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人気職業ランキング100位以内に胚培養士や傭兵も!?(後編)

人気職業ランキング11位以下をチェック!

昨日は、『13歳のハローワーク公式サイト』(株式会社幻冬舎と株式会社トップアスリートが運営)が、サイトに掲載中の1034職種をアクセスユーザ数、ページビュー数などからポイント化して算出して毎月発表している人気職業ランキング9月分の10位までをチェックした。

各学校に配置されているスクールカウンセラーがもつ資格である「臨床心理士」が1位、不況の中でも安定した公務員が5位、自然がより少なくなり自然観察イベントが重要になっているなかで自然観察指導員が8位などと、高ランクが意外に思えるものも、よくよく考えると納得の、世相を反映しているランキングと思われた。

本日も11位以下のランキングの、気になるところを見てみよう。11~20位までは下記に列挙する。21~100位は公式サイトをご参照あれ。

順位 前回順位 職業
11位 (11) 声優
12位 (12) 漫画家
13位 (14) キュレーター
14位 (19) 保育士
15位 (29) 宇宙飛行士
16位 (21) PA(音響)
17位 (22) パティシエ
18位 (9) 歌手
19位 (23) ファッションデザイナー
20位 (36) 陸上自衛隊の隊員

ドラマの影響で(?)キュレーターが13位

9月13位、8月14位のキュレーター。美術館や博物館での展覧会の企画から開催までのすべてを取り仕切るキュレーターは、とてもカッコイイ仕事だが、なかなかその存在を知りにくい職業ではないだろうか。

このランクインにはおそらく、日本で7~9月に放映されたTBSドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』の影響があると思われる。18歳の主人公の少女が目指している職業がキュレーターだった。ドラマ本編はもちろん、予告CM内でもキュレーターという職業名が出てきていたので、気になった子どもや保護者が『13歳のハローワーク公式サイト』内で調べるなどしたのではないだろうか。

人気ランキング78位に「傭兵」がランクイン

面白いところでは78位に「傭兵」が入っている。外国の軍隊に雇われて働く兵士で、フランスの外人部隊が世界的によく知られている。死と隣り合わせの職業なので、まさかなりたいと思って調べているわけではないだろうが、なぜ100位以内にランクインしているのだろうか?

これはおそらく漫画の影響だ。筆者もスマートフォンをいじっているときに、傭兵をテーマにした漫画を紹介する漫画アプリの広告が表示されることがよくある。同じようにそれらを目にした人が「傭兵」をサイトで調べたのだろう。

なじみの薄い職業「胚培養士」もランクイン

さらに珍しいのが96位の「胚培養士 (エンブリオロジスト)」。不妊治療の補助をする仕事で、医師の指導のもと、人工授精、体外受精、顕微授精などを行う。医師のような国家資格はなく、医療関係の仕事(臨床検査技師、看護師)に従事している人や農学・畜産系の大学を卒業した人などが胚培養士として就職し、働きながら技術を習得していくことが多いという。

こちらも通常は、子どもはなかなか知るチャンスのない職業だろう。実はこれも漫画の影響と思われる。小学館発行の『週刊ビッグコミックスピリッツ』に連載されている「胚培養士ミズイロ~不妊治療のスペシャリスト~」の主人公の職業なのだ。

このように見てくると、傭兵はともかくとして、キュレーターや肺培養士など、あまりなじみのない職業を子どもたちが漫画やドラマで知り興味を覚える、というのはなかなか有意義なことだと思う。

また、『13歳のハローワーク公式サイト』で人気職業ランキングを見て、新たな職業名を知り、そこをクリックしてその仕事内容を知るというのも、子どもの職業意識を育むのに役立つように思う。

ちなみに、人気職業ランキングは毎月初旬に更新されるので、間もなく10月のランキングが発表されるはずだ。

(取材・文/大友康子)