【特集】帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶應Vol.4 ~東京大学現役生編~ 

全12回でお送りする「帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶応」。
前回の第3回では、「卒業後の進路編」と称して各大学の国家公務員総合職試験・公認会計士試験・司法試験の合格者数や合格率、大学発ベンチャー数や著名400社への実就職率を伺いました。

【特集】帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶応
第3回: 【特集】帰国子女とその保護者目線で見る 東大・京大・早稲田・慶應Vol.3 ~ランキングで知る4大学 卒業後の進路編~ | グローバル子女教育便利帳

第4回の今回からは、現在4大学に通っている現役生と4大学を卒業したOB・OGの生の声を掲載。
今回は東京大学編。現役生のYさんにお話を伺いました。

東京大学

主なキャンパス本郷地区キャンパス(東京都文京区)
弥生キャンパス(東京都文京区)
駒場地区キャンパス(東京都目黒区)
学部総学生数(2025年)14,074人
男女比率概算男性約77~80%、自制20~23%
志願者数(2025年)*18,421人
学部数(2025年)10学部
(法学部、医学部、工学部、文学部、理学部、農学部、経済学部、教養学部、教育学部、薬学部)

思う存分、研究できて、探究心を高めていける環境に感謝

東京大学工学部電気電子工学科4年のYさんは、アメリカの現地高校を卒業後、河合塾での約1年間の寮生活を経て、同大学の帰国生入試に挑んだ。

「入試の内容は書類審査、小論文、数学、理科(物理・化学)、面接でした。記憶に残っているのは、受験期を最後まで戦う体とモチベーションを保つことに腐心したこと。質のよい睡眠をとるために運動しようと、寮から少し離れた図書館まで片道40分ほどかけてわざわざ歩いて通った時期もありました。親は寮生活をするにあたって生活面でおおいにサポートしてくれた一方で、勉強に関してはこちらに一任してくれて…そのおかげで今があると感じています」(Yさん)。

東京大学を選んだのは、「理系分野における自身の探求心を満たす上で一番良い環境である」と判断したから。入学してみると、その判断は合っていたと感じさせてくれる授業が数多くあったという。

「例えば、1年次の教養学部時代に履修した『総合工学基礎』という航空宇宙工学科の講師陣によるオムニバス講義。教授たちが代わる代わる自身の研究を紹介してくれて、毎週、最先端の内容にふれることができました。“研究”という行為に興味を持たせてくれた授業でした。」(Yさん)。

学友にはエネルギッシュで一芸に秀でている人が多いという。

「好きなことややりたいことに対する熱意と技術を、これでもかというくらい持つ友人が多くいます。今回紹介した友人(文末の『大物になりそうな!?現役生仲間』参照)の場合も、実験でペアになったとき、あまりに手際がよくて、ついていくのに必死になったほど。実験レポートを書く際は大変だねと一緒に愚痴をこぼしましたが、そのくせ彼は自分の2倍の量の考察を書いていました」(Yさん)。

Yさんは現在、大気中の放電現象の計測に関する卒業研究に取り組むと同時に、研究の進め方を学んでいるという。卒業後は大学院への進学を予定している。

「今後も探究心を高め続けていきたいです。大学院を出た後は技術者・研究者として生計を立てたいと考えています」(Yさん)。

大物になりそうな!?現役生仲間

計数工学科のKさんは優秀な技術者になるはず

「研究にかける熱意が素晴らしく、知識や技術も豊富な計数工学科のKさん。極めて温厚で怒っている姿を見たこともないのですが、その性格からは想像もつかないほど、実験では手際がよく、レポートに記す考察も鋭いです。将来は優秀な技術者としてアカデミアで活躍するだろうし、してほしいと思っています」(Yさん)。

お話を伺った方

現役生:Y・Yさん(4年生)
アメリカの現地校に高2から高校卒業まで通い、帰国後は河合塾の寮で暮らしながら、約1年後の帰国生入試に備えた。現在は東京大学の工学部電気電子工学科に在籍しており、卒業研究の真っ最中。また、自転車サークルに所属している。卒業後は大学院へ進学する予定。

※1・・・文部科学省年「令和7年度国公立大学入学者選抜確定志願状況」(2025年度) ※2・・・大学通信「大学合格者 高校別ランキング」(2025年。実績のある高校への調査による)