【特集】帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶應Vol.6 ~京都大学現役生編~
全12回でお送りする「帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶応」。
前回の第5回では、「東京大学 OB・OG生編」と称して、東京大学を2010年に卒業したYさんに、大学時代を振り返り、東大で学んだことや卒業後についてお話を伺いました。
【特集】帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶応
第5回:
【特集】帰国子女とその保護者目線で見る東大・京大・早稲田・慶應 Vol.5~東京大学 OB・OG編~
第6回の今回は、東京大学と並び称される西の雄・京都大学に在籍するHさんに、京都大学入学までの道のりや志望理由などを伺います。
京都大学
| 主なキャンパス | 吉田キャンパス(京都市左京区) 宇治キャンパス(京都府宇治市) 桂キャンパス(京都市西京区) |
|---|---|
| 学部総学生数(2025年) | 12,721人 |
| 男女比率概算 | 男性約78~80%、女性約20~22% |
| 志願者数(2025年)*1 | 8,077人 |
| 学部数(2025年) | 10学部 (総合人間学部、文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、薬学部、工学部、農学部) |

早稲田大学から京都大学へ…
法学に目覚めて、大学を再受験
実は約半年前まで早稲田大学国際教養学部に在籍していたAさん。
同大学の授業で法学に出合い、それをきっかけに大学を再受験した。
「日本の外交に関する授業を受け、『海外から日本を見る』という視点から『日本から国際的な課題に取り組む』という視点に意識が変化し、専攻を法学に変えたいと考えるように。秋入学者の私の場合は早稲田大学内での法学部への転部が難しかったため、春入学の受験に挑戦することにしました。大学選択の際は自由な学風と多様な専門分野に魅力を感じて京都大学にしぼり、そこから3ヶ月間、受験勉強に集中しました。私が臨んだのは外国学校出身者入試です。外国学校出身者推薦書、各種証明書(卒業・最終卒業学校・資格・統一試験)、TOEFL iBT®のスコアレポート、国語(現代文)、日本語による面接が判定材料でした(Aさん)。
現在Aさんは、法と国際社会の関係を基盤に自身の専門性を育成中。国際法研究会というサークルに所属し、模擬裁判大会などにも参加しながら、進路を探っている。
「帰国子女としてこれまで感じてきた”居場所のなさ”や”アイデンティティーのゆらぎ”について振り返ると、それが単なる個人的な問題ではなく、制度や社会のあり方にも深く結びついていると気づきました。この気づきは、私がどのような視点から社会と関わっていきたいかを考えるうえで、大きな手がかりとなっています。今後はさらに学びを深め、将来的には、法律や教育といった制度の交差点に立つ仕事をしたいです。多文化的な背景を持つ人々が自分らしく生き、その可能性を存分に発揮できる社会の実現に貢献していきたいと考えています」(Aさん)。
Aさんは学びの面だけでなく、現在の環境も気に入っているそう。「学生の街、京都。自転車さえあれば歴史的な場所にも現代的なスポットにもふらりと出かけられます。友だちと鴨川に行って足を水につけながら勉強することもあります。また、仲間たちは好きなことに好きなように取り組んでいます。”今”を大切にしながら自分らしく生きられる環境がここにあることに喜びを感じます」(Aさん)。
大物になりそうな!?現役生仲間
法学部のSさんはたぶん気づいたらすごい人に…!
「ゾウ柄の赤いズボンなど個性的なファッションを好むSさんは、常識を気にせず、これと決めたことに全力で打ち込める人。マレーシアに中1から数年間滞在し、最後の半年はひとり暮らしをしていたらしい。型にはまらぬ行動力や発想力で、彼なら『最近始めたドラムを持って世界各国を旅する』という夢も叶えてしまいそうです」(Aさん)。
お話を伺った方

現役生:H・Aさん(1年生)
2歳からアメリカで暮らし、高2の夏まで現地校に通った。その後スペインに、移りアメリカ系インターナショナルスクールを卒業。帰国後は早稲田大学国際教養学部に半年ほど在籍。同大学の日本の外交に関する授業を受けて、専攻を法学に変えたいという気持ちが強くなり、京都大学法学部へ。
※1・・・文部科学省年「令和7年度国公立大学入学者選抜確定志願状況」(2025年度) ※2・・・大学通信「大学合格者 高校別ランキング」(2025年。実績のある高校への調査による)






