小学生親子向け「ケニアのバーチャルツアー」とは? 現地駐在員への質問タイムも

海外からも参加可能、小学生の親子が対象のイベント
世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン(以下、WVJ)が、今年も小学生の親子を対象とした無料の参加型オンラインイベント「ワールド・ビジョン・サマースクール2025」を開催します。日程は2025年7月24日(木)、申し込みの締め切りは7月14日(月)。※日時は日本時間

20年目を迎えた今年は、文部科学省の後援を受け、日本国内の小学校に広く告知することができ、これまで以上に多くの子どもたちが参加できるようになったといいます。どのような体験と学びができるのか、WVJマーケティング第1部 コミュニケーション課 グローバル教育担当の松本謡子(まつもと・ようこ)さんに話を聞きました。
「バーチャルツアーでケニアのお友達に会いに行きます。子どもたちが2時間半以上もかけて歩いているでこぼこ道の通学路を映したり、学校を訪れたり、水道もガスも電気も通っていない家の中を見せてもらったりと、実際の暮らしを映像でお伝えします。アフリカ旅行を疑似体験しながら、現地では安全な水が手に入らないために子どもたちも水汲みをしていることや、病院が近くにないことなど、途上国の課題に目を向けるきっかけをつくります」

ケニア駐在のスタッフが質問に答えてくれる
バーチャルツアーは子どもにも保護者にも好評で、視聴するだけでなく意見を出し合う参加型であることから、飽きずに楽しめた、という声が多かったといいます。
「今年の新たな企画としては、現地に駐在する遠藤スタッフがリアルタイムで参加することになりました。時差の関係でケニアは早朝になりますが、今この瞬間にケニアとつながっている、ということにワクワクしてもらえるといいな、と思っています。質問タイムには、参加者からの疑問に遠藤スタッフがお答えします。また、今年のテーマとして、<共に生きる>を掲げています。途上国の課題をただ発信するのではなく、現地の子どもたちのリアルな暮らしを知り、課題を考え、その場に集まった仲間と一緒に解決策を考えるきっかけをつくりたいと思っています」(松本さん)※トップ写真の中央が遠藤スタッフ

助け合って生きていくことの大切さを伝えたい
「ワールド・ビジョン・サマースクール」は、オンラインだけでなく、東京都内での対面イベントも開催しています(※今年の申し込みは終了)。2006年のサマースクール開始当初は少人数の対面イベントのみでしたが、近年はオンラインを開始したことで一気に参加人数が増えました。オンラインはバーチャルツアー、対面は「水汲み体験」とワークショップ、というようにプログラムは異なりますが、途上国の子どもたちが直面している、「貧困」、「教育」、「⽔衛⽣」の課題について理解を深めるという趣旨は同じです。
「私たちが伝えたいことは、当初から変わりません。ただ、2011年に東日本大震災が起こり、私たちも多くの国々から支援していただいたことで、お互いに助け合って生きていくことが大事だ、という思いが強くなりました。それまでは、途上国の子どもたちにはこういう課題があるので手を差し伸べましょう、といったニュアンスが少し強かったように思います。助け合い、というメッセージは、今年のテーマにも反映されています」(松本さん)
最後に、20年近くにわたって「ワールド・ビジョン・サマースクール」を担当している松本さんにオンラインイベントの参加者へのメッセージをうかがいました。
「バーチャルツアーでは、ケニアの空港に到着したところからスタートし、ビルが立ち並ぶナイロビを経て、支援地域へと向かいます。同じ国でも首都と支援地域ではこんなに違うんだ、ということも映像から感じてもらえると思います。参加してくださるお子さまと保護者の方々には、何かしらの驚きや発見を持ち帰っていただけたら嬉しいです」
(取材・文/中山恵子)
「ワールド・ビジョン・サマースクール2025」オンラインイベントの概要
◆日時/7月24日(木)、小学1~3年生と保護者は10時~11時30分、小学4~6年生と保護者は13時30分~15時30分。※申し込み締め切りは7月14日(月)
◆詳細・申し込みは公式サイト参照
https://www.worldvision.jp/report/news/20250423-7571/index.html