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スマホ保有率は、小学校高学年で4割、中学生で7割。保護者の半数が学校への持ち込みに反対

小中学生のスマートフォン(以下、スマホ)の所有と保護者の意識について、明光義塾が行った調査によると、自身のスマホを持っているという小学生高学年(4~6年生)は全体の約4割、中学生が約7割。保護者の約半数が学校への持ち込みに反対していることが明らかになった。

文部科学省は、これまで小中学校への携帯電話やスマートの持ち込みを原則禁止していたが、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化を踏まえ、持ち込み禁止を見直す方針を打ち出している。

同調査は、個別指導学習塾「明光義塾」を全国展開する明光ネットワークジャパンが、小学4年生から中学3年生までの子どもを持つ保護者男女760名(小学4~6年生の保護者:380名、中学生の保護者:380名)を対象に行われた。実施期間は2019年3月初旬だ。

スマホ持ち込み反対の理由は、トラブルの危惧から。「緊急時や防犯対策に必要」の声も

保護者に自分の子どものスマホ保有についてたずねた設問では、小学校高学年では40.8%が、中学生では72.4%が「自身のスマホを持っている」と回答している。

 

スマホの持ち込み
また、「子どもが学校にスマホを持って行くことについて、どう思うか」については、「反対」、「どちらかというと反対」の回答を合わせた反対派の割合は、小学校高学年で60.5%、中学生で47.9%だった。

スマホ持ち込みに反対の理由で最も多かったのは、「トラブルの原因になる可能性があるから」(79.1%)で、次いで「学業の妨げになるから」(57.8%)、「‶ながらスマホ″など事故に繋がる危険性があるから」(43.4%)の順だった。

一方、賛成派(「賛成」+「どちらかというと賛成」の回答)の理由については、「緊急の時の連絡手段に必要だから」が83.3%と圧倒的に高く、次いで「防犯対策として必要だから」(50.4%)、「授業中など使ってはいけないタイミングを子どもが理解しているから」(31.8%)という回答がみられた。

実際にスマホを持つ子どもの保護者の6割がトラブルを実感

同調査では、家庭内での子どものスマホ利用についてもたずねている。小中学生の家庭で決めているスマホ利用に関するルールや約束事で多かったのは、「利用アプリの制限」(47.9%)、「利用時間の制限」(45.8%)、「食事中など‶ながらスマホ″の禁止」(39.3%)、「SNSなどへの情報公開制限」(35.6%)だった。

家庭独自のルールとしては、「アプリのインストールは親の許可を得てから。自分の部屋に持っていかない」(中1の保護者)、「就寝前にスマホを親に預ける」(中3の保護者)、「友人とのメールに人の批判は書かない。なお、フィルターをかけ、9時以降の使用はできず、LINEもできない設定になっている」(中2の保護者)などの回答が寄せられた。

さらに、子どもがスマホを所有していると回答した保護者に、「スマホが原因で、子どもとトラブルになったことがあるか」とたずねたところ、12.3%が「よくある」、45.8%が「時々ある」と答えており、約6割の保護者が「トラブルになった」と感じていることがわかった。

トラブルの具体的内容は、「勝手に動画アプリに(動画を)アップしていた。本人はなぜ駄目なのか、不満そうだった」(中1の保護者)、「使用時間をコントロールできず、何時間も使い続けてしまった」(中3の保護者)、「約束を破り、勝手にゲームに課金していたので、二度としないよう、しばらくの間、取り上げた」(中3の保護者)などの意見がみられた。

また、「スマホが子どもの学業に対してどんな影響を与えると思うか」という設問では、「良い影響を与えると思う」「どちらかというと良い影響を与えると思う」と答えた保護者は合わせて約10%なのに対し、「悪い影響を与えると思う」、「どちらかというと悪い影響を与えると思う」という回答は、合わせて50%を超えた。「利用するアプリの内容によると思う」と答えた保護者は23.8%だった。

スマホが学業に与える影響に関するフリーアンサーでは、「大人でも遊びでいじっていると、あっという間に時間が経つ。自制がきかない子どもはなおのこと。確実に勉強や睡眠時間に悪影響を及ぼす」(中3の保護者)という否定的な意見がある一方で、「使い方をしっかり身につけていればよいが、勉強に集中できないと思う」(小6の保護者)、「上手く使っているので特に問題はない。動画や音楽、LINEもするが、自分で判断して程々に使っている」(中2の保護者)といった、使い方次第という声もある。子どものスマホとの関わりやアプリなどの使い方について改めて考えさせられる結果となった。

(取材・文/橘晶子)