常に言っています。「たとえ1つの夢を叶えられなくても、まだまだほかにいくつもある。そして、夢を叶えて成功すれば、それがあなたの自信になるよ」と。
―――最後に、読者の方々へメッセージをお願いします。
伊東 私は、「どんなときも、そこから高く磨き上げればいい」という言葉が好きです。海外で暮らしていると自分自身をなかなか発揮できない場合もあるかもしれませんが、スポーツでも音楽でも、どんなことでも、自分の得意を伸ばせる部分で自信を取り戻していけば、環境に馴染んでいけると思います。できないことに対して劣等感を抱くのではなく、「みんな違っていい」ということを忘れずに、モチベーションをもち続けてほしいです。
好きな言葉は?
どんなときも、そこから高く磨き上げればいいんだよ
嫌いな言葉は?
なし!
どんなときにウキウキする?
次のステージの扉が開くとき
どんなときにげんなりする?
人と会わず、手元で映画やゲームを楽しむの が当たり前な時代なんだなと感じるとき
好きな食べ物は?
オーガニックや発酵食品
嫌いな食べ物は?
ジャンキーなもの
朝起きていつもすることは?
ピュア系のオーガニックのお茶を飲む
寝る前にいつもすることは?
リラックス系のハーブティーを飲む
マイブームは?
よく歩くこと
生まれ変わったら何になりたい?
自分!
プロフィール
いとう みさき
1977年5月26日生まれ。福島県出身。女性誌『CanCam』の専属モデルを経て、数多くの広告やテレビドラマ『ごくせん』『電車男』『危険なアネキ』、映画『黄泉がえり』『海猫』などで活躍。第一子を出産後に俳優業は休止し、2017年からはハワイ、2024年からはシンガポールに在住。現在はシンガポールと日本を行き来しながら育児と仕事を両立させている。三児の母。
















