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幼児期の性教育、保護者の9割以上が「大切」と回答(前編)

「幼児期の性教育意識調査 2022」保護者の声は?

日本は性教育が遅れていると言われて久しいが、近年では思春期を待たずに幼児期から性教育を始めた方がよい、という意見も多く聞かれるようになった。このような状況を踏まえて、日本全国で認可保育園などを運営している「どろんこ会グループ」(本社:東京都渋谷区/理事長:安永愛香)は、幼児期からの性教育について、同グループの施設を利用している家庭と保育者にアンケートを実施。保護者約3000人・保育者約1300人の回答を「幼児期の性教育意識調査 2022」として公開した。

なお、同グループでは、子どもたちが自分の体と命を守れるようにと、2004年より就学前の5歳児に「性教育(生命の教育)」を行っている。さっそく、保護者の意見から紹介する。

【調査概要】(抜粋)
1:保護者への幼児期の性教育に対する意識調査結果

調査期間 2022年8月5日~2022年9月9日
調査機関 どろんこ会グループ(自社調査)
調査方法 PCやスマホなどからアクセス可能なアンケートフォーム
調査対象者 どろんこ会グループの保育園、発達支援つむぎを利用中の保護者
有効回答者数 3173 人

性教育の開始希望時期は「3歳」が1位

「性教育にどのようなイメージをもっていますか?」という質問に対し、「大切なことだと思う」と回答した保護者は96.2%という結果で、大多数の保護者が性教育を重視していることがわかった。

「性教育はどの時期から始めるべきと思いますか?」の質問に対しては、「3歳児から」が最も多いという結果に。理由としては、「小さいころから始めることで先入観なく子どもが受け入れられると思う。3 歳ごろから自分の性器を触ったりと、特に男児は興味を持ち始めるようにも思うので」「自分の体に興味を持つようになったり、他者と自分の体の違いに疑問を持つようになったり、質問されることが増えたのが3歳のころでした」などの声が挙がった。性犯罪に巻き込まれることを防ぐために早い年齢での性教育を希望する回答も目立ったという。一方、「幼すぎると理解できないと思う」などの声もあり、開始年齢については意見が分かれた。

必要だと思うけれど「実施していない」が7割強

「ご家庭で性教育は実施していますか?」という質問に対しては、「必要だと思うが実施はしていない」「実施していない」という回答が計71.6%を占めた。性教育は重要だと思うが実際にはできていない、という現状が浮き彫りになった。また、「保育園で性教育を行うことについてどう思いますか?」という質問に対しても、「必要である」との回答が73.2%を占めており、家庭でどのように教えたらよいかわからないから保育園に任せたいという保護者の声が聞かれた。

明日掲載の(後編)では、保育従事者の回答を紹介。さらに、調査を行ったどろんこ会グループの見解や保護者へのアドバイスをお届けする。

(取材・文/中山恵子)