Case.2 中高×大学
大学とのSGHプログラムで国際社会に役立つ力を育む
「富士見丘中学高等学校」は、国内外の大学と連携したSGHプログラムなどによって社会で必要とされる力を養っている。
大学院生や留学生と英語で議論も
「富士見丘中学高等学校」(東京都渋谷区)は、SGHの指定を受けたプログラムなど、国内外の大学と連携した授業を行う。
SGHプログラムは高校からスタートするが、中学2年次にそのウォームアップも兼ねて、生徒全員が「武蔵野美術大学」の学芸員の指導で大学生の作品を展示する美術展を準備。
来場者への説明なども生徒が行う。
「外部の人と交わることでコミュニケーション力が付き、また、仲間と協力しながら完成を目指す協働力も養われています」と教頭の白鶯訓彦氏(はくおう・くにひこ)
SGHプログラムスタート後は”サスティナビリティ(持続可能性)”という視点から、さまざまな社会問題を探究する課題解決学習で「災害と地域社会」「開発経済と人間」「環境とライフスタイル」の3つのテーマに取り組む。
高校1年の必修科目「サスティナビリティ基礎」では、同校教員による教科横断型授業で3テーマについて学習。
また岩手県釜石市で復興事業に関するフィールドワークを行う。
「慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科大川研究室」のグローバルワークショップでは、大学院生や留学生と共に地球規模の課題を英語で討論する。
「課題発見や解決に向け、意見交換やプレゼンを英語で行うため、帰国生が活躍する場面も多いようです」(白鶯氏)
海外大学と連携しフィールドワークを実施
高2・3年次の選択科目「サスティナビリティ演習」では、テーマに応じて「慶應義塾大学」や「シンガポール経営大学」など海外大学とも連携する。
また「開発経済と人間」ではシンガポール「災害と地域社会」は台湾「環境とライフスタイル」はマレーシアなど、各地でフィールドワークなどを行う(現地の高校との交流授業もある)
「プログラムを通して、課題を解決する思考力、創造力、協働力など、国際社会に求められる力が培われていると感じます」と白鶯氏。
今後も、社会に出てから役立つ力を中高の段階から育むことで、大学教育へのスムーズな移行に繋げていきたいという。
海外フィールドワークや英語のプレゼンも体験
1年間“持続可能な社会”について考え、夢中で取り組んだ。多くのことを調べておいたおかげで、マレーシアでは小さなことでも感動できた。(高2女子)
プレゼンテーションの能力や英語力、パソコンを使うことなど、自分の技術を高めることができた。(高2女子)
日本だけでなく、世界の共通の問題を知り、考える力がついた。解決のための段階を考えられるようになった。(高1女子)
リーダーとして全体のまとめ役を担当し、人とのつながりや協力の大切さがよくわかった。(中2女子)