海外からも参加できる! Minecraft作品コンテストの魅力

子どもたちの“デジタルものづくり”を応援

子どもたちに大人気のゲーム「マインクラフト」。その教育版(教育版マインクラフト)を使った作品コンテスト「第7回Minecraftカップ」が開催されます。主催はMinecraftカップ運営委員会。本大会は、海外在住の子どもも参加可能です。予選、地区大会を経て、来年2月に、東京大学で全国大会が開催されます。

前回大会の表彰式の様子

マインクラフトとは?

通称“マイクラ”ことMinecraft(マインクラフト)は、ものづくりゲームの一種。Minecraftの世界はブロックでできており、ブロックを壊して素材を手に入れ、さまざまな素材を組み合わせて建物や家具を作ったり、独自の世界をつくることができます。自分が構築した世界を冒険したり、他の人がつくった世界を訪れて一緒に遊ぶこともできます。そんなMinecraftを教材として活用できるようにしたものが「教育版マインクラフト」です。

教育版では、複数人でひとつの世界を共有して共同作業を行ったり、遊びながらプログラミングを学ぶことができます。さらに、子どもが知らない人とオンラインでつながることを防ぐ安全機能も備えるなど、さまざまな特徴があります。

ブラジルからの参加で優秀賞を受賞したチームも

海外からの参加について、Minecraftカップ運営委員会事務局(特定非営利活動法人デジタルものづくり協議会内)の広報担当者に話を聞きました。

近年では第6回Minecraftカップ(2024年度)には4作品が、第5回Minecraftカップ(2023年度)には2作品が出場しているとのこと。

「個人や兄弟姉妹での参加が多い印象です。国としては、ブラジル、中国、台湾などからの出場がありました。日本国内から出場しているチームの中にも、海外在住のメンバーが在籍している場合もありました」と担当者は話します。

なかには優秀賞を受賞したチームもあるといいます。

「第4回(2022年度)に出場したブラジルのリオデジャネイロに住む姉と弟の作品は、全国大会でミドル部門(※チームの最年長が小学校高学年以下、12歳以下で編成されたチーム)の優秀賞を受賞しました。この年の大会テーマは『生き物と人と自然がつながる家、まち〜生物多様性を守ろう〜』で、ブラジルが抱えている問題について作品内に丁寧に反映されていました。日本から出場する作品ではあまり見られないテーマだったこともあり、印象に残っています。また、フィールドワークで鉱石堀に足を運んだ経験も、地区大会や全国大会での作品アピールに活かされていました」(担当者)

・該当作品情報

https://minecraftcup.com/works2022/workarticle2022/?work_id=308

また、2023年度出場のチームでは、東京のメンバーを中心に海外の主にシンガポールからも参加していたといいます。

「そのチームでは、ミーティングはすべてオンラインで実施したそうです。この年の大会テーマは『Well-beingをデザインしよう〜未来を楽しむために、今できることを考えてみよう〜』で、チーム人数20名と大所帯で参加してくれました。日本とシンガポールの混合チームでどのように作品制作を進めたかについて作品情報で紹介しているので、ぜひご覧ください」(担当者)

・該当作品情報

https://minecraftcup.com/works2023/workarticle2023/?work_id=1718

東京大学との共同研究で創造的態度の伸びが明らかに

Minecraftカップでは、高校生以下の子どもたちを対象に「教育版マインクラフト」で作られた作品を国内外から募集し、構想力や計画遂行力、表現力などを競い合います。

作品づくりを通じてプログラミング的思考を学ぶことができますが、それだけでなく、個人参加の場合は自分の興味・関心をもとに独自の世界を広げることができ、チーム参加の場合は共同作業をすることにより協調性や計画力を身につけることもできます。また、予選、地区大会と進んでいくなかで、作品紹介動画をつくったり、スピーチを行ったり、審査員との質疑応答をすることで、さまざまなスキルを育むことにつながります。

東京大学との共同研究では、Minecraftカップに参加した子どもたちの多くが、作品を応募する前に比べて、応募後には「創造的態度(自ら問いを発し好奇心を持ち、失敗から新しいものを生み出そうとする力)」が伸びている傾向があることが明らかになりました。

前回大会の発表の様子

日本の友達と一緒に参加することも

マイクラで遊ぶことが好きなら、このようなコンテストに参加してみるのもよいでしょう。海外から兄弟姉妹や友人と参加するだけでなく、オンラインを活用すれば日本の友達とチームを組むこともできます。担当者は次のように話します。

「Minecraftは世界中の子ども達に人気で、その熱量は国境を超えています。今年度の大会のテーマは、『未曾有の災害から人類の命をまもれ!〜レジリエンスを備えたまちづくり〜​​』で、レジリエンス(立ち上がる力)を主題に、「防災」や「平和」も含まれています。国際平和が求められている現代。ぜひ大会に参加して、海外からの広い視点で作品づくりを行っていただければと思います。Minecraftカップと一緒に、国境を超えたデジタルものづくりを楽しんでいきましょう!」

■大会概要:Minecraftカップ公式サイト(https://minecraftcup.com/

(取材・文/中山恵子)