海外で頑張る先生にスポットを当てた今企画。先生になったきっかけ、海外に来た経緯、やりがい&大変なこと、今後の夢などを伺いました。
―現在「Waseda Singapore Pte Ltd.」にて取締役を務める傍ら「早稲田アカデミーシンガポールオーチャード校」で算数の先生もしていらっしゃいます。大学卒業後はIT業界に就職され、その後、教育の世界に来られたそうですが、どのようなお考えがあったのでしょうか。
もともと教えるという仕事への興味は小学生のころからあり、大学でも教職課程を履修し教員免許も取得しました。
その一方で教え方については既存のものに縛られない自由な形を求めていたこともあり、卒業後は一旦別業界で仕事を始めました。
しかし、しばらくすると『やはり自分は教育に携わる仕事をしたい!』という思いをおさえることができず、転職活動を始め、現在に至ります。
現在の授業では自分のアイデアを活かせる部分が大いにあり、授業の出来は生徒たちの反応ではっきりと分かります。非常にやりがいのある仕事に出会えたと思っています。
―約20年前からシンガポールでの勤務を開始されています。海外で働こうというお考えも、もともとあったのでしょうか?
実はそのような意気込みは全くなく、辞令が出るまでパスポートも持っていませんでした。
また当時のシンガポールは先進的な都市国家のイメージはあまりなく、ここに来たのも偶然的な要素が強かったです。
ただ、実際に足を踏み入れた後は考え方を揺さぶられるような経験を数多くしました。
日本の団地を思わせるHDB(公営住宅)の合間を歩き、至る所で奇抜な建物が建設される様子を見て『この国にいれば、以前日本が辿ったような成長を追体験できるぞ』と思いました。
―シンガポールでお仕事をされる上でのやりがいは何でしょうか。
一つ目は、シンガポールでは、まさに教育の最先端を走る方々にお会いする機会に恵まれるということです。
今後の日本の教育の進むべき方向を探っていく身として非常に刺激を受けています。
二つ目は海外校舎では校舎全体のデザインを考えられることです。教室のようなハードウェアからテストや時間割といったソフトウェアまで頭も体もフル回転させ、よい校舎や授業を生徒たちと一緒に作れたときは大きな喜びを感じます。
―仕事上、そしてご自身の私生活における今後の夢や目標を教えてください。
仕事の目標は海外校舎の連携を深めることです。
現在の発達した情報技術をベースに世界各都市の生徒たちをつなげ合わせれば、海外の生徒たちをより広いフィールドに連れ出すことができると考えています。
私生活では5歳の息子の子育てが最大の楽しみです。誕生の瞬間から子どもの成長をずっと追いかけていると、人生を2度生きているような不思議な感覚になります。
これからも、公私で巡り会えたさまざまなご縁を大切にしていきたいと考えています。
プロフィール
※写真は普段勤務している『早稲田アカデミーシンガポールオーチャード校』にて