第一志望合格率は「塾なし」トップも、難関校は圧倒的に「塾あり」
大学受験生の塾事情はいかに?
現在、高校生をもつ保護者が大学受験をする頃は受験戦争が激しく、受験のために塾や予備校に通う生徒が多く、大手予備校の教室では生徒がはみ出るほど詰めかけていた状況が見られました。大学全入時代を迎え、受験競争が緩和された今、大学受験生の塾事情はどのように変化してきているのでしょうか?
オンライン予備校サービス「じゅけラボ」(株式会社エンライク運営)は、大学生のいる保護者を対象に、塾などの利用に関するアンケート調査を実施しました。入試に対応するにはテクニックも必要で、それらを学べる塾や予備校に通う受験生のほうが志望の大学に受かりやすように思えますが、果たして調査の結果はいかに?
【「大学入試対策の教育サービスの利用についての調査」概要】
調査期間:2025年8月8日~9月20日
調査方法:インターネット調査
有効回答:2025年現在、大学生の子を持つ保護者1332名
(教育サービス利用475名、教育サービス未利用574名)
※本調査では私立大学の区分を便宜上、早慶上理・GMARCH・関関同立を難関私大、成成明学獨國武・北里・名城・南山・西南学院・日東駒専・産近甲龍を上位・中堅私大と定義しています。
第一志望合格率は「塾なし」が「塾あり」より10%上回る
大学生のいる保護者に、大学入試の合格状況について聞き、それぞれ塾や予備校など教育サービスを利用していたか・していなかったかに分けて集計。すると、教育サービス利用者(以下、「塾あり」)の第一志望合格率が55.4%であったのに対し、未利用者(以下、「塾なし」)の合格率は65.2%に達し、約10%も上回る結果に。一般的な認識を覆す驚きの事実が明らかになりました。
難関大合格率では「塾あり」が圧勝
この数字だけを見ると、これからお子さんが大学受験を迎えるご家庭を「第一志望に合格させるために高い授業料を払って塾に通わせなくてもいいかも!」などと、ぬか喜びさせてしまうかもしれません。そこで、子どもが合格した第一志望の大学・学部について聞きました。その結果は下図の通り。
医学部・獣医学部はもちろん、国公立大学・難関私大の第一志望校に合格した人はいずれも塾ありのほうが多くなっています。最難関とされる「医学部または獣医学部」への合格者割合では、塾ありが6.8%であるのに対し、塾なしはわずか1.9%。その差は実に3.5倍以上にも達します。
同様に、「国公立大学」への合格者割合においても、塾ありが29%、塾なしが19.2%と、こちらも1.5倍以上の明確な差が見られました。
「塾なし」は推薦・総合型選抜に多い傾向も
第一志望の合格率と関連付けた質問ではありませんが、本調査では、入試方式別にどんな教育サービスを利用したかも聞きました。それによると、学力試験が合否の鍵を握る「一般選抜」で受験した層では、「教育サービスを利用していない」という回答は41.4%に留まり、約6割の生徒が何らかの教育サービスを利用していることがわかりました。
一方で、「指定校推薦」で64.1%、「総合型選抜」で62.3%、「公募型推薦」で49.6%が「教育サービスを利用していない」と回答。これらは学校での日々の成績や探究活動といった学びが評価に直結するため、塾・予備校を不要と考えるご家庭も比較的多いようです。
塾利用の要・不要はどんな受験を目指すか次第
大学全入時代となり、難関校を目指さないのであれば、塾や予備校が必ずしも必要な時代ではなくなってきたのかもしれません。また、学力試験以外の要素も重視される推薦・総合型選抜で受験するつもりならば、本人がコツコツと努力することで、教育サービスなしでも乗り切れるかもしれません。
難関校を目指すのか、どんな入試方式を利用するのか、教育サービスの利用はどうするのか、各ご家庭の考えどころですね。
(取材・文/大友康子)










