2024年卒の採用広報が３月１日に解禁され、本格的な就活シーズンが始まった。企業の採用意欲が一層高まる中で、就活生たちはどのようなスタートを切ったのだろうか。就活サイト「キャリタス就活」を運営する「株式会社ディスコ」（本社：東京都文京区）が、学生モニターを対象に解禁直後の就職活動状況や意識について調査を行い、その結果を公開している。
人気職種、文系は「営業系」「企画系」、理系は「研究・開発系」
解禁時点で、いまの就活生たちどのような業界を志望しているのか。調査によると、現時点で志望業界を「決めている」学生は90.1％で、２月の調査（82.6％）から7.5ポイント増加した。
「決めている」と回答した学生に具体的な業界を尋ねたところ（40業界から５つまで選択）、「情報・インターネットサービス」（18.3％）が最も多く、次いで「情報処理・ソフトウェア」（16.9％）という結果に。これらの業界は属性によらず上位に挙がっており、IT業界が根強い人気を呈していることがうかがえる。
文理別に見ると、文系は「銀行」の順位が高く、男子で１位、女子で２位。文系女子の１位は「マスコミ」で、理系はメーカーとIT系が上位を占めた。理系男子の１位は「電子・電機」で、２位は「情報処理・ソフトウェア」。理系女子は「水産・食品」「素材・化学」「医薬品・化粧品」の順で人気が高かった。
志望する職種については、11職種から３つまで選んでもらったところ、文系では「営業系」「企画・マーケティング系」「事務・管理系」の３職種が上位を占めた。いずれも４割を超えるが、特に文系男子においては過半数が「営業系」を挙げている（54.8％）。理系は男女とも約半数（理系男子50.4％、理系女子46.5％）が「研究・開発・設計」に集中しており、次いで「IT系」が３割台で続いた。なお、「IT系」は文系でも４位にランクインしている。
１人あたりのエントリー社数は平均19.1社
３月１日時点のエントリー状況と今後の予定社数を尋ねたところ、１人あたりのエントリー社数の平均は19.1社（前年同期は19.6社）であることが分かっている。今後のエントリー予定社数は平均10.7社で、同様に前年調査（11.6社）を下回る。早い時期に接点を持った企業の選考が先に進んでいることで、視野を広げる必要性は薄くなり、エントリー企業の絞り込みにつながっていると考えられる。
これを文理男女別に確認すると、文系は理系に比べて社数自体は多いが、男女ともに前年実績に届かず、今後の予定数も前年調査を下回る。
後編では、セミナー・会社説明会の参加状況や３月１日時点での内定状況について紹介する。
（取材・文／松井さおり）
