2018年に設立しフィリピンでの語学留学の斡旋などを行ってきた株式会社コネクト&フロウ(東京都新宿区)は本年5月1日、語学学校への留学と国際協力体験を無料で組み合わせる「Social留学」の事業開始を発表した。
通常の海外ボランティアツアーは手配費用・宿泊費用・食事代など、フィリピンで2週間滞在した場合、手頃なケースでも約15万円はかかる。通常の語学学校留学もお手頃な場合で1カ月約15万円といったところだ。
Social留学なら1カ月約15万円の語学学校留学費用のほかには一切費用がかからず、ボランティアやインターンに参加でき、いわば一石二鳥。しかも、留学費用の3%が本事業に加盟するNGOや社会的企業に寄付され、留学生の海外挑戦が社会貢献にも結びつく。
募集地域はフィリピンのセブとバギオ、マニラ周辺。現地の情報に詳しい専門のアドバイザーが通常の留学費用以外は手数料など完全無料で海外ボランティアやインターンの実施先を手配。平日は語学学校で授業を受けて週末にボランティアに参加したり、午前中に学校で授業を受けて午後にインターンに参加する、といった語学留学生活を送れる。
気軽に国際協力に参加できる週末ボランティアと今後のキャリアを深く考えられるインターン
ボランティアやインターン先はNGOや社会的企業などからの募集によるため、その時々で異なる。Social留学サイトの「募集をさがす」ページから活動したいボランティアやインターンを選んでSocial留学アドバイザーに相談、組み合わせられる語学学校を選び出してもらう。
6月末現在、募集されている活動内容の例を見てみよう。
「セブ島にある孤児院でボランティア~子どもと思いっきり遊ぼう~」では、子どもたちとゆっくり遊んでやる余裕のない孤児院のスタッフに代わり、じっくりと関わっていく。孤児院で過ごす子どもたちの存在を身近に感じ、寮母やソーシャルワーカーと話すことで社会問題を深く知ることができる。
インターンの具体例としては「国際村の語学学校でサービス運営・開発の海外インターン」など。マニラから北に約2時間のブランカ州の語学学校「PALETTE SCHOOL」で運営補助インターンを行う。英語授業以外のアクティビティーの運営や開発補助がインターンの役目で、さまざまな国から学びに来ている学生へヒアリングをして、貧困地区へのスタディーツアーや社会的企業へのインタビューなど、既存アクティビティーを改善したり、新規に企画したり、やりがいある仕事を実行できる。
Social留学を運営する株式会社コネクト&フロウの代表取締役・野中柊平氏は言う。
「ソーシャル留学は、海を渡る人により多くの選択肢を提示し、同時に現地社会への還元を実現していきます。私たちは留学業界において『留学先の地域』への貢献や還元があまり考慮されていない現状に疑問をもち、動き出しました。辿り着いたのが地域に根ざして最適な活動を行なっている、NGO・NPO・社会企業の存在です。地域に寄り添って活動している彼らと協力し、語学留学やインターン、ツアーを組み合わせ、または創り出すことで多くの選択肢を生み、『留学先の地域』に対しても貢献、還元することを目指しています」
写真:6月末現在募集中の「国際村の語学学校でサービス運営・開発の海外インターン」は、フィリピン最大級のNGO「GK Enchanted Farm」という国際村に位置する語学学校「PALETTE SCHOOL」の運営補助活動を行う
(取材・文/大友康子)