Q. 帰国した今、心の支えになってくれる人やモノは?
小学校低学年
- 両親。わからないことがあったら、すぐに相談できる。(台湾の現地校に通ったYさん)
- 日本の友だちとその家族。日本の遊びを教えてくれる。(中国の現地校に通ったMさん)
小学校中学年
- 家族全員。みんな同じ状況、気持ちだというだけで心強い。(アメリカのインターに通ったKさん)
- 学校の先生。休み時間に勉強を教えてくれる。(アメリカの現地校に通ったRさん)
小学校高学年
- 両親。困っていることについて一緒に考えてくれる。(ケニアの日本人学校に通ったSさん)
- 漫画。読むとイヤなことを忘れられる。(マレーシアのインターに通ったYさん)
中学生
- お母さん。どんな愚痴も真剣に聞いてくれる。(ドイツの日本人学校に通ったEさん)
- 帰国後にできた日本の友だち。特別扱いせずにいてくれる。(アメリカの現地校に通ったRさん)
高校生
- 両親。友だち関係のことでいつもリアルなアドバイスをくれる。(中国の日本人学校に通ったNさん)
- 韓流の音楽やドラマ。落ち着く。(韓国の日本人学校に通ったYさん)
日本へ帰っても、我が子は大丈夫だろうか――
帰国後の様子が想像できなければ、こうした不安は増すばかりです。そこで今号では、すでに帰国している子どもをメインに一大アンケートを実施。帰国した今、何を感じているかを子どもの年齢別にあぶり出し、保護者として何ができるかを専門家に伺いました。
すべての保護者が子どもの支えになれる
帰国後の我が子をどうケアしていけばいいか。これは多くの保護者が抱く悩みのひとつだろう。「海外からの帰国」という事実との向き合い方は個人の気質によるところが大いにあるが、帰国時の年齢、つまり人生における経験値や思考回路の成熟度との関係も切り離せない。
そこで今特集では、すでに帰国している子どもをメインに「今、何を感じているか」という趣旨でアンケートを行い、その回答を小学校低学年・中学年・高学年、中学生、高校生という5つの年齢層に分類。各年齢層の保護者ができるケア方法を専門家に伺った。
なお、上の設問では全年齢層で共通して「保護者」という回答が目立っていた。どの年齢層の子どもを持つ保護者でも、我が子の心の支えになれるのだ。
お話を伺った方
海外子女教育振興財団 教育相談員
後藤 彰夫氏氏
千葉県と東京都の教員、ワルシャワ日本人学校の教諭を経て、東京都公立学校の教頭、副校長、校長に。2013年からは6年ほど本田技研工業株式会社で教育相談室長を務め、2019年より海外子女教育振興財団教育相談員。全国海外子女教育・国際理解教育研究協議会の事務局長も務める。
言語学博士
田浦 秀幸氏
立命館大学大学院 言語教育情報研究科教授として、非常に高いレベルで2言語を操ることのできる子どもたち対象のバイリンガリティー(言語獲得・保持・喪失)などを研究している。帰国生を歓迎する学校等で英語教諭を計15年以上務めた経験も。著書には『科学的トレーニングで英語力は伸ばせる!』(マイナビ出版)がある。
臨床心理士
中里 文子氏
AGカウンセリングオフィス代表、特定非営利活動法人こころんプロジェクト理事長。心理カウンセリングや教育相談、児童相談所での虐待通報・子育て相談、駐在員の家族のメール相談などを行う。「気が重いなあ」「不安だな」と心の病気の小さな芽が出始めたときのカウンセリングを重要視する。
アンケートにご協力いただいた学校(五十音順)
●岩田中学校高等学校 ●OSAKA YMCA INTERNATIONAL HIGH SCHOOL大阪YMCA国際専門学校国際課程国際学科 ●大妻中野中学校・高等学校 ●海城中学高等学校 ●学校法人自由学園 ●学校法人函館ラ・サール学園 ●鎌倉学園中学校・高等学校 ●近畿大学附属高等学校・中学校 ●ぐんま国際アカデミー初等部・中等部・高等部 ●啓明学園初等学校・中学校・高等学校 ●国際高等専門学校 ●渋谷教育学園渋谷中学高等学校 ●渋谷教育学園幕張中学校・高等学校 ●順天中学校・高等学校 ●昌平中学・高等学校 ●昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校 ●成蹊小学校・中学校・高等学校 ●成城学園中学校高等学校 ●清泉女学院中学高等学校 ●清風中学校・高等学校 ●土浦日本大学高等学校 ●帝京大学小学校 ●田園調布学園中等部・高等部 ●桐蔭学園中等教育学校 ●桐蔭学園高等学校 ●東京女学館小学校・中学校・高等学校 ●富士見丘中学高等学校 ●宝仙学園中学高等学校共学部理数インター ●目白研心中学校・高等学校 ●八雲学園中学校・高等学校 ●麗澤瑞浪中学・高等学校 ●和洋九段女子中学校・高等学校
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