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ケニアの子どもたちに会いに行くバーチャルツアーとは?(後編)

“グローバル・キッズ”になって欲しい

「バーチャルツアーでケニアの子どもたちに会いに行こう」をメインテーマにした参加型オンラインイベント「ワールド・ビジョン・サマースクール2023」が7月27日(木)10時~11時20分(日本時間)に開催される。主催は、国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン(以下、WVJ)で、小学生の親子が対象。イベント概要は<前編>を参照していただき、<後編>ではより詳しい内容をお伝えする。

今年で15年目となるWVJのサマースクールだが、その意図について、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン広報担当の德永美能里(とくなが・みのり)氏は、「一番の目的は、貧困や紛争等の影響を受けている子どもたちのことを、日本の子どもたちにも知ってほしい、ということです。サマースクールは、WVJのグローバル教育の一環です。世界の子どもたちを取り巻く課題を知り、解決のために自分にできることを考え、行動する“グローバル・キッズ”になってほしいという願いで開催しています」と話す。

水衛生の問題は長年のテーマ

今年はバーチャルでケニアを訪問するが、WVJでは塩野義製薬株式会社の支援を受けて2015年からケニアにおける母子保健支援事業「Mother to Mother SHIONOGI Prooject」継続している。そのつながりで、サマースクールでもWVJと塩野義製薬とのコラボ―レーションが始まり、今回も「塩野義製薬と一緒に感染症からみんなを守る方法を考えよう」というテーマでの学びも提供される。感染症対策に注力している塩野義製薬と、途上国を支援しているWVJには、水衛生・感染症対策という共通の課題があるのだという。

徳永氏は、「WVJのサマースクールで脈々と続けているテーマが“水”なのです。以前、対面でサマースクールを開催していたときに、実際に途上国で使われている水のタンクを用意して、日本の子どもたちに水汲み体験をしてもらったことがあります。『重くて持てない』『持って歩けない』と驚いていました。日本にいると、蛇口をひねればすぐにきれいな水が出てきますが、ケニアのように水衛生の問題が深刻な国もあります。そういったことを知るひとつのきっかけになればと思います」と続ける。

夏休みの自由研究にしても

帰国便利帳の読者の中には、滞在国で日本との違いを実感している人も多いだろう。

「日本の暮らしが当たり前ではない、ということを肌で感じていらっしゃるであろう海外在住のお子さまと保護者の方々にも、ぜひWVJのサマースクールにご参加いただきたいです。イベント終了後の質問コーナーは自由参加ですが、例年ほとんどの方が残られて、大いに盛り上がっています。今年はケニアの支援事業を担当しているスタッフも登場しますので、気になることを聞いてみてください。楽しいイベントを心がけていますので、一緒にケニアを旅していただけると嬉しいです」と徳永氏。

オンライン開催なので、時差の問題さえクリアできれば、海外からでも参加できる。イベント終了後にはアーカイブ視聴もできるので、親子で見直しながら社会の課題について話し合ったり、夏休みの自由研究のテーマにするのもよいだろう。

(取材・文/中山恵子)