一人暮らしでかかる費用はどれくらい?
お子さんが日本に帰国して、初めての一人暮らしをする際、親として気になるのは、「子どもが安全に楽しく暮らせるか」ということと、その費用でしょう。想定以上に費用がかさみ、「急遽、追加費用を海外から送金することに……」なんてことを避けるために知っておきたいことや、できるだけ抑えるポイントをご紹介します。
入館しやすい学生会館 年&月額でお得感あり
一人暮らしをする際は物件探しから始める方も多いと思いますが、海外から帰国するお子さんに便利な物件が学生会館です。学生会館とは、世界各地・日本中から学生が集まる学生専用の居住施設。24時間会館スタッフが常駐しているので安心感があり、同年代がひとつ屋根の下に集うので友だちができやすいのが大きなメリットです。また入館のタイミングもフレキシブルに対応しているケースが多く、アメリカなどの英語圏の現地校やインターナショナルスクールを卒業した子どもの帰国、さらには海外からの留学生の入国に合わせて、夏頃でもその多くが入館を受け入れています。
帰国生のお子さんにとって暮らしやすく便利な学生会館ですが、実は親御さんにとっても嬉しい点があります。それは、一般的な賃貸物件などと比べて費用面でお得なケースが多いということ。独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)がまとめた「令和2年度 学生生活調査結果」によると、食費や交際費、光熱費などを含めた生活費全体は、一般の賃貸物件が年額215万1000円で月額17万9250円なのに比べ、学生寮(会館)の場合は年額194万3200円で月額は16万1933円。つまり、「学生会館のほうが年間で20万7804円、月間で1万7317円も費用が抑えられる」という結果になっています。
あなどれない初期費用を抑える秘訣とは?
また、こうした生活費に加え、あなどれない費用が初期費用です。この費用においても、一般の賃貸契約より学生会館のほうが費用が安くすむケースが大半なようです。初期費用は次の3つ「①賃貸契約にかかる費用」「②引っ越しにかかる費用」「③家具・家電を揃える費用」に大きく分類できますが、学生会館への入館で経費削減のパワーを発揮するのが③の「家具・家電を揃える費用」です。事前に知っておきたい費用なども含め、1つ1つ見ていきましょう。
①賃貸契約時にかかる費用
物件によって支払い方法や期間はまちまちですが、一般的に、契約する時に必要な費用は家賃の5~6ヶ月分が目安とされています。
その内訳は次の通りです。
- 家賃…1ヶ月分
- 敷金(保証金)…家賃1~2ヶ月分
- 礼金(入館金)…家賃2ヶ月分
- 管理(共益)費…家賃1ヶ月分
- 仲介手数料…家賃1ヶ月分
- その他(火災保険料や家財保険、鍵の交換費用など)
②引っ越しにかかる費用
海外から引っ越す場合、費用の算出方法は荷物の送り方と量で変わってきます。送り方は船便と航空便の2種類がありますが、船便は容積、航空便は重量で算出されます。一般的に、輸送日数が短く荷物が早く届く航空便の方が高額で、輸送日数が長くかかる船便の方が安い傾向にありますが、荷物の量によっては同額となるケースもある為、複数の引っ越し業者から見積をとってみましょう。
また勤め先で費用負担がある場合、上限額を設けているケースも多い為、事前に担当部署に確認しておきましょう。このほか、ヤマト運輸の『海外引っ越し単身プラン』のように専用の費用プランを設けている業者もあります(例/ミニマムで19万円。 ニューヨークから日本、所要日数60~70日)。
③家具・家電をそろえる費用
家具(ベッド、テーブルなど)や家電(冷蔵庫や洗濯機・掃除機など)、キッチン用品や洗濯、浴室グッズなどの必要最低限の生活必需品を揃えるだけでも費用は家賃2~3ヶ月分はかかってしまいます。1から揃えるとなると大きな負担となりますが、学生会館であれば家具・家電が備えけられているケースが多く、初期費用が抑えられます。