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学校図書のトレンドがわかる! 図書ランキング(前編)

日本出版販売株式会社が運営する日販図書館選書センターは、同センターに来場した学校図書館関係者によって選書された図書を、選ばれた回数によってランキング化し、毎年発表している。今回、2023年度年間図書ランキング(2023年4月~2024年3月、日販図書館選書センター調べ)を発表した。学校図書のトレンドを映すランキングとして、図書館をはじめ、小中学生向けの選書の参考としてぜひ活用したい。早速この結果を見てみよう(受賞のコメントは、日販ニュースリリースより引用)。

学校図書館関係者が選んだ小学校図書人気No.1は?

小学校の単品部門第1位は、『すいどう』(福音館書店/百木一朗・作)であった。水道を通して私たちの暮らしの中で使われている水の流れをわかりやすく描いた1冊だ。小学校の理科・社会の単元にも関わるテーマである。

【第1位受賞のコメント】作・百木一朗さんより

このたび小学校の年間第1位に選んでくださり、とても嬉しいです。この絵本は、山に降った雨が浄水場へ取り込まれ、水道水として家まで届けられる過程を描いています。そしてその先は? 水道管は地中に埋まっていますが、この水の流れが目に見えるかのように想像してもらえたら良いなと思います。

小学校図書のベスト10は?

続く第2位から第10位までの小学校図書ランキングは、以下のとおりとなった。読み物以外では、「国語」や「生活」など、小学校の授業の単元に関わるテーマの図書が多く選ばれている。

学校図書館関係者が選んだ中学校図書人気No.1は?

中学校の単品部門第1位は、昨年に引き続き、『君たちは今が世界(すべて)』(KADOKAWA/朝比奈あすか・著)であった。小学生のヒリヒリするような教室の空気が伝わってくる作品で、入試問題としても多く採用されている。

【第1位受賞のコメント】著者・朝比奈あすかさんより

昨年に引き続き、今年も中学生部門の年間第1位に選んでもらえて、とても嬉しいです。『君たちは今が世界』は、子どもの頃の自分の気持ちを思い出しながら書いた、私にとってもすごく大切な小説です。リクエストしてくださった中学生の皆様、選書してくださった図書館司書の皆様、そして、ページをめくってくださった全ての皆様、ありがとうございます。

中学校図書のベスト10は?

続く第2位から第10位までの中学校図書ランキングは、以下のとおりとなった。読み物以外では日本史や修学旅行、受験勉強など、中学校での学習に役立つ図書が多数選ばれている。ファシリテーションやネットなど、コミュニケーションスキルに関わるテーマも好調だ。

明日も引き続き、この調査結果の続きを見ていこう。

(取材・文/小野眞由子)