世界を見てみたい、人の役にたちたい、経験を積みたい、など、海外ボランティアに参加する理由は人それぞれだが、実際に行ってみた結果、そうした思いは叶えられたのだろうか。
海外留学支援事業を行っている「ディーサイド留学情報センター」(商号:株式会社アットワールド、東京都新宿区/大阪府大阪市)が日本全国の海外ボランティア経験者の男女1,008名を対象に実施した「海外ボランティアで成長したこと」に関する調査を紹介したい。また、調査結果を受けて、ディーサイド留学情報センターの担当者にも話を伺った。
参加理由は「成長したかったから」が5割以上
「Q.海外ボランティアに参加をした理由(複数回答可)」という質問に対する回答では、「人として成長をしたかったから(52.3%)」が最多。次いで「視野を広げたかったから(43.7%)」「豊富な経験を得たかったから(36.9%)」と続いた。海外ボランティアという新しい経験を通して、価値観を深め、成長を遂げたいといった理由で参加した人が多いことがわかった。
海外で経験を積む目的であれば短期留学などの方法もあるが、海外ボランティアを選んだ理由としては下記のような回答があった。
- 海外の問題の状況を身近に知ることができるから(10代/女性/東京都)
- 短期留学よりも、学べることが数多くあると思ったから(30代/男性/大阪府)
- 幅広い視点で世界に貢献したかった(30代/男性/兵庫県)
- 実際に小学校などで生徒や先生たちと一緒に生活することで、生活習慣やリアルなものの考え方に触れられると思ったので(40代/女性/東京都)
海外ボランティアは現地の人との距離が近く地域や国の問題に触れられることから、よりよい経験を積んで視野を広げられると考えた人が多いようだ。
大変だったのは食事。嬉しかったことも
「Q.海外ボランティア中の大変だった出来事(複数回答可)」という質問には、「食文化が体質に合わなかった(45.7%)」という回答が最も多く、次いで「言葉が通じなかった(43.2%)」「気温が体質に合わなかった(32.8%)」と続いた。
一方、「Q.海外ボランティア中の嬉しかった出来事(複数回答可)」という質問には、「視野を広げることができた(46.9%)」と回答が最も多く、次いで「人として成長ができた(45.7%)」「現地の人に感謝をされた(44.4%)」と続いた。参加理由の上位2つを叶えることができた人が多いことがわかる。
ボランティア活動以外での印象的なエピソードとしては下記のような回答が得られた。現地でさまざまな経験をしたことが伝わってくる。
- ガイドブックには載っていないようなことが体験できた(20代/女性/広島県)
- 日本での生活では見る事がないような、素晴らしく美しい南の空や海を見る事ができた(30代/男性/兵庫県)
- 日本では見たことない商品や、日本では輸入費用が加算されて高かった物を安く買えたのは嬉しかった(30代/女性/大阪府)
- 夜は仲良くなった仲間たちと飲みに出かけて現地の料理や酒を楽しんだ(40代/男性/岡山県)
「人間的な成長に繋がった」は8割以上
「Q.海外ボランティアでの経験は、人間的な成長に繋がったか」という質問には、「大いに繋がった」が46.3%、「少し繋がった」が41.9%で、合計すると8割以上の人が成長に役立ったと感じていることがわかった。
海外ボランティアのどのような部分が人間的な成長に繋がったのか、具体的な内容は以下の通り。
- 視野が広がった。世界の問題にも他人事で考えてしまうクセが少し抜けた(20代/女性/大阪府)
- 相手が何を求めているかジェスチャーや身振り手振りで会話を繋げてコミュニケーション能力が高くなったと思う(20代/女性/鹿児島県)
- 何事にも挑戦できるようになった(20代/女性/福岡県)
- 物怖じしなくなった(50代/男性/埼玉県)
海外ボランティアではさまざまな経験ができ、それを通して成長できたと感じている人が多いことがわかった。では、帰国後、その体験が社会人生活に役立っているのだろうか? 調査結果の続きとディーサイド留学情報センター担当者のお話は、明日掲載の(後編)にて紹介する。